これはクラフトデザイナー中部前代表の故栄木正敏さんも取り上げられている本で、私は栄木さんの部分でほんの少しお手伝いをしました。この本は戦後の著名なデザイナーを取り上げながら日本のデザインについて解説しています。たくさんの美しい画像で作品を紹介するだけでなく、個々のデザイナーがどの様な経験を経てどの様なデザインを目指したかを丁寧に紹介しています。また、デザインに関する特定のテーマを掘り下げた記事もあり、結構な読みごたえがあります。読み進むにつれて日本のデザインがどの様な道筋を経て現在に至ったのかが次第に見えてきます。また、編著者のナオミ・ポロックさんは日本に在住経験のあるアメリカ人で、世界的な視点から日本のデザインの特質を解説している他、数名の日本人を含む共著者によるページもあり、様々な角度から日本のデザインを捉えています。記述の大方を占める翻訳部分は大変自然な日本語で、翻訳本にありがちな違和感がなく読めることも特長だと言えます。ただ一つ残念なのは重さが2.3kgもあるという点です。しかし内容がそれに見合うだけ濃いことを考えれば仕方がないと思います。
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