河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

畑――マイペース

2023年04月03日 | 菜園日誌

同じ町内に住む小学校の同級生が、三月で退職して畑仕事に精を出しだした。
昨日、遠くで作業をしているのが見えて、ちょっとひやかしに。
ブロッコリーを植えている。作業をしながら、キャベツはそこ。向こうはスイカ、ナス、トマト。あっちにはキュウリという説明。
「まだ(夏野菜植えるのは)早いやろ!」
「せやけど、仕事を辞めたから暇やがな!」
ホームセンターに行けば、早くも夏野菜の苗が売られている。
「今頃植えたらビニールで保温しなければアカンやろ! じゃまくさいだけやで!」と横目に見て通る。

同級生からキンセンカの苗をもらって畑に戻る途中、別の百姓仲間が里芋の親芋を包丁で切っている。
「もう植えるんかいな! まだ早いやろ!」と同じ言葉が口に出る。
「地温がぐんと上がる連休前ぐらいが、余計な手間をしなくてすむのに」と言うと、
「なんなと植えとかんと儲からんがな。じゃが芋の芽が出てるのやから、いけるやろ!」
そりゃそうだと納得しつつも、マイペースが少し崩れそうになる。

次の日の今日。マイペースは、か完全に失せていた。
朝から里芋の畝立て開始!
しかし、耕運機のエンジンは相変わらずかからない。いたしかたなく、前向きに鍬で後ろ向きに進む。広いめの畝を四本立てて、真ん中に溝を切る。
そして、いよいよ親芋の調理。と言っても包丁で頭の部分を切るだけ。
なのだが、切る段になって、初挑戦のこれ(親芋の逆さ植え)がしたかったのだと・・・、マイペースが崩れた理由が解った。
芽出しの効果でだいぶ芽がふくらんでいる。根が出ているものもある。
芽をつぶさないように注意して切る。畝に並べて切り口を乾かす。黒い土の上に里芋の切り口の白さが際立つ。

午後に植え付け。粘着力のある里芋の切り口は糊のように固まっている。
切り口を下にして伏せ、土をかぶせて山を作っていく。土寄せが必要な野菜の植え方。蚕豆もこうする。山と山の間は肥料を入れる。
二時間ほどで植え付け完了。四、五日かけて、のんびりやろうとしていた作業を一日でやってしまった。
どっかりと椅子に座って考える。「里芋を植えたから、明日からは何をしようか?」
後は夏野菜と売り物の落花生を植えるだけ。これだけは、マイペースを守って連休以降の作業!
そこで思う・・・そうなのだ・・・。

みんな各自のペースで生きているのだ。その日、その場の各自のペースでやればよい。


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