アラ還のズボラ菜園日記  

何と無く自分を偉い人様に 思いていたが 子供なりかかな?

太陽光発電はバブルの終わりかもしれない。その1

2015年06月08日 | 政治問題

ソーラー発電の現実と数年後

2013年03月22日に、私は上記のタイトルで投稿いたしましたが、2年後の現状は

下記の状況です。          

経済産業省が提示しているエネルギーミックス案の中に、ある重要な政策転換のサインが盛り込まれている。それは2030年における再生可能エネルギー買取総額を3.7~4兆円とするというものだ。原子力発電の停止によって震災前に比べ約3.8兆円燃料費が上昇しているから、原発の再稼働によって浮く燃料費をほぼ全て再エネの買取に充てるということを意味する。

しかし、現状の固定価格買取制度(FIT)による買取総額は今年度1.8兆円を超えており、3.7~4兆円で落ち着く制度的な担保は何もない。私による推計では、太陽光発電の設備認定は、今年3月の1カ月間だけで約1600万kWもの駆け込みが行われ、累計約1億kWに達している。仮にこの9割が運転開始になった場合、再エネ買取総額は4.8兆円となり、目標から1兆円も跳ね上がる。

これを契機に再エネを少ない費用で多く入れるという効率性の観点に立ち返ることが重要である。莫大な太陽光の既認定分のうち8割が運転開始に至っていないから、これらの買取価格を切り下げてもよいし、年間導入量に上限を設け入札等の競争原理を導入してもよい。既に認定されてしまった莫大な太陽光は再エネの中で極めて割高であり、ここに投じる国民負担を他の再エネや、コスト低下が見込まれる将来の太陽光に振り向けるほうが、「再エネを最大限導入する」という政策目標にもかなう。現行のFITによる太陽光買取の早急な停止が必要だ。

4月28日の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会長期エネルギー需給見通し小委員会(以下、見通し小委)において、2030年時点で再エネ比率を22~24%とするエネルギーミックス(電力構成比)案が公表された。最大の論点の一つは、どのように太陽光発電の導入と費用負担のバランスをとるのか、より端的に言えば太陽光バブルをいかに収束させるのかであった。

これは2012年7月から実施されている固定価格買取制度(以下、FIT)において、欧州FIT先行国と比べて2~3倍以上も割高な買取価格のもとで、爆発的な導入が進み、費用負担の抑制が大きな課題になっているためだ。

そこで資源エネルギー庁は見通し小委に対して、火力・原子力の燃料費とFIT買取総額を合わせた、いわゆる電力コストを、2013年9.7兆円から5%程度削減し、9.1~9.5兆円にするというロジックを提出した。これは太陽光バブルを収束させるために決定的な役割を果たす。FIT等による再エネの年間買取総額は2030年段階で3.7~4兆円とし、その内訳は、まず地熱・水力・バイオマスの買取総額(約1.0~1.3兆円)を決め、残り2.7兆円の中で太陽光(2.3兆円)、風力(0.42兆円)としている。したがって、特に太陽光バブルによって膨らんだ太陽光の買取総額について、我が国が再エネに支払える総額の中から上限を示したことは評価できる。

そもそもFITとは、再生可能エネルギーによる電力供給を、20年間等の長期に「固定」した価格で、政府が電力会社に買い取りを義務づける制度である。FITに要する費用は賦課金として電気料金に上乗せされ、一般家庭を含めた電力需要家が負担する。現行の導入ペースが継続する場合、太陽光の2030年時点の累積導入設備容量は、2015年2月末時点の導入量である2131万kWの8倍にあたる1億4000万kWに達することが示されており、その買取総額を渡しが試算すると2030年度に6.1兆円に達する。これは今年度の買取総額1.8兆円(標準世帯年額5688円)の3倍以上の規模である。

                              続く

 

参考文献

[1]総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会新エネルギー小委員会(第9回、2015年2月3日配付資料)

[2]朝野賢司「太陽光発電等の大量導入により、今後の賦課金負担はいくらになるのか?」『電気新聞』2015/03/09掲載

http://criepi.denken.or.jp/jp/serc/denki/pdf/20150309.pdf

[3]見通し小委における「電力コスト」は、火力・原子力の燃料費とFIT買取総額であり、通常、電力供給に必要なコスト(設備費等)は含まれていない。

[4]地球環境産業技術研究機構(2014), 「電源別発電コストの最新推計と電源代替の費用便益分析」

[5]朝野賢司(2014)「我が国の固定価格買取制度に関する費用負担見通しとその抑制策の検討」、電力中央研究所報告 Y13031.

[6]下記文献では、FITによって再エネの普及やコストダウン等の効果があったとしており、FIT自体の正当性を主張する点は従来と変わらない。ただし、技術的に未成熟だったPVをFIT対象としたことで賦課金が高騰したことを認め、2014年の法改正で導入された上限があればmistakeは避けられたことを公式な場で言及している点では珍しいと思われる。

Poschmann, Andre(2013), German Renewable Energy Policy What can be learned from the German case? driver mistakes challenges, The International Renewable Energy Agency (IRENA) Workshop on Renewable Energy Policies

 



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