『浄土教の信仰では、阿弥陀如来を一心に信じる者の臨終に際しては、阿弥陀如来自らが聖衆(諸菩薩)とともに現前し、西方極楽浄土へ導くとされている。』
凶暴な夏がはじまった…
薄暗がりの浄土を目指して
根津美術館へ
PLAN75で、倍賞千恵子が山の端に落ちる陽のかがやきを見つめるシーンは阿弥陀如来の来迎を感じさせる
「死」はいつも客観である
「死」を恐れ「生」への執着を見るとき、来世の極楽を信じ、心安らかなれと思う気持ちが宗教を生んだ一因だろう
父母の死を経験すると、阿弥陀さまに帰依する気持ちがよく分かるようになった
阿弥陀三尊来迎図 鎌倉時代
『阿弥陀の信仰者は、臨終に際し、阿弥陀像を安置し、阿弥陀の指と自分の指とを五色の糸で結び、極楽往生を祈念した。』
鎌倉以降は掛軸の来迎図から糸をのばしたものもあった
阿弥陀二十五菩薩来迎図 鎌倉時代
阿弥陀如来像
朝鮮高麗時代 14世紀
根津美術館の楽しみは、仏像、仏画だけではありません
「青山(せいざん)」の号をもつ初代根津嘉一郎が蒐集した茶器を季節ごとに展示する二階はいつもため息ものです
【展示室6】
今回は「雨中の茶会」一服の茶で梅雨を楽しもうという趣向
瀟湘は中国南部の湖南省長沙市一帯の風光明媚な名所
南宋の夏珪に倣った作品 岳翁蔵丘は周文の弟子
【展示室5】
注文された舶来品
茶人によって注文されたカスタムメイドの陶器
景徳鎮窯で焼かれた「古染付向付」
魚の開き、猫型、うさぎ型のユニークなデザインにほっこり
ベトナムの「安南白釉茶碗」「安南染付蜻蛉文茶碗」は民藝です
【展覧会は撮影不可のため写真は全てネットより借用しました】
庭に出る…
押すな押すなの大盛況(・o・)
土曜の昼はやめたほうがいいね…
次回にもちこし…
SAISONコースを選択
アミューズの「トマトのカクテル仕立」は割愛
信州サーモンの燻り 夏野菜のコンディマン
トウモロコシのスープ バター醤油味のポップコーン添え
本日のおすすめ鮮魚 ブイヤベース仕立て
アプリコットのパウンドケーキ
コーヒーか紅茶
おいしいパンが付いて、このお値段!
もちろん布のナプキンです
サービス、味も合格点で東京では
たぶん倍以上のお値段でしょう
夜は和食です、
現在は二人がけづつカウンターをパーティーションで区切っています
板場で白髪の大将が手際よく料理を作り盛っていきます
そのテンポのよさに感激し、お年を聞くと喜寿を超えているとのこと
板場の奥では、息子さんが煮物、焼物、揚物を担当とのこと、店の継承も安心ですね
皮を3枚ぐらいむくと、うすい黄緑色のみが出てきます
タケノコの柔らかさと上品な甘さが美味しかった
お酒は、大信州、大雪渓など地酒が豊富、その中から佐久の花をチョイス 燻酒と爽酒の間のような、ほのかな香りとスッキリした味です
強肴に、鯖のへしこ、自家製鮎一夜干でお酒も進みます…
どれをたのんでも旨い、
松本の名店です
松本には、駅前(お城も)を除いて、喫茶店もファーストフードも
コンビニもありません
それが良いのか悪いのか…
その一つの回答が、老舗喫茶店
「珈琲美学アベ」です
7時開店で11時までモーニングサービスがあります
注目は、モーニングサービスのメニューです
どの素材も優良で、オムレツは老舗のレストランレベルです
サイフォンで淹れた珈琲450円は、雑味がなくほろ苦く薫り高い
2022年9月1日は小澤さんの
87歳のお誕生日
ご健勝をお祈りします
名匠 デュトワもかけつけて
30周年を盛り上げます
愛すべき松本、信州の旅でした
民藝の影響を受けた松本民芸家具も見逃せません
ネット画像借用
左 池田三四郎、中央 柳宗悦と三四郎、右 バーナード・リーチ
池田三四郎(1909〜1999)は、松本に生まれ、1948年に民藝の祖柳宗悦に師事。戦中戦後の混乱で衰退していた松本の家具生産を、和家具の技術を活かした西洋家具の制作に転換させた。特にバーナード・リーチの助言で制作したウィンザー調の家具が有名。
池田三四郎は、松本民芸家具の職人を育てる「松本民芸生活館」(非公開)を建設し、多くの職人を輩出している
池田三四郎の監修で内装、松本民芸家具のテーブル、チェアを揃えた
昭和25年創業のフランス料理店
「鯛萬(たいまん)」
今回は食事出来なかったので次回の楽しみにしたい
民藝のホテルです
宿泊は、リーズナブルな料金
各部屋、部屋着、スリッパも
民芸風で愉しい
大浴場もきれいにリニューアル
して快適
お勧めします
梅雨入りした曇天の東京、
弱く細い雨が衣服にしみこむ
ゲルハルト・リヒター展初日
現代アートの初日ではかなりの
人出ではないだろうか…
観客の顔ぶれがいつもと違うなと感じたのは現代アートという括りではない感じ…
いわゆるモード系ファッションの
黒い男女の若者が多い
何故だろう…
ゲルハルト・リヒターは、1932年旧東ドイツ ドレスデン生まれ
『60年に及ぶ創作の歩みは波乱に富んでおり、ポップ・アートに始まり、具象から抽象、再び具象へと転変。
スタイル、手法の変化によらず、ドイツアートの表現主義的伝統を継承しているとも云われている。
「理性と感情の調和」は西欧アートの規範とされた美の理想たが、彼はその解体をぼやけた具象的イメージやランダムに配置された抽象的形象
によって行った。』
・・・リヒターについての解説です
内部・外部、主観・客観、善・悪、男・女などの階層的二項対立を乗り越えようとするポストモダンの思想、脱構築主義を、写真と絵画の関係、ピントを外した写真や形象をランダムに配置した抽象絵画によって行ったということかな…
写真と絵画の関係では、
写真に基づく絵画作品
こんな作品かな…
写真が登場して、西洋絵画の主要なジャンルであった肖像画はその目的を失います。
リヒターは、写真登場以降の絵画はいかにして存続が可能なのかを考え続けた作家のようです。
ランダムに配置した抽象絵画とは、
リヒターは現代アートについて、
『「アートは変わりつつある」と語り、「出回っているものの7割はゴミだ」「傑作かどうかを判断する基準はもはや存在しない」』とリヒターは説明した。
現代では、モナリザのように芸術作品の質を判断する基準となる作品、美の規範がなくなってしまった、ということらしい。
マルセル・デュシャンの「泉」から出発したといわれる現代アート
泉 マルセル・デュシャン
美しいとか、傑作だとかの規範は無いわけですが、作者が作品に込めたコンテクスト(文脈、背景)を自分の脳で整理して、作品に向き合う事は必要ですね
その意味では、
現代アートも「美術」は見るものではなく読むもの、
頭で考え理解するもの、
という西洋美術の伝統を
引き継いでいますね