スイレン
里山の水草であるヒツジグサを取り上げたが、外来種のスイレンは同じ仲間です。
国内のスイレン属はヒツジグサ以外、外来種・園芸品種です。
お盆の花の一つハス(蓮)はスイレンを混同された歴史があります。
エジプト原産のスイレンとハスをヨーロッパ人が混同したのです。
そのため、英語では蓮もスイレンもロータス(Lotus)ですが、植物の分類としては別種類です。
植物分類としては、睡蓮(Nymphaea)と蓮(Nelumbo nucifera)になります。
・睡蓮(水面近くに花が咲くものが多い。葉も水面に浮く。)(Nymphaea)(スイレン科)
・蓮(水面から高く咲くものが多い。葉も高さがある。)(Nelumbo nucifera)(ハス科)
「就眠運動」
植物の現象で、花が昼に開いて夜に閉じる現象のこと。
タンポポ、チューリップなどで観察できます。
スイレンも就眠運動をします。
エジプトのスイレンは、花を昼に開く青いスイレンと、夜に開く白いスイレンがあります。
古代エジプトの壁画に描かれている「聖なるハス」は熱帯スイレンです。
それらから多くの園芸品種が作られました。
昼の花は朝開いて夕方には閉じる就眠運動を3日間繰り返し、4日目に開いてその後水没します。
一つの花の寿命は4日と短いですが、開花期は5月下旬~10 月と長いので、この時期ため池などで水面に花を次々と咲かせる人々を楽しませます。
スイレンはエジプトの国花です。四千年も昔から生命の河ナイルの水辺に白と青のスイレンが咲き、古来より「聖なる花」として尊ばれてきました。白のスイレンは「ナイルの花嫁」とも呼ばれ、青のスイレンは、髪飾りなどのアクセサリーとして愛用されました。
蓮の原産地については、エジプト説、インド説、中国説などあります。それを特定できる遺物が発見されていないからです。
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