河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

ちょっといっぷく51 トウキ

2023年04月04日 | よもやま話

スーパーのケーキパック温室に植えた(『畑/はず』参照)のタカノツメ唐辛子の芽がが出そろった。
これをビニールポットに植替えて今日の作業は終了。
里芋を植えてしまたので、あとは、連休以降に植える夏野菜の苗を育てるだけ。もう、今日はすることがない。
そこで、相棒を誘って遠足(弁当をたべにドライブ)。
途中のスーパーで弁当を買う。これをスーパー弁当という。 
たいがいワンコイン以内。それでないと二人とも食べきれない。
ちょうど12時に飛鳥のキトラ古墳の休憩所に到着。
まだ新しい綺麗な建物で、広い窓からのどかな春景色を眺めながら昼食。

さて、これからどうしようと考え、「そや、あれを買いに行こう!」。
飛鳥から東の山路を抜ければ30分ほど。カーナビを道の駅宇陀路大宇陀にセットする。
「次の信号を左(西)です」という可愛い彼女の声にしたがって進む。
しばらく走って、また彼女が「次の信号を左です」
「おいおい、家に向かってるやろ! 東に行きたいねん!」
結果、よく知っている道にでる。もはや、彼女の声は無視して走る。
彼女が何度も繰り返す「再検索をしています」。
彼女は可愛いより賢い方がいい!
安物のカーナビに向かって「アホか!」。
そして、・・・ブチ!


※奈良の情報サイト「Narakko! 奈良っこ」より借用

結果、30分ほど遠回りして道の駅に到着。
ところが、あーあ! 駐車場は満員。
「又兵衛桜」という有名なしだれ桜の大樹が近くにある。そのためだろうと、少し離れた第二駐車場に止める。
道の駅は素通りして横にある産直市場へ(写真の右端)。

しかし、お目当ての物が無い!
なんでやねん! ほなら、又兵衛桜を観に行こう。
すると、近くにいたリュックを背負ったお婆さんが「来年は満開の時に来ましょうね」とお爺さんに話している。
ええ、見ごろは過ぎてんのかいな! しゃあない、ほな帰ろ・・・! 

と、裏口(実際は正面入口)から出ると、有った!
「大和当帰(やまととうき)」の苗!
セリ科の多年生植物で薬草。根の部分は生薬として婦人科系の漢方薬に利用され、血を補ったり、血の巡りや冷えの改善などに用いられる。
2年前は150円だったが、倍近く値上がり。しかし、艱難至極を乗り越えて来たのだから、買わずばなるまい!
絶対に欲しいと思ってから二年の歳月。そこまで至る物語は・・・
♪ちょうど時間と~なりました♪

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畑――マイペース

2023年04月03日 | 菜園日誌

同じ町内に住む小学校の同級生が、三月で退職して畑仕事に精を出しだした。
昨日、遠くで作業をしているのが見えて、ちょっとひやかしに。
ブロッコリーを植えている。作業をしながら、キャベツはそこ。向こうはスイカ、ナス、トマト。あっちにはキュウリという説明。
「まだ(夏野菜植えるのは)早いやろ!」
「せやけど、仕事を辞めたから暇やがな!」
ホームセンターに行けば、早くも夏野菜の苗が売られている。
「今頃植えたらビニールで保温しなければアカンやろ! じゃまくさいだけやで!」と横目に見て通る。

同級生からキンセンカの苗をもらって畑に戻る途中、別の百姓仲間が里芋の親芋を包丁で切っている。
「もう植えるんかいな! まだ早いやろ!」と同じ言葉が口に出る。
「地温がぐんと上がる連休前ぐらいが、余計な手間をしなくてすむのに」と言うと、
「なんなと植えとかんと儲からんがな。じゃが芋の芽が出てるのやから、いけるやろ!」
そりゃそうだと納得しつつも、マイペースが少し崩れそうになる。

次の日の今日。マイペースは、か完全に失せていた。
朝から里芋の畝立て開始!
しかし、耕運機のエンジンは相変わらずかからない。いたしかたなく、前向きに鍬で後ろ向きに進む。広いめの畝を四本立てて、真ん中に溝を切る。
そして、いよいよ親芋の調理。と言っても包丁で頭の部分を切るだけ。
なのだが、切る段になって、初挑戦のこれ(親芋の逆さ植え)がしたかったのだと・・・、マイペースが崩れた理由が解った。
芽出しの効果でだいぶ芽がふくらんでいる。根が出ているものもある。
芽をつぶさないように注意して切る。畝に並べて切り口を乾かす。黒い土の上に里芋の切り口の白さが際立つ。

午後に植え付け。粘着力のある里芋の切り口は糊のように固まっている。
切り口を下にして伏せ、土をかぶせて山を作っていく。土寄せが必要な野菜の植え方。蚕豆もこうする。山と山の間は肥料を入れる。
二時間ほどで植え付け完了。四、五日かけて、のんびりやろうとしていた作業を一日でやってしまった。
どっかりと椅子に座って考える。「里芋を植えたから、明日からは何をしようか?」
後は夏野菜と売り物の落花生を植えるだけ。これだけは、マイペースを守って連休以降の作業!
そこで思う・・・そうなのだ・・・。

みんな各自のペースで生きているのだ。その日、その場の各自のペースでやればよい。

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畑――後ろ向き

2023年04月01日 | 菜園日誌

里芋を植える予定地に牛フン堆肥をまいた。
肥料としてではなく土壌の改良。土がふかふかになる。
本当なら軽トラック一杯くらいまきたいが、その余裕はない。
そこで、とりあえず15㌃に40㍑を3袋。本来の1/30。
畑を四等分して、毎年順繰りにまいていると、これだけでも結構効き目がある。
まき終わって畑を耕そうと耕運機を出す。エンジンをかける。ところが、しばらくするとプスンと止まる。
何度か繰り返したがやっぱり止まる。昨日は機嫌よく動いていたのに今日は機嫌が悪いようだ。
以前にも同じことがあって、何日か後には動いたので、とりあえず今日は中止。

さてこれからどうしようと思案していると、牛ふんのツーンと鼻につくアンモニア臭。こりゃやっぱり耕さんとアカンわ。
そこで、久々に備中鍬の登場。
備中松山藩(岡山県高梁市)の山田方谷(やまだほうこく)という学者が発明したので備中鍬。
大きく降り下ろして土に刺し、柄を前に倒してテコの原理で土を起こす。日本の農業を大きく発展させた優れ物である。
とはいえ、15mほどの畝が五本。耕運機に慣れた身には少々気がひける。そこへツーンとした臭い!
こりゃたまらんと、意を決して備中を降り下ろす。ああ、久々やなあ・・・と、昔を懐かしみつつ前に進む。
一畝の半分ほど行った所で一休み。後ろを振り返って、はっと気付いた。点々と我が足跡。
「ちゃうちゃう。アカンがな! なにやってんねん。後ろ向きに進まんとアカンやろ!」

普通の鍬(平鍬)にしろ備中鍬にしろ、農作業は後ろ向きに進む。
平鍬は後ろに重心をかけて鍬を引いた拍子に土を乗せ、重心を前に移して土を畝に上げ、また、後ろに重心をかけて進んで行く。
備中鍬は降り下ろして土に刺し、柄を前に倒してテコの原理で土を起こした後に、重心を後ろに移して土を引っ張り広げて後ろに進んで行く。
前に進む、押すより、後ろに引っ張る方が楽なのである。おまけに足跡が残らない。
長らく使っていなかったので、備中鍬の使い方を忘れていたのである。
「なあ、楽になったやろ」と独りごと言いながら後ろ向きに進む。

楽になったとはいえ、さすがに疲れる。二畝ほど耕し、足跡のない畑に感心しながら休憩。
一畝耕し、また休憩。もう一畝耕し、また休憩。
さすがに疲れて、「あとの一畝は明日にしようか」と弱気な独りごと。そこへツーンとあの臭い。
意を決して再び後ろ向きに進む。
半畝耕し、また休憩。「明日は耕運機が動くかも・・・」と、気持ちも後ろ向きになる。そこへツーンとあの臭い。
「よっとゃ、やったろやないかい!」と前向きな気持ちになって後ろ向きに進む。

耕し終えて、どっかりと椅子に座り、お茶を飲む。
「歳をとると前向きに後ろ向いた方が楽かもしれんな」とわけのわからんことを思う。
遠くに大きな桜の樹が見える。
「あの桜の下でビール飲んだら美味いやろな・・・」
そう思って、思い出した。
「去年の春も、ここに座って同じことを思ってたなあ」

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