河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

茶話145 / 黄昏

2024年09月18日 | よもやま話

夏場は、日が暮れても暑くて畑仕事にならなかったが、今は日暮れ前にはなんとか動けるようになった。
夕方の4時30分頃に家を出て畑へ。
まずは、朝に農小屋の西側に置いていた椅子を、反対の東側の日陰へ移動させる。
しばらくは、西陽から日陰になっている辺りの草抜き。
5時前になると、東の太子町(南河内郡)から防災無線が流れる。
「もうすぐ5時です。子どもはお家へ帰りましょう」
ちょうど5時になると、西側の山のお寺の鐘が鳴るのではなく、『夕焼け小焼け』のオルゴールが流れて来る。
 夕焼け小焼けで日が暮れて 山のお寺の鐘がなる
 おててつないでみな帰ろう  からすといっしょに帰りましょ
 (詞:中村雨紅・曲:草川信)

陽が西に傾きだす、ここらあたりから働き時。
多少しんどい作業も、汗をかかずにできる。
一時間ほどして、のんびりタイム。
椅子に座って、東の山並みが茜色に染まっていくのをぼーぉっと眺める。
しばらくすると、太子町の南側にある河南町から『夕焼け小焼け』のメロディーが、かすかに流れて来る。
6時、陽が西山に沈む。
眼の前の景色から茜色がスーッと消えていく。
薄暗くなって「彼は誰ぞ」と問う「彼誰(たそがれ=黄昏)」になる。
この瞬間が、何ともいい。
人生の黄昏も、こんなのかと……胸にしみる瞬間。

本当は日が暮れる前に帰りたいが、「歴史その四、太陽の道」に沿った道を通るので、彼岸近い時期は、太陽が真正面にあって前が見えない。
昔は、日暮れ時から後は、盗賊や妖怪に出くわすので「逢魔時(おうまがとき)」と言ったそうな。
人生の黄昏ちかい歳になって、交通事故でも起こせば、現代の逢魔時になってしまう。
だから、日没の直後に帰るようにしている。
しかし、これもまた、西側の綺麗な夕焼けを見て帰ることができるので、なんともいい。


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