浮世風呂

日本の垢を落としたい。浮き世の憂さを晴らしたい。そんな大袈裟なものじゃないけれど・・・

食料の世界戦略①

2012-03-14 08:30:45 | 資料

 世界最大手の核ミサイル原料の、製造企業、アライド・ケミカル社。

ノーベル「平和」賞を受賞した、アルバート・ゴアの経営する、この企業が、人類を「核戦争で、滅亡の危機に直面」させ続けてきた。

人類を滅亡させる企業の経営者に、「ノーベル平和賞」を与える事が、現代社会の「常識」となっている。

アライド・ケミカル・グループは、同時に、世界最大の精肉企業IBP(アイオワ・ビーフ・パッカーズ)を経営している。

狂牛病で汚染された、アメリカ牛肉の輸入を日本がストップした時、

アメリカの核の傘に、今後、守ってもらえなくなる覚悟があるのか」と、日本を脅迫し、

強引に、汚染された牛肉の輸入再開を、行わせた企業が、このIBP=アライド・ケミカル・グループである。

口蹄疫(こうていえき)、狂牛病に犯された牛肉が、平然と、スーパーマーケットで売られている。

人類を核戦争で滅亡させても、「平気」な企業が、人間にとって「安全」な、牛肉を生産する「ハズ」がない。

食品産業とは、軍事産業である。

食料価格の高騰で、エジプト、アラブ諸国に、動乱の火が付き広がって行った。

食品産業とは、軍事産業であり、動乱を戦争に発展させるための、食料価格高騰である。

◆ アメリカ東海岸のニュージャージ州に住むフリーライターのジャネット・スカーベックさんが、その「異常さ」に気づいたのは昨年、地元新聞の訃報欄で同じ町に住むキャロル・オリーブという女性が死んだという記事を読んだときだった。

 記事によると死因はクロイツフェルト・ヤコブ病だったが、スカーベックの友人だった別の女性も3年前に同じ病気で死んでいた。スカーベックは、ヤコブ病は100万人に1人しかかからない病気だと聞いていたので、そんな奇病にしては自分のまわりで起きる確率が高いのではないかと奇異に感じた。

 死亡記事をさらに読み進むと、もっと奇妙なことに気づいた。ヤコブ病で死んだ2人は、同じ職場に勤めていたことがあるのだった。その職場は「ガーデンステート競技場」という地元の陸上競技場で、そこにはスカーベック自身の母親も勤めていたことがあったので、よく知っている場所だった。(ガーデンステートはニュージャージ州の別名)

 100万人に1人の奇病が、同じ職場から3年間に2人も出るのはおかしい。そう感じたスカーベックは、地元新聞の訃報などを使い、地元におけるヤコブ病での死亡を調べてみた。すると、さらに驚くべきことが分かった。ガーデンステート競技場の約100人の職員のうち2人、競技場の会員パス(一定料金で何回でも入れる常連者用の定期券)の保有者1000人のうち7人がヤコブ病で死亡していたのである。このほか、競技場内のレストランで食事したことがあるという人がヤコブ病で死んだケースも見つかり、合計で13人の競技場に出入りしていた人々がヤコブ病で死んだことが分かった。

 こうした事実を突き止めたスカーベックは、競技場内のレストランで出した牛肉に狂牛病に感染したものが混じっており、それを食べた13人がヤコブ病にかかったのではないか、と推測した。13人はいずれも、1988年から92年の間に競技場のレストランで食事した可能性が高かった。

 狂牛病(牛海綿状脳症、BSE)は、牛や羊などに発生する脳の病気で、動物の体内にある「プリオン」と呼ばれるタンパク質が突然変異し、異常プリオンが脳や脊髄で増えると発病すると考えられている。(異常プリオンは正常プリオンと合体して2つの異常プリオンに変化する)

 異常プリオンを含む肉や飼料を食べることによって、狂牛病の感染が広がっていくと考えられている。狂牛病にかかった牛の脳や脊髄、それらが混入したひき肉などを人間が食べると、異常プリオンが体内に取り込まれ、数年間以上の潜伏期間を経て、変異性のヤコブ病にかかる可能性がある。

 世界の食肉業界では、した家畜の体の部位のうち、肉など使い道がある部分を取り去った残りの部分(臓器や骨、脳など)を高温で溶かして獣脂(食品材料などに使われる)を採取する「レンダリング」と呼ばれる工程を行う。

 獣脂を採った残りは粉末(肉骨粉)にして、家畜の飼料や、子牛が飲む人工乳に混ぜること多かったが、1970年代の石油危機を受けてレンダリング工程の効率化が進んだ結果、狂牛病にかかった牛の脳などの異常プリオンがそれまでのようにレンダリングで分解(不活性化)されず、そのまま飼料や人工乳の中にまぎれ込んで他の牛に狂牛病が感染する事態になり、1980年代にイギリスで狂牛病の大量発生を招いた。

 イギリスでは狂牛病で100人以上の死者が出たが、感染したが発症していない人はもっと多いかもしれない。最近、手術で取り出されて保管されているイギリス人の盲腸や扁桃腺の細胞の中に異常プリオンがないか検査したところ、1万2千人分のうち3人分以上がプリオン感染していることが明らかになった。この確率をイギリスの人口に乗じると、イギリスではすでに4000人ほどの感染者がいる計算になる。

 スカーベックが突き止めた13人の死因は、いずれも散発性のヤコブ病と診断されていた。散発性ヤコブ病は100万人に1人しか発症しないが、競技場の従業員や会員の発症率は、その何千倍という大きさだった。スカーベックは、13人は散発性ヤコブ病ではなく、レストランの牛肉から感染した狂牛病原因の変異性ヤコブ病で死んだのが散発性と誤診されたに違いないと考え、疾病対策予防センター(CDC)と農務省に自分の調査結果を伝えた。

 当局からは何の返答もなかったが、2003年12月、アメリカ北西部ワシントン州の屠場で狂牛病の牛が見つかり、全米が大騒ぎになった後、スカーベックの調査は一気に米内外のマスコミの注目を集めるようになった。その後、CDCから依頼を受けた地元ニュージャージ州の保健局がスカーベックの調査について再度検証したが、その結果は「13人は全員が散発性ヤコブ病の症状であり、変異性ではない。アメリカでは狂牛病は発生しておらず、変異性のヤコブ病が起きることはない」というものだった。

 その間にも、スカーベックのもとにはマスコミでの報道を見て「ヤコブ病で死んだ私の家族も、あの競技場の通っていました」と遺族が報告してくるケースが3つあった。その1人はニューヨークの球団ジャイアンツの支配人だったジョージ・ヤングの妻で、ニューヨークタイムスの記事を見て「私たち夫婦も、あの競技場のレストランで食事をしました」と電話してきた。

 スカーベックは、牛肉の流通範囲はかなり広いだろうから、自分が見つけたケースは狂牛病被害全体の氷山の一角にすぎないのではないかと考えている。問題の競技場は、経営不振のため昨年閉鎖され取り壊されており、レストランの過去の肉の仕入れ状況などを今から調べることは難しくなっている。

 アメリカは2003年まで、狂牛病が発見されているカナダから大量の生きた牛が輸入され、狂牛病検査がおこなわれることなくされ、流通していた。

 この状況を調べた国際専門家委員会は、カナダで狂牛病の発生が確認された1993年から、日本で狂牛病対策が採られた2001年まで、カナダ産の狂牛病の異常プリオンを含んだ食品が、アメリカを経由して日本にも輸入され続けていた可能性があると指摘した。2001年に日本で狂牛病騒ぎが起きたとき、日本の外食産業の中には「うちはアメリカンビーフだから安全」と宣言していたところがあったが、実は正反対だった可能性がある。

 ニューヨークタイムスによると、農務省の広報担当責任者であるアリサ・ハリソンは、アン・ベネマン農務長官によって現職に任命される以前は、牛肉産業の業界団体である「全米牛肉協会」の広報担当部長をしていた。ハリソン女史は、牛肉生産者のために米政府による安全強化政策に抵抗したり、「アメリカには狂牛病は存在しない」と主張するプレス発表をおこなうことなどが仕事だった。

 ハリソン女史は、農務省に入ってからも「アメリカには狂牛病は存在しない」とする発表資料を作り続けたが、農務省に入ることで、彼女は自らの主張を「業界」の主張から「国家」の主張へと格上げすることに成功したことになる。

 このほか、ベネマン長官のもとで政策を立案している農務省の高官たちの中には、畜産や農業の業界団体の戦略家から転進してきた人が多い。たとえば長官の首席補佐官をつとめるデール・ムーアは全米牛肉協会の首席ロビイスト(政府に圧力をかける担当)だった。農務省は、業界に乗っ取られている感がある。当時のブッシュ政権は、選挙時に政治献金をもらう見返りに、業界の戦略家が官庁に入って業界寄りの政策を立案することを許したのだ。

 こうした傾向は農務省だけの話ではない。電力自由化をめぐっては破綻したエンロンがホワイトハウスなどに対して大きな影響力を持っており、エンロンなど売電業界の主導で電力自由化が進められた結果、カリフォルニアなどで大規模停電が起きた。イラク戦争に際しても、チェイニー副大統領が以前経営していたハリバートン社や、共和党と結びつきの強いベクテル社など一部のインフラ整備会社が無競争で儲かる仕組みが作られている。

 業界と政府が癒着するのは、ある程度ならどこの国にもある話だ。日本でも農林水産省などは、消費者より生産者を重視しすぎていると批判されている。だがアメリカの場合、業界の侵入の仕方がもっと本格的だ。業界の戦略家が役所の要職に就き、直接政策を作ってしまう。

 これは「自由化」「規制緩和」の名目で1980年代のレーガン政権時代から徐々におこなわれてきた流れの究極形である。役所には、業界が悪いことをしないよう、国民に代わって監督する役割がある。自由化は「業界には自主規制する自浄能力があるので、役所の監督機能をある程度低下させた方が、経済活性化には良い」という理論で拡大されたが、今のアメリカの役所は業界に乗っ取られ、監督機能が低下しすぎている。

 1980年代にイギリスで狂牛病が大発生して以来、米農務省は「アメリカでは狂牛病は発生していない」と主張し続けてきた。だが、農務省は牛肉業界の圧力を受け、米国の狂牛病検査はごく限られた量しか行われてこなかった。

 米当局がアメリカで狂牛病が発生していないと主張していたのは、検査対象が非常に少なかったことに起因していた。

 2004年4月には、テキサス州で脳に障害があると観察されたへたり牛が検査なしでされ、その肉が規制を無視して市場に流通していたことが報道で暴露された。当初、屠場の担当検査官はこの牛を検査した方が良いと考え、農務省傘下の研究所に送ったが、農務省の上級検査官が検査しなくても良いとする決定を下していた。そして、この上級検査官から現場の関係者に対し、へたり牛の肉が出荷されたことについて口外するなと示唆する電子メールが送られていたことまで暴露された。

 日本政府からの全頭検査の要求に対して、アメリカの牧畜や食肉の業界からは「非科学的なので不必要だ」という反発が出た。狂牛病の感染は子牛の間に起きるが、その後潜伏期間があり、生後30カ月(2年半)以上にならないと発症しないケースがほとんどである。感染しても発症しないと狂牛病検査で見つけることができないので、生後30カ月以下の牛を検査しても意味がない、というのがアメリカ側の主張である。

 このように米農務省は、米国内での牛肉の安全管理について、米国民の信頼を失墜させるようなことをいくつもやっているが、日本に対する主張も正しいものとは思えない。農務省は、日本が行っている全頭検査に対して「生後30カ月未満の牛を検査しても感染を感知できないのだから、日本のやり方は非科学的だ」と主張しているが、これは間違った指摘であると思える。

 日本では検査の結果、これまでに11頭の狂牛病が発見されているが、このうち見つかった2頭は、生後23カ月と21カ月で、これまで狂牛病に発症することはないと思われていた若い牛だった。

 日本で見つかった狂牛病の若い牛の脳組織の一部は米当局に渡され、米農務省が検査したところ、狂牛病ではないという結果が出た。このためアメリカ側では、日本の検査体制に対する批判も出ている。ところが、この主張もよく見ると間違っている。

 狂牛病の検査には何種類かの方法がある。それぞれ長所と短所があり、アメリカは2-3種類、日本は4種類の検査を組み合わせて判定する。アメリカが決め手の検査方法と考えている「免疫組織化学的検査」は、日本でも行われており、問題の牛の検査結果は日本でも陰性(感染なし)だった。だが、日本では行っているがアメリカで行われていない「ウェスタンブロット法」という検査の結果が陽性で、そのために日本側は問題の若い牛を狂牛病であると判断した。(ウェスタンブロット法はEUで採用されている)

 感染していても発症していなければ、異常プリオンの量は少ないだろうから、そうした牛を食べても問題は少ないかもしれない。そのあたりが米側の「科学的」の根拠であるようだ。だが、狂牛病の感染・発症過程は解明されていないことがあまりに多い。子牛は発症しなくても感染している場合があるのなら、子牛に対しても検査をした方が良いと考えるのは間違っていないし「非科学的」でもない。

 一般に、内実が複雑な環境や衛生の国際問題は「政治」を「科学」にすりかえて論争に使うことが多いので注意が必要だ。「科学的」と主張されると真実のように思ってしまうが、実は政治的な策略に基づいて、自分たちに都合のいい説がつまみ食い的に持ち出されているだけだったりする。

 農務省は、自分たちが行っている狂牛病検査は、一頭ずつの牛が狂牛病ではないことを証明するための検査ではなく、狂牛病が米国内で流行していないかどうかという全体的、統計的なことを調べるための検査であることを、却下の理由として挙げている。農務省に頼らず、民間で検査を行う方法もありえるが、アメリカでは役所が行った検査だけが正当なものであるとする法律があり、民間が勝手に検査を行うことが許されていない。

 アメリカの牛肉業界団体と大手4社の生産者は、日本向けだけに狂牛病検査を認めると、米国内の消費者も検査を求めるようになり、やがてすべての牛を検査しなければならなくなり、膨大な費用がかかるとして検査に反対している。農務省は彼らを意を受けて、できるだけ検査を行わない戦略を採り、検査をやりたいという一部の生産者に対しては「そのうち日本政府と政治的な折り合いをつけ、検査を実施せずに対日輸出が再開できると思われる。もう少し辛抱すれば、検査費用なしで日本に輸出できるようになる」と説得している。

 「検査するより日本が折れるのを待て」ということである。

 実は狂牛病の検査費用は高くない。日米とも、最初に行う検査は一度に数十頭を検査できる「エライザ法」で、この検査だけでほとんどの牛は狂牛病ではないと判断されるが、この検査の一頭あたりの費用は3000円前後(15-30ドル)で、牛肉100グラムあたりの検査費用は1円ほどになる(1頭で300キロの肉と計算)。

とはいうものの、狂牛病が危険なのはアメリカだけではない。たとえばフランスではこれまで、過去13年間に900頭の狂牛病が発見されたとされていたが、最近の調査では、実は同期間に30万頭の狂牛病がフランスにいた可能性が指摘されている。それらはすでに仏国民の口に入ってしまった。

 アメリカ産は危険だがオーストラリア産は安全だというのも、まだ発症が確認されていないだけかもしれないと考えれば、確信できるものではない。オーストラリア政府は、自国には狂牛病は存在しないと宣言し、モニタリング型の検査だけをやっている。これは、アメリカやカナダの政府がとっていたのと同じ態度である。

 牛肉を食べないという手もあるが、肉そのものを食べなくても、肉以外の獣脂や肉骨粉などが回りまわって混入しているかもしれない食品はたくさんあり、それらのものを完全に回避するのはほとんど無理である。

 狂牛病の異常プリオンは、脳や脊髄、目、腸の一部(回腸遠位部)に多く蓄積されるだけで、切り身の肉や牛乳には混じることはない。ひき肉やソーセージ、サラミなどは、牛のどの部分が混じっているか消費者が見ても判断できないので、これらの製品を食べないようにすれば、異常プリオンの摂取は、ある程度は防げるかもしれない。

◆ もう一つ、的外れかもしれないが心配なのは、アメリカの狂牛病発生は、もしかするとアメリカ上層部に自国経済を自滅させようとしている勢力がいることとつながっているのではないか、という懸念である。これまでに911事件後のアメリカでは、ウソをついてイラクに単独侵攻して占領の泥沼にはまったり、無意味な間違いテロ警報の乱発や財政赤字の急拡大、技術力の要となる外国人研究者に対するビザ制限、ドルの権威を揺るがすアジア共通通貨の推進など、自国経済にマイナスになるような政策や外交戦略が相次いで打たれている。

それらの動きを「米中枢に国際協調体制を作りたい勢力がいて、彼らは自国を衰退させ、EUや中国、ロシアなどを勃興させようとしている」ということと関連づけて考えている。狂牛病騒ぎの場合、アメリカで初めて狂牛病の牛が見つかった時期が年末のクリスマスシーズンで、ちょうどフランスなどからアメリカに向かう飛行機にテロリストが乗っているとして米政府が飛行禁止を命じ、数日後に大間違いと分かったのと同時期だった。このとき感じたのは「間違ったテロ警報で、米当局がクリスマスの消費増に冷水をかけたのと同様、狂牛病が見つかっても検査をしないことで、米国産牛肉が海外で売れないようにしたい勢力が米中枢にいるのではないか」ということだった。

 イラク侵攻のケースを見ると、国際協調派は、米中枢の軍事産業やイスラエル系の勢力など、他の利権集団が希望していたイラク侵攻を、換骨奪胎して失敗する形で実現し、自国を弱体化させている。北朝鮮との関係も、アメリカは強硬姿勢を貫くことで、中国や韓国が北朝鮮とアメリカ抜きで仲良くし始める状態を生んでいる。これらと同様、狂牛病に関しても、検査に強く反対している牛肉業界の意を受けて強硬姿勢をとりつつ、実は日本などの輸入先がアメリカから牛肉を輸入しない状態にさせようとしているのではないか、と思われる。