学術論文にたとえわずかでも作為やデータの改変を加えることにあっては、為らないはずだが、
皆無とはいいきれないようである。現にそれか問題になって新聞などに報道されることが、
まま起きているのが現実である。しかし内容の大半が創作ないし捏造などいう論文は、
古今にそうはないのではないか『サンカの社会』(もとになった博士の表題は「サンカ社会の研究」は
実は、そのきわめて珍しい例にほかならないのである。
それを裏付ける証拠は 同書のはか やはり三角による『サンカの社会資料編』『山窩物語』に、
収録されている合わせで一三〇枚の写真と、それに付された説明などの中に豊富に見出す事が、
できる。
つづく
おでんが食べたくなる季節がやってきました。ついつい手軽なコンビニエンスストアのおでんを買ってしまう方も
多いでしょう。
10月21日放送のバラエティ情報番組『トリックハンター』(日本テレビ系)で、「コンビニおでんをおいしくする
トリック」というテーマがありました。ローソンによると、トリックは鍋の仕切りの穴にあるそうです。
おでんの具材にはダシを出すものとダシを吸うものがあり、仕切りに絶妙な穴を開けることで効率よくダシが
具材に吸収され、コンビニおでんはおいしくなるというのです。
しかし、こんなテレビ番組に騙されてはいけません。コンビニおでんの真のおいしさのトリックは、
鍋の仕切り穴などではなく、食品添加物の巧妙な使い方にあります。当然、そのおいしさはおでんの具材や
ダシ本来の味ではありません。添加物によっておいしく感じさせられているのです。
6~7年前のことです。焼きチクワやハンペンなどをつくる三陸海岸のある老舗の練り製品メーカー社長に、
こんな話を聞きました。
その練り製品メーカーは、大手コンビニチェーンとおでんの練り製品を納入する仮契約を結びました。
仮契約には「仕様」という品質についてのさまざ まな取り決めがあり、それらをすべてクリアできて本契約となります。
当然、練り製品メーカーでは、仕様に沿った製品づくりを始めました。しかし、どうして もクリアできなかったのが、
「練り製品はおでんのダシ汁の中で8時間浮いていること」という仕様でした。
チクワ、ハンペンなどおでんの具になる練り製品は、通常、スケトウダラなどの魚肉のすり身に食塩、砂糖、
でん粉、調味料などを入れて練り合わせて つくります。しかし、通常のつくり方では、どうやっても、
汁の中で8時間浮いていられません。具材が汁を吸って型崩れを起こしてしまうのです。
そこで社長は恥を忍んで知り合いの同業者に相談したところ、その人はこともなげにこう言ったのです。
「簡単なことだよ。原料のすり身にリン酸塩とソルビットをたくさん使えばいい。そうすれば、すり身の比率は下がり、
おでんの汁も吸いこみにくくなる。使った添加物はキャリーオーバーということにしておけば表示の必要はないから、
コンビニチェーンにも消費者にもわからないよ」
大半のすり身は船上でつくられます。その際、品質保持や増量のためにリン酸塩やソルビットが添加されますが、
使用した食品には影響が出ないということで添加物の表示は免除されます。これをキャリーオーバーといいますが、
この制度をもっと利用しろというわけです。
社長は、そこまで品質を落とすことはできないとして、コンビニチェーンとの仮契約を破棄しました。
それによって会社がコンビニチェーンに対して支払った違約金は100万円を超えたそうです。
ダシも添加物だらけ
そもそもコンビニおでんはばら売りと同じですから、添加物の 表示義務はありません。各コンビニチェーンの
ホームページを見ても、おでんの具の原材料は表示されていません。スーパーなどで売られている袋詰めの
おでん セットの具にも多くの添加物が表示されていますが、それを用いて家でおでんをすると、
すべて8時間以内には汁を吸いこんで鍋の底に沈んでいきます。そのこ とから判断しても、コンビニおでんは
市販のおでんセットより添加物たっぷりであると考えられます。
コンビニおでんは具だけではなく、ダシも添加物だらけです。かつお荒節や宗田かつお節を使用などと
強調しているコンビニが多いですが、これらは申 し訳程度にブレンドしているだけです。ダシの主原料は醤油、
ぶどう糖果糖液糖、砂糖、食塩、かつお節エキス、たんぱく加水分解物、化学調味料な どです。
この濃縮液を各店舗で薄めて使っています。コンビニ店に入ると、おでんの良いにおいがしますが、
これはかつお節エキスのにおいです。かつお節を 使っているといいながら、なぜかつお節エキスを使うのでしょうか。
それは、かつお節を少量しか使っていないからです。実はこのエキスが曲者で、化学調味料 を入れているケースもあります。
このように、添加物が気になる人にとって、コンビニおでんは食べてはいけない食品の最右翼です。
文=郡司和夫/食品ジャーナリストより引用
私も、長年大手食品メーカーの仕事をせて戴いておりますが、現場の社員も把握できないほど、
添加物は使用されております、材料を納入する時点ではいっています。
例えば、コロッケ、フライに使用する油脂には、シリコンが入っていてパッリト仕上がり長時間その
パッリト感が、たもたれます。
これが『サンカの社会』からの引用であることは 同書に目を通された方には、
一読、明白である。そもそも「アヤタダ」「ミスタカシ」「ツキサシ」「クズシリ」
「クズコ」「ムレコ」になどは、いずれも三角の造語(ネタ本はあったが)であり
そのような言葉はもちろん既念も実在はしなかった。
権威あるとされる事典、辞書でさえそんなあり様だから、三角の「研究」を
前提にして、記述された著作、文章はとても把握しきれないほど多い。
中には故意あるいは思い込みによって 三角の虚構を裏付たり補強するような
形になっている出版物も見られる。
それゆえ、実はあまり私の気か進まないが、三角論文の真贋を正確に
しておかないと、この話は次へ進むことかできないのである。
つづく
例えば 日本の主要な百科事典の一つは「サンカ」の項で この集団の「起源」と「組織」に、
ついて次のように説明している
サンカの起源については種々の説があって定かでない、しかしサンカ自身では、出雲の國津神を
その祖とするなどいくつかの伝承をもち家系を誇り先祖の功績を好んで述べたいた、
家筋に対する強い誇りをもつている。
「組織」全国のサンカを支配する組織の存在も伝えられている、すなわち最高権力者である。
アヤタチを頂点としてミスカシ、フキサキ(シ)などの中央支配者がおり、各地域には
クズシリ、クズコなどの支配者が置かれた。そして、そのもとに各地域セブリをムレコか統率
したという。
彼らは仲間相互の信義と義理とを道徳の第一とするとともに 外部に対しては厳しい、
秘密主義をとっていた。
つづく
前回につづき、サンカの実態も の生涯と共に全滅して私の死後においてはまったく記録することが
不可能になるので ここに33年間に得た資料を記録して後世の論究にする事とした。
ここには研究者としての強烈な自負が表明されている。執筆に当たって参考にした文献は一つ
としてなく、もっぱら自分のフールドワークによる成果であることを揚言しさらにサンカに
ついて語れるのは自分だけだとも宣言しているのである。
このような確信に満ちた記述は 同書か博士号を得た論文の要約であったことと合わせて
内容への信順の点で それなりの影響力をもつたことは間違いあるまい、さらに当時は、
精密なサンカ研究書がほかになかつだこともあって 出版当初から信憑性への疑問か語られながら
わが国を、代表するような百科事典、専門辞典にも、ときに全面的に、ときには部分的に、
引用されることになる。
そうしてそれは平成の今日もなお ほとんど改められていないのである。
つづく
冒頭で前人未踏のサンカについで尋念すべき文献は全くなく、ただ現存するスブリ生活者を、
求めてその実生治を探求しその実態を知る以外に、研究のが方法が無かった。しかもそれを
探求するには 危険を伴うことが多々であつた。
研究は、昭和3二年から同36年まで、33年間に及んだが まだ満足すべきものとはいえない。
その間、西支事変、大東亜戦争があったため、セブリの実態は急変して、神代からの貴重な実態は、
日に日に行作遷流(ぎょうさせんる)に押し流されて消滅しつつある現状である。
つづく
この本は 三角が博士論文として東洋大学へ提出 審査の結釆 昭和37年に
文学博士の学位を得た膨大な論稿の要約版であった。すなわち少なくとも形の上では
学界の承認を得たものだと思っても良い。
同書はA5判で、本文に写真と付表を加えて326ページで そこに見られる記述は
精密を、きわめ挙げられた数字は詳細にすぎるほど詳細であった。
それは先行研究者の業績が児戯に
等しく思えるほど壮大な構成のサンカ研究の決定版ともいえる体裁をそなえていた。
つづく