ひねって・焼いて・陶

陶芸の様々な技法、釉薬、お会いした陶芸家の方々の話等々、私が陶芸で学んだこと、発見したことなどを綴ります。

岡崎達也展 セラミックデザインとクラフト

2019年06月12日 | 陶磁器展示会

肩書はセラミックデザイナー。その肩書通り、作品からデザイナーらしさをつくづく感じる。ランプシェードは、泥漿を鋳込む際に気泡をこしらえ、それを螢手に仕上げているとのこと。気泡はスチロール玉を利用しているとの説も聞いたが、いずれにしろ発想が独創的。どの作品にもその作り方、使われ方、表現の仕方に創意工夫がある。理屈っぽさが自分の強みだと言い切っておられるところに潔さを感じた。今年2月に急逝された陶磁器デザイナーの栄木正敏さんを師と仰いでおられ、森正洋氏からの流れを受け継いでいる方だと思う。また、展示が美しく分かり易いところにも感心した。


シュラックニスを塗った粘土の原型

2019年06月09日 | 制作現場

石膏型用の原型は石膏で作るのが一般的だが、粘土でもいけるのではないかと思いやってみた。粘土を使う理由は、石膏の場合削り過ぎた時に盛るのが面倒なので作りながら形を検討し難いからだ。その点、粘土は修正が容易。原型作りには粘土があまり使われないようだが、その理由は繰り返して使い難いためかも知れない。しかし、成形した粘土原型にシュラックニスを塗って表面を硬くし、耐水性を持たせれば良いのではと考えた。実際にやってみたところ、かなり上手く行った。粘土は完璧に乾かさなくてもある程度乾けばニスは塗布出来る。塗布してしまえば乾燥し難くなるのでそれ以上収縮する事は無い。念のため原型にカリ石鹸を塗ったが、離型は石膏以上に良い感じがした。短所をあげると、生の粘土は石膏よりも強度が低いので、あまり細長かったり極薄の形には不向きかも知れない。私は普段原型には石膏の代わりにインダストリアルクレイを使っているが、準備や後片付けの手間を含めるとこのやり方もメリットがあると思う。

このやり方、自分が発見したつもりになっているが、案外既にやっている人は多いのかもしれない。

 

シュラックニスを塗った磁器土の原型

 

完成した型で成型したポットのツマミ。