おもむくままに・・・!

ゆったりと、流れのままに、拾いもしない、捨てもしない・・・。 おもむくままに・・・そして私がいる。

想いいれ・・

2019-04-18 12:18:45 | Weblog






母屋と離れ屋とが 

高低のある庭を挟んで向かい合っている。

長い縁側のある母屋の前庭は

収穫した大豆や小豆を筵(むしろ)に広げて干す

鶏が 自由に遊びまわる

勿論 子供たちの遊び場にもなる

母屋の庭から 離れ屋の庭に行くには

5段ほどの石段をあがることになる

石段の脇には 井戸枠に使うような丸い水槽があり

祖父が 川で釣ってきた鮒などが 活き活きと泳いでいる

そして 石段を上り詰めた脇からまるで 母屋との

境界線のように 庭藤が植えこまれて はずれには

季節ごとに芽吹く芍薬が庭藤と競うように花をみせてくれた。

決して消えることの無い映像がわたしの胸を占めている。

藤が咲き 芍薬が花開く季節が来ると

胸の奥底から 熱い涙の固まりのような幼少期への郷愁とともに

今は形をとどめない実家の周辺の景色が浮かんでくる。

22才で家を出たときに 決別したはずだが

形を変えてしまうなど 想像だにしなかった。

新しく建て替えた 今風のつくりの家など

こんな風に 人生の随所で思い出される景色とはならないだろう

決して・・ と わたしは思う。




* * * * * * *

そういえば 実家の家紋は上り藤であった。
庭に植え込まれた庭藤はその意味を表したのであろうか
祖父が拘って植えたに違いないと思えば 
なおのこと愛おしい花ではある。

 





にわふじ
花言葉 優しさ、恋に酔う、歓迎
コメント
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