こどもの本がおもしろい㉟
こどもの本のうち社会科に関係する絵本は寿命がみじかい。いま、新しく求められる視点はSDGs。川の絵本はこれまでたくさん出版されている。「調べ」学習につかえる本として、学校図書館や地域の図書館で採用されるように編集された本だ。
調べてわかる!日本の川(全3巻)
- 一級河川ってどんな川?
- いのちと暮らしを守るために
- 地域社会とのかかわり
出版社: 汐文社/発行年月: 2022-03/ISBN: 9784811313269
出版社からのおすすめ文「昔から人や文化と密接な関係を持ってきた一級河川ですが、近年各地の河川による自然災害の発生頻度も多くなり注目を集めることとなっています。一級河川とはなにか、その歴史や治水、生活や産業とのかかわりなどを解説します。」
全国の一級河川についてその歴史や治水、生活や産業とのかかわりなどを写真やイラストで解説しています。2巻では、秀吉が淀川に築いた堤防など治水の歴史を紹介しています。(大阪府立中央図書館こども向け調査ガイドより)
- 一級河川ってどんな川?」前半は川比べ、後半は川と人のかかわり
- いのちと暮らしを守るために」治水の歴史が中心
- 地域社会とのかかわり」川から生まれた産業とSDGs
3巻目が切口新しいところ。
また、川から生まれた産業の切口も新しい。これまで多くの本が、農業のために川を利用してきたという本が多い中、川を主人公に農業があるという視点がすばらしい。それぞれほかの内容は工業、観光業、漁業、公共施設がある。そして、SDGs。
生物多様性のある川の生態系を紹介している。
当会は、武庫川 揖保川 加古川 猪名川 淀川 大和川 由良川 鶴見川 をこれまでまとめて本にしてきた。
今回の本のではたくさんの川の事例をあげているが、日本の河をすべて網羅というわけではない。地域の河の様子を知りたい手掛かり本。
当会では武庫川以外はすべて1級河川。1級河川の長い川は紹介されているが、短い川の代表の鶴見川がなぜ1級河川なのかとか、治水の歴史なら大和川が面白い。秀吉の治水は淀川だけでなく加古川でものこっているし、地域のかかわりなら動植物をまとめた当会の「生きてる武庫川」はじめ「生きている」シリーズの本はきっとよい資料の一つになるはずだ。参考まで
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