エノコログサのなかま
エノコログサの仲間は、どれも1年草。
五穀の一つとして栽培されるアワ(粟)はエノコログサを祖先とする栽培植物である。
(「モデル植物となったエノコログサ―その雑草生物学への適用」福永健二;雑草研究 Vol. 65(4)140 ~ 149(2020))
アワは黄河文明で栽培の証拠は、紀元前5000~6000年前の遺跡から見つかっている。
エノコログサがアワの祖先であるが、アワがどこから始まったのかはいまだ明確な答えは見つかっていない。
『栽培植物と農耕の起源』(中尾佐助 1966 岩波新書)ではインド起源説、その他中央アジアからアフガニスタン‒パキスタン‒インド北西部の地域説、中国と日本を含む東アジア説など多くが論議されている。
エノコログサの実は硬く、剛毛が多く、食べるツブツブの部分(小穂)も小さく美味ではありません。
が、 炒めると香ばしく、 食べることはできます。油でポップコーンのようになるのをしょうかいしてるホームページもあります。
スズメなどの小鳥はこの実を食べにきます。しかし、食べられても、消化がわるく、そのまま体外に排出されるので、エノコログサがひろがる理由の一つです。
8月以降になると、アキノエノコログサのようがよく目立ちます。エノコログサの穂は比較的短く、直立しているものが多いですが、アキノエノコログサの穂はエノコログサより太く長く、先端を下に向けて、深く垂れています。
エノコログサは、俗称「猫じゃらし」の方が有名です。
漢字で書くと「狗尾草」と書き、「狗尾」は「子犬の尾」のことです。
昔の人は、あの草の様子を「子犬のしっぽ」とたとえました。
「よい秋や 犬ころ草も ころころと」小林一茶
英語では、「green Foxtail」と「キツネのしっぽ」と見立てています。
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