黒いパンプスが欲しかった。
太古の昔、私がOLだった頃、足元はいつもパンプスだった。
時代はバブル期、
ワンレン・ボディコンでこそなかったが、
アメフト選手のような肩パッドが入ったスーツにヒールの靴が定番だ。
だが結婚して、戦闘服まがいのスーツを着なくなると、
必然的にパンプスの出番もなくなる。
さらに母親になれば、お出かけはいつも子連れで、手には大きなマザーズバッグ。
子どもが増えれば、荷物も増える。
パンプスなんて履いていられない。
しっかり大地を踏みしめて立つ、安定したペタンコ靴かスニーカーばかり。
やがてバレエをはじめ、足指や足裏の柔軟性がとても重要になり、
つま先を締め付ける靴とは、ますます縁遠くなった。
だけどダンシャリアンになって1年くらいした頃、
唐突にもう一度、ヒールの靴を履きたいと思った。
ラクで便利だけでなく、お洒落にも目を向けたくなったのか…。
自己肯定感がアップして、颯爽とした自分をイメージしたようだ。
そういえば、コツコツ…という控えめな靴の音、
気持ちがしゃきっとして、好きだったな。
…という長い前フリの果て、20年ぶりにパンプスを買おうと思った。
色は黒。
ヒールは(久しぶりなので)5センチくらい。
就活用みたいなのではなく、シンプルでもエレガントな靴。
そして見つけた
一目で気に入った。
可愛いラウンドトウで、黒のエナメル・型押し、ヒール高もOK。
お店で何度も履き心地を確かめた。
手持ちの服にもあうし、ばっちりだ。
いい買い物をした!…と、喜び勇んで持ち帰った。
だ・が!
実際に町で履いてみると、お店での感触となんか違う。
ほんの1時間くらいで、足指の付け根が痛くなり、
親指の爪に至っては、ジンジンする。
ジンジンはやがてズキズキになり、
カートにつかまっていないと、歩けないほど。
慌ててお店に持っていって、
3時間くらいかけて、つま先部分を伸ばしてもらうも、
痛いことに変わりはない。
3時間じゃ足りないか…と1週間預けて、徹底的に皮を伸ばしてもらう。
…が、ダメだ、痛い。
でも我慢すれば履けないこともない。
このまま履き続けていれば、そのうち足に馴染むかも。
それとも…。
ジタバタとなんとかこの靴を履く方法を考えていた私。
全くもって潔さの欠片もない。
私は買い物に失敗したのだ。
そして、そのことを認めたくない。
ダンシャリアンのプライド(?)が許さない。
かくて私の手元に残った憧れのパンプス。
3回しか履いていない。
足にフィットしない以外は、望みどおりのまだ新しい靴。
だけど履くと痛い…なんて、靴としての最初の条件がクリアされていない。
要で適だけど、限りなく不快な靴。
ダンシャリアンの尺度で言えば、間違いなく処分対象だ。
銀座かね○つの靴だけに、執着してしまった…。
この靴は私のごきげんには程遠い…と分かってから、1年近くも手放せなかった。
だけどゴミ袋に入れるには、本当に忍びない。
誰か新しいご主人様になってくれないかしら。
こんな煮えきらない私にこそ、断捨離講座が必要なのかも…
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