日々徒然です

カフェにようこそ!

月見草な人を思い

2015-08-04 03:59:30 | 小説
若社長の指示だから仕方なく・・・
始めは、そんな気持ちから動いていたけど今は

僕は若社長の秘書になり3年が経っていた
若社長は海外留学の経験があり、そこで出会った「桐生義人」なる画家にゾッコンだ

先代から受け継いだ会社は今では、飛ぶ鳥を落とす勢いで年々売上を延ばしている
その会社を自社ビルとする事になり
ロビーに若社長のお気に入りの画家に絵を書いて貰う事になった
その画家の、お世話をしているのが僕だ
お世話とは名ばかりだが、進行状況を確認し若社長に報告する

アトリエは小ぢんまりとした家の中にあって、いつも散らかしたままだった
進行状況を確認するが、見ていられなくて掃除をしたりしている次第
どんだけ貯めるんだろうか?
そんな思いを抱きつつ確認し様子を伺う
「今日は考えが浮かばない」等、又はブルーに塗り始めたりと様々ではあった

若社長からは「よろしく頼むな」と言われるばかり
何故か留学中の「桐生義人」との出会いを話して頂いたり
思い入れのある人なのだと感心した
でも、僕は完成するのだろうか?と、疑問になるが

アトリエには食べる物が何も無いので、ある程度買い物をしてから伺う
もちろん経費で賄う
どんな絵が出来るのか楽しみでは有るが

掃除したりしているが、もちろん食事も作る

この間、食事を作っていたら視線を感じ見ると
「桐生義人」がジッと見ていた
そんな事も知らず、料理に夢中になっていた僕だった
「君はその姿も絵になるね」そんな言葉を投げかけられた