ひねって・焼いて・陶

陶芸の様々な技法、釉薬、お会いした陶芸家の方々の話等々、私が陶芸で学んだこと、発見したことなどを綴ります。

見事な?「色移り」

2015年07月16日 | 制作現場
かみさんが作った白マット釉の湯飲みが焼き上がったたらなんと青マットに
なっていたのでビックリ。色々と調べたら原因は一緒に焼いた織部釉の銅が
揮発して白マット釉に色移りしたのだということが分かった。それにしても
見事すぎる。酸化物の中でも銅は溶け易いのでこうしたことが起こり易いら
しい。

その後調べたところ、2つの対策があった。1つは織部の上に透明釉を上掛けする
という方法。こうすると表面の艶が増すらしいので、織部釉でラスター調の薄膜が
かかるというトラブルも防げるのかもしれない。2つ目は織部釉の作品と隣の作品
との間に支柱を防護壁として立てる方法。しかし、この色移りが起きた時、織部と
白マットの作品は別の棚にあったので壁がどこまで有効かは多少疑問にも思う。

一方で、使用する土にも要因はあるという気がしている。と言うのは以前同じ
白マット釉で別の土の作品の場合には全く色移りしなかったからだ。
結局のところ現在は色移りした土を使っていない。また、織部の作品は支柱で
囲い万全を期している。



そういえば以前にこの現象をむしろ利用した作品を作ったら面白いかも知れないと
との考えを持ってる方がいた。その後トライされただろうか?
ちなみに、土は「粘土屋さん」の「信楽中目」で赤土です。