僕は、二十歳の頃からほぼ40年間タバコを吸い続けて来ました。
その間禁煙しようなんて思った事は一度もありません。
近年、禁煙ムードが広がり、そのムードの中で、タバコを止める人を見ると、「意気地無しメッ!」と、白い目で見たりもしました。
先月、肺ガンだと診断された後も普通に吸い続けていました。
タバコを吸わない女房や元親には、これを理解出来ないらしく、呆れ返っています。
元親なんぞは「俺なら肺ガンと言われた瞬間に止める!」とほざきます。
「ふんっ!お前達にタバコ飲みの情が解るか!」反論するオヤジ。
肺ガンで入院、手術なんだから、その後はもう止めるしか選択肢はないでしょうが。
だから、入院までは存分に吸っておきたいって言うのが、タバコ飲みの情でしょうが。と、屁理屈をこね回すオヤジ。
さて入院当日、女房が付き添ってくれます。
病院近くの喫煙所で、生涯最後の一本に火を点けます。
タバコの無いこれからの人生を想像しながら、キッチリ根元まで、フィルターが焦げるまで吸い尽くします。
「ふーっ!」ちょとナーバスになっていると、「ハイッ」と女房が手を出します。
「なに?」
「タバコ出しなさい。捨てといてあげる。」
タバコにライターに携帯灰皿。
一切合財を、臭いが移るからとビニール袋に放り込み、二重三重に口を縛って自分のバッグに仕舞う女房。
何よ、この情の無いやり方!
でも、文句は言うまい。
今は女房だけが頼りなんだから。
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