文化の日

好天に恵まれ、ウォーキングイベントに参加しました。
年に１度だけ県庁本庁舎と名古屋市役所本庁舎の内部を公開する日です。

どちらも昭和８年に竣工され、国の重要文化財に指定されている重厚な美しい建物です。
名古屋城の天守閣を思わせる風格ある建築様式、内部の格調高い造りはすばらしく、多くの映画の舞台としても使われています。

「三階」右書きされているのですら、歴史を感じます。

正庁（公式行事を行う大広間）、市長室、知事室、貴賓室、議場、屋上まで内部を見ることができました。

天井灯は大理石です。

どちらも現役のお役所で、たくさんの部署に分かれ、仕事をしている方のお名前が書いてありました。

四十数年前大学生だった私は、県の役人だった父のもとで夏休みの間２か月ほどアルバイトで働いていたことがあります。
短い期間でしたが、同じ部屋で上司が父、その部下から指示された仕事を一生懸命に行いました。

なぜ父と同じ職場で働くことになったのか、父がどんな気持ちで娘を同じ職場で働かせたのか、今はしかと覚えていません。
いささか計算力に自信がありそうな娘なので使えると思ったのか、部下の中から結婚相手を探させようと思ったのか、父の立場になって忖度しています。

今日、四十数年ぶりに同じ部屋の扉の前に立ちました。様相は全く変わっていません。隣は貴賓室です。
てきぱきと働く仕事人間だった父、同じ部屋で書類を手にがんばっていた私。

仕事人間ではあったけれど、ひたすら人を大切にし、娘をかわいがってくれた父が彷彿としてきました。
しばしのタイムスリップ、自分だけの記憶遺産です。

同じフロアに食堂があり（昔はそこにはありませんでした）営業をしていたので、お昼ご飯を食べました。

定番の味噌カツ定食です。ほとんどの人が味噌カツ定食かきしめんを注文していました。

県庁を出て、もと武家屋敷だった地区、政財界で名をなした著名な人たちが住んでいた建物、高級料亭など、文化の薫り高い道をたどりながらの散策は、文化の日にぴったりの時空となりました。

青空にプラタナスの黄葉が映え、小さな雲がゆっくりゆっくりと流れていきました。