夜も更けてきました…
夜も更けてきました…
JR奈良線の黄檗駅から徒歩5分の萬福寺。
江戸初期(1661年)に創建された伽藍は焼失等を免れ当時の姿を今に伝えている。主要建物二十三棟、回廊などが国の重要文化財に指定されている。
しかし、京都、奈良のインバウンドの喧騒はなく、広い境内にすれ違う人も稀である。
①「R.M.F.の死」
ロバート(ジェシー・プレモンス)は、会社の上司であるレイモンド(ウィレム・デフォー)に人生の選択権を握られ支配されている。結婚相手の選択、日々の食事、セックスのタイミングまで、彼はどんな命令でも従う。レイモンドから与えられた新たな命令は、R.M.F.という人物が乗った車に追突することだった…
②「R.M.Fは飛ぶ」
海洋調査に出かけたまま行方不明となった海洋学者のリズ(エマ・ストーン)、憔悴した夫の警察官ダニエル(ジェシー・プレモンス)を励まそうと、同僚のニール(ママドゥ・アティエ)とそのマーサ(マーガレット・クアリー)が彼の自宅を訪れる。ある日、リズが奇跡的生還を果たし、自宅に戻ったが…
③「R.M.F.サンドウィッチを食べる」
エミリー(エマ・ストーン)とアンドリュー(ジェシー・プレモンス)はカルト教団の信者で、人間を蘇らせる能力がある人物を探している。ある女性にその能力があるかどうかを確かめるため死体安置所を訪れるが失敗。エミリーには、離婚した夫と暮らす娘がいる。娘の誕生日に密かに娘の部屋に忍び込む…
と、ストーリーは具体的で映像も具象的であるが、何を言いたいのかよく解らない。
それは、『抽象画と具象画との間の綱渡り』する、フランシス・ベーコンのようだ。
映画の「具体的な室内」に飾られているミニマリズム的あるいはニュー・ペインティング的な絵画はその象徴だろう。
『Sweet dreams are made of this
Who am I to disagree?
I travel the world and the seven seas
Everybody’s looking for something
Some of them want to use you
Some of them want to get used by you
Some of them want to abuse you
Some of them want to be abused
甘い夢はこれでできている
反対する私は誰?
世界と7つの海を旅する
誰もが何かを探している
あなたを利用したい人がいる
あなたに利用されたい人がいる
あなたを苦しめたい人がいる
あなたに苦しめられたい人がいる
』
支配と被支配、嗜虐と被虐、そして、Sweet Dreams
“憐れみの3章”は、このSweet Dreamsで出来ているようです
好きな人にはたまらない、
全く万人向きでない映画
お勧めできません
★★★★★
テイストは、エドガー・アラン・ポー原作の「世にも怪奇な物語」1968 年に似ているかも…
『ごあいさつ
ドイツを拠点に活動する西川勝人(にしかわかつひと∶1949-)は、光と闇、その間の漠とした陰影に心を配る多様な作品を、40年 以上にわたり手がけてきました、なかでも代表的なのが、活動初期から継続する彫刻です。抽象的なフォルム をもつ彼の白い彫刻は、木や石膏を用いた簡素な構造ながら、表面に淡い陰影を宿し、周囲の光や音さえも そっと吸い込むように静寂へと誘います。(中略)
本展は、1980年代より現在まで一定して、静けさという特質を保持し続ける西川作品の美学に触れる日本初 の回顧展です。彫刻、写真、絵画、ドローイング、インスタレーション、建築的構造物など、多様な手法による、 初期から最新作までの約70点を紹介いたします。作家自らが会場模型を作り、それぞれの展示室がもつ光を 考察しながら選定した作品は、制作時期とメディアを混在させた絶妙な組み合わせで構成されています。個々 の展示室に名を与えるとすれば、「光と影」 「教会」 「ラビリンス」といった言葉が浮かび上がってくるでしょう。 それぞれの空間は、質の異なる静寂をもたらし、そして私たちの内なる静謐さをも引き出してくれるに違いあり ません。美術館という日常から隔てられた場において、西川作品を介することで、来場くださった皆様が観想 する時間をもつことを願って、本展を開催いたします。
2024年9月
DIC川村記念美術館
館長生嶋章宏 』