ソプラノ和泉聰子の『おんがくのいずみ』~うたの心をあなたに~

ソプラノ歌手・ボイストレーナーの和泉聰子のブログ。HPは http://lulu-hikichan.jimdo.com

劇画調の日本歌曲!病める薔薇

2018-05-29 08:53:39 | 講座・レッスン
昨日は日本歌曲のレッスンへ。


これでもか、というほど
身体を使って歌ってきました。



歌うことは身体を使うことだから
歌曲もオペラも関係ないのだけれど
曲の本質がサロン向けの歌曲か、
ピアノの伴奏もオーケストラのように
テクスチャーがあついのかでも
声のわたりかたがかわってくる。



私の知らなかった
山田耕筰さんの
病める薔薇(やめるそうび:三木露風)


あっさり歌っては表現できないことは
ピアノの音楽が音が多く、
音楽が揺れ動いている事でわかるのだけれど


これでもか、これでもか


と声を響かせ、突然声をひそめるのは
まるで歌曲の中のオペラアリアの表現のよう。



木の洞も初めて聞いた時に驚きましたが
本当にこれは身体と神経の使い方が半端ない。



水彩画の人物と
劇画の人物くらいの違いです。



そして、中田喜直さんの
悲しくなったときは


これもまた、最初と最後の静かで明るい母音から
中間部の激しい部分。



本気で身体を使わないと
それらの差異が出てこない。


上の明るい響きで歌っていながら
下の音程で
ここは貴女の声なら地声を使って
とワンフレーズだけ声を変えたり


そういう表現の仕方があるんだ、と。


中音が多い歌で
しっかりと横隔膜、胸郭
バランスを見ながら歌ったら
喉は全く疲れなかった代わりに
全身運動したような疲労がドーン。。



やっぱり歌うには
身体を鍛えなければいけません。
このままではスタミナが足りなすぎ。


身体を固めないような運動をして
スケールの大きい歌曲を
歌いきれる身体を目指します。


うちの薔薇。
今年はあまり咲かない。
くすん。

♬悪の虫 木よりつたいて〜

結構薔薇はやられてしまいますね。