日々徒然です

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囁く君

2014-04-20 03:03:41 | 小説
「君を愛している永遠に」
幼稚園で転校していった幼馴染は別れ際に言った
淡い思い出だった・・・

月日が経ち、幼かった淡い思い出も何処かに消えていった
そんなある日だった

中高一環の全寮制学園に俺は高校1年より生徒会長をしている
1年からの生徒会長は珍しくはない
役員の生徒は先輩方もいるが1年から行っている生徒もいる

「今日、転校生が来るんだって?今時期珍しいね」
「そうなんだ、親の転勤だそうだ」
「ふーん、あっそろそろだよね」
「あぁ、迎えに行かないと」
俺は高校2年になり去年同様、生徒会長をしていて今日は
転校生が来るので迎えに行くようにと、理事長に言われていた
ここの学園は転校生が来ると、迎えに行くのは生徒会長と決まっていた
俺はやりかけの書類を急いで整理し迎えに行く為の教室を出た

この時間は1時間目の授業が始まったばかり
生徒会役員は規定で授業免除が与えられる
この学校は生徒主体だから生徒会の仕事も半端なく処理作業も半端ない

校舎を出て校門の所まで行く。丁度、転校生が来ていた
自己紹介を終えるやいなや、俺の視界が黒くなり唇に柔らかい物が当たった
俺は状況が直視できず、あっけにとられていると
更に口づけが深く、声をかけようとすると舌が入ってきて絡めて来た
数分後、唇は離れようやく解放され息を整える間も無く抱きしめられた
「迎えに来たよ、逢いたかった」
囁かれた耳元は熱く口づけの余韻で唾液が糸を引いた

俺の記憶は幼い頃に遡っていった