夜中に寒さで目が覚めた。
トイレへ行って、コーヒーでも飲むかと、台所の椅子に座ってポットのスイッチをいれる。
ぶるっと寒気がして「おおさぶ~」と思わずつぶやく。
それが懐かしい節になっていたので、ふと思い出した。
♪おおさむこさむ~ 山から小僧が飛んでてきた♪
同じフレーズを何度か繰り返すが、次が出てこない。
「次の文句(歌詞)は、なんあったかいな?」と独りツッコミ。
その「なんあった」で思い出した。
♪なんといって飛んできた~ なんといって飛んできた~ 寒いといって飛んできた~ おおさむこさむ~ 山から小僧が飛んできた♪
寒い冬の戸外で遊んで、みんなで家に帰るときのテーマソングだった。
永遠に続くのだが、各自の家に来るごとに、一人減り、二人減りして、ようやく終わる。
ポットのお湯がシュンシュンと湧きだす。
昔、火鉢の五徳にかけられた鍋のお湯が湧いているのが頭に浮かぶ。
♪な〜べ〜な〜べ〜そ〜こぬけ〜 そ〜こがぬけたらかえりましょ〜♪
歳をとると若い頃のことより子どもの頃を思い出す。
ポットのお湯がゴボゴボと音をたてる。
♪おしくらまんじゅう~ 押されて泣くな~ 押したらアカン~ あんまり押したらあんこが出るぞ~ あんこが出たら~ つまんでなめれ♪
歳をとると心が子どもに戻るのだろうか、記憶が逆行する。
ポットの湯をインスタントコーヒーを入れた湯呑に注ぐ。
一口すすって、ぶるっと震えがくる。
頭は子どもになっても体は爺(じじい)なのだ。
♪こどもはかぜのこ じじばば ひのこ♪
子どもは体温調整機能があるが、歳をとるにつれて無くなっていくのだという。
♪こどもはかぜのこ じじばば ひのこ♪
②につづく
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