「国進民退」という言葉を聞いたことがあるだろうか。中国語で「国有企業が進み民営企業が退く」という意味である。
■民営企業を次々買収し、潤う国営企業
中国では近年、大型国営企業が民営企業を次々と買収し、海外投資や事業の多角化を進めている。2008年末に中央政府が4兆元規模の景気対策資金を投入したが、最もその恩恵を受けたのは公共事業を請け負った大手の国有企業だった。
金融緩和で国有企業は資金調達も容易になり、順調に経営状況を好転させているのに対し、銀行から資金を借りることができず、民間の高利貸などに依存する民営企業は、景気が悪化すればたちまち経営基盤を崩してしまう。その上、近年批判の的になっているのが、地方政府が公権力を濫用し、民営企業の財産を奪ったり、人事や経営に口を出したり、ひいては企業の役員やその家族を逮捕し、重い刑罰を科したりするという問題である。
民営企業が不当な扱いを受けるという状況はずいぶん前からあるが、最近、この問題に関し論争が沸き起こっている背景には、主に3つの事情があると考えられる。
1つ目は重慶市を中心とする「打黒」(黒社会撲滅運動)の広がりによって冤罪が大量に生じた可能性があるということ。民営企業家のなかには十分な根拠がないにも関わらず「黒社会」(やくざ組織)を主導しているとされ、処罰される者もいる。
2つ目は、浙江省温州市などで金融危機の影響をもろに受け、債務返済が滞った民営企業家の自殺や失踪が相次いだこと。
3つ目は、「違法集金詐欺罪」で一審・二審共に死刑判決を受けた女性企業家・呉英の事案が大きな話題となっていることである。
■呉英の死刑判決 一審・二審は差し戻しに
呉英とは浙江省に本部を置く「本色集団」の法人代表で、07年2月、一般大衆から違法に7億7000万元の資金を集め、3億8000万元を返済不能に至らしめた容疑で逮捕された。
09年の一審は違法集金詐欺罪で死刑判決、12年1月の二審も一審を支持したが、4月20日、最高裁判所が死刑執行を承認しないと発表し、浙江省高級裁判所に判決を差し戻した(中国では死刑執行は最高裁判所の審査を経て最終的に決定される)。
過去の事例を考えると、死刑判決が差し戻された場合、執行猶予付きの死刑判決や無期懲役になることが多い(執行猶予付き死刑の場合、受刑者が執行猶予期間中に問題を起こさなければ無期懲役に減刑される)。
農民家庭に生まれた呉英は、美容技術を習得して美容サロンチェーンを展開し、26歳で総資産38億元を築いた。全国各地に人脈を開拓し、不動産や商品先物市場など様々な投資ビジネスに手を伸ばしていった。
しかし、高利貸への依存、放漫で無計画な事業経営、浪費生活を続けた結果、損失の補填ができないまま借金で金利の支払いに充てるという自転車操業に陥った。
呉英の代理弁護人によると、保有する不動産などを売却すれば借金は返済可能だったにもかかわらず、呉英は突然、地元東陽市公安局に身柄を拘束されたという。
呉英は裁判の過程で賄賂を送っていた役人の名前などを明らかにしているが、一方、東陽市の役人十数人が呉英の死刑判決を支持する旨の文書を裁判所に提出している。「役人は自らの保身のために呉英を死刑に追いやろうとしている」と憤る声が次々に寄せられた。
呉英の事案の主な争点は、金を不特定多数の一般大衆から借りたか、詐欺を働く意図があったかどうかにある。呉英は11人から金を借りているが、いずれも旧知の仲介人や金融業者であり、「一般大衆」とは言い難い。高級な車や宝石を買い漁っていた事実があるが、呉英側は、それらは手掛けていたブライダル事業などに利用する目的であり、詐欺目的ではなかったと主張する。
刑法199条は集金詐欺罪に関し、その金額が極めて莫大で「国家と国民の利益に特に重大な損失を与えた」場合は無期懲役か死刑に処すとしている。
一方、192条は「違法に占有することを目的に詐欺的方法で違法に出資を募り、その金額が大きい場合は5年以上の懲役或いは15日以上6カ月以下の拘役(短期の労役)及び2万元以上20万元以下の罰金とする。金額が特に大きいか、状況が特に深刻なものは、10年以上の懲役或いは無期懲役とする」と規定する。
呉英を死刑にするなら、国家と国民に大きな損失を与えたことをどのように証明するのか。そもそも経済犯罪に死刑という極刑を適用すべきなのか。銀行が金を貸さないから中小企業は民間金融に頼らざるを得ないのではないかという声が上がっている。
呉英のケースは様々なメディアに取り上げられ、広く注目された。最高裁判所が死刑判決を差し戻したのは、世論の高まりが背景にあるとも考えられる。
しかし、これまでに呉英と同じような罪状で重い罪に問われ、既に死刑が執行された事例もある。雑誌『財新』のウェブ版が整理した資料によると、1993年から2011年までに21人が数千万元から数十億元の資金を違法に集めたとして、違法集金詐欺罪や違法経営罪、違法公衆預金吸収罪で起訴されている(90年代の2つの事案は違法集金詐欺罪がなかったため汚職罪や賄賂罪が適用されている)。そのうち、死刑判決は10件、執行猶予付き死刑判決は1件、懲役刑は6件である。この数字は公開データのみを整理したものであり、実際はこれよりずっと多いと見られる。
「黒社会化」する地方政府 民営企業を狙い撃ち直面する8つのリスク
(1)企業家は近年広まりつつある「金持ちは犯罪人で、先に豊かになることは許されない」という絶対平均主義的な思潮に対抗しなければならない。
(2)「打黒」の拡大に対応しなければならない。当局は「企業の警備員が人を殴った、脱税だ、領収書の偽造だ」などと罪を掘り起こし、企業に「黒社会」の帽子を被らせ、死刑や無期懲役など重い罪を着せる。
(3)「富の再分配が必要だ」とする公権力が司法の武器を持って企業家の財産を奪う。
(4)腐敗が当たり前の現状において、企業家は土地の取得、さまざまな許認可、納税面の優遇などに関してレント(参入規制によって生じる独占利益や寡占による超過利益)を獲得・維持するために権力に屈せざるを得ないが、賄賂罪で逮捕されるリスクも抱える。
(5)役人は短期間でGDPや財政収入の増加などの業績を上げようと企業家に群がるが、そのためには前任者が実施していたプロジェクトを変更したり、停止したりもするため、企業家はそうした動きに振り回される。
(6)地方の役人には法律の知識を欠いており、民営企業を国有企業のように扱い、企業の人事や経営に介入する者が少なくない。
(7)『刑法』の度重なる改正で100以上の市場経済秩序に関する罪名が加えられたことにはよい面もあるが、地方権力に不当に介入する契機を与えたり、より多くのレント追求の余地を与えたりと、悪く働く場合もある。
(8)役人が企業家に嫉妬し、「自分に従わないならトラブルを押し付けてやる」というような事態が起こり得る。
他人事ではない日本企業
以上のようなリスクが高い地域では、冤罪が大量に発生している可能性がある。また、不安を抱える多くの成功した企業や企業家は財産を海外に移している。企業家やその家族は海外移住の準備を進め、既に移住した者も少なくない。このような状況が続けば、企業家の投機心理に拍車がかかり、安定的に産業を発展させることができなくなる。司法が公正でなければ国民経済に打撃を与えることは必至である。
「打黒」(黒社会撲滅)を大合唱していた重慶市では、その主であった薄熙来が権力を行使し、いわば「黒社会化」していた状況が次々に明らかになっている。薄は日本企業が多数進出している大連市の市長や遼寧省の省長、商務部長を歴任しており、多くの日本企業関係者が薄やその関係者とのパイプ作りに精力を費やしてきた。薄の解任によって打撃を受けている日本企業も少なくないだろう。
こうした企業は、ある意味で腐敗した中国の政治体制を利用してきたと言える。しかし、そうしたやり方は長い目で見て中国社会に、そして日本企業にどのような影響を及ぼすのだろうか。
中国をとりまく政治リスクは、紹介した民営企業の事例を見れば明らかである。日本企業も中国企業の事例を「他人事」と考えず、リスク管理を強化する必要がある。
◆去る11月15日、中国の習近平政権が樹立してから1カ月余が経った。その間における中国の国内状況を見ると、新政権を取り巻く社会情勢が実に深刻なものであることがよく分かる。
政権発足からわずか10日間で、国内における大規模な暴動事件が3件も発生した。
まずは11月17日、習近平総書記自身がトップを務めた福建省寧徳市で、地元警察の汚職を疑う市民ら約1万人が暴動を起こして警察を襲った。
そして20日、浙江省温州市郊外の農村で、変電所建設に反対する地元住民1000人以上が警官隊300人と衝突し、200人が負傷した。
その翌日の21日、今度は四川省広安市隣水県で、地元公安当局に抗議する住民1万人余りの暴動が起きた。公安当局の車が数台破壊され、20人の市民が負傷した。
政権発足直後の暴動の多発は、指導部人事に対する人々の絶望の現れの側面もあろうが、暴動に至るまでの経緯やその原因を見てみれば、その背後にあるのはやはり、今の体制と社会状況全体に対する国民の強い不満と反発であることが分かる。
たとえば広安市隣水県で起きた暴動の場合、オートバイを運転していた住民が警察に殴られたことが事件の発端である。寧徳市の暴動の場合、1件の交通事故の発生がきっかけで、地元警察の汚職疑惑に対する不満に変化したことがすべての始まりだ。普通の国ではおよそ「暴動」と結びつけることの出来ない、警察による暴力沙汰や汚職疑惑が、中国では1万人以上が参加する暴動発生の十分な原因となりうるのだ。
言ってみれば、人々は何らかの切実な理由があって「やむを得ず」暴動を起こしたというよりも、むしろ暴動を起こしたくてうずうずしている中で、ちょっとした口実でもあればすぐそれに飛びついてひと暴れするのである。おそらく中国のどこの町でも、このような危険極まりのない暴動予備軍は常に万人単位で存在しているのであろう。それは常に、習近平体制にとっての深刻な脅威となるのである。
2億人にものぼる「流動人口」とは?
このような暴動予備軍を生んだ原因とは何か。2012年10月に中国政府によって公表されたある数字を見てみればすぐに分かる。
2012年10月6日、中国の各メディアが国家人口計画生育委員会近日発表の「中国流動人口発展報告2012」の主な内容を伝えた。
それによると、2011年末に中国全国の流動人口が史上最高の2.3億人に達しており、その8割は農村戸籍を持つ者で、平均年齢は28歳であるという。
中国でいう「流動人口」とは、要するに安定した生活基盤を持たずにして職場と住居を転々する人々のことを指している。日本の総人口より1億も多い人々がこのような不安定な生活をしていることはまさに驚くべき「中国的現実」だが、そういう人々の大半が農村部から流れてきた「農民工」であることは、上述の「8割が農村戸籍」との数字によっても示されている。
今まで、それほど大勢の「農民工」に生活の糧を与えていたのは、中国の高度成長を支えてきた「対外輸出の急成長」と「固定資産投資の継続的拡大」である。
沿岸地域の輸出向け加工産業が繁栄すると、内陸部農村出身の若者たちが大量に「集団就職」してくる。そして不動産投資や公共事業投資が盛んであった時には、農民工の多くはまた、建設現場の労働力として吸収される。つまり、高度成長が継続している間は、農民工は「流動人口」となっていても、異郷の都市部で何とか生計を立てることができた。
だが、2011年の後半から、世界的経済不況と中国国内の生産コストの上昇が原因で中国の対外輸出が大幅に減速してしまい、金融引き締めのなかで公共事業投資が激減した。それに加えて、不動産バブルの崩壊が始まると、全国的な「大普請ブーム」はもはや過去のものとなりつつある。
その結果、多くの農民工が輸出産業と建設現場から「余剰労働力」として吐き出される羽目になった。今年の7月に入ってから、中国の沿岸地域で企業倒産とリストラの嵐が吹き荒れている中で、職を失った農民工の「帰郷ラッシュ」が起きていることが国内の各メディアによって報じられているが、それはまさに、農民工のおかれている厳しい現状の現れであろう。
都市部での職を失って帰郷できるのはまだ良い方である。前述の「報告」が示しているように、現在の農民工たちの平均年齢は28歳で、20代が大半である。いわば「農民工二世」の彼らの多くは実は都市部で成長していてすでに「農民」ではなくなっている。彼らはいまさら農村部に帰っても耕す農地もないし、農作業のことは何も分からない。彼らにはもはや、「帰郷」すべき「郷」というものがないのである。
農村には帰れず都市部にとどまっても満足に職に就けない彼らの存在は当然、深刻な社会問題となってくる。その人数が億単位にでも達していれば、それこそ政権にとってたいへん危険な「不安定要素」となろう。中国共産党中央党学校が発行する「学習時報」の8月6日号は、「新世代農民工の集団的焦燥感に注目せよ」との原稿を掲載して「新世代農民工たちの焦燥感が集団的憤怒に発展するのを防ぐべきだ」と論じたのは、まさにこの問題に対する政権の危機感の現れであろう。
中国の歴史上、農村部での生活基盤を失って都市部に流れてくる「流民」の存在は常に王朝にとっての大いなる脅威であった。行き場を失った流民の暴発はいつも、王朝崩壊の引き金となるからだ。
今の中国共産党政権は果たして、億単位の「現代流民」の「集団的憤怒」の爆発を防ぐことができるのだろうか。もしそれがうまく出来なかったら、天下を揺るがすような大乱が「近いうち」に起きてくるのはけっしてあり得ないことではない。習政権樹立後における暴動の多発は、まさに天下大乱が起きてくることの前兆と見てよいであろう。
さて、習近平政権は今後一体どうやってそういう人々を手なずけて民衆の爆発を防ごうとするのだろうか。おそらく彼らに残される最後の有効手段の1つは、すなわち対外的な強硬政策を推し進めることによって国民の目を外に向かわせることであろう。
実際、習政権はその発足からの数週間で、海軍の「虎の子」の新空母で初の着艦試験を成功させたり、東シナ海と南シナ海でそれぞれ軍事演習を実行したり、フィリピンなどと領有権を争う南シナ海周辺を自国領と紹介する軍監修の地図を発売したりして、軍中心の挑発的な行動を頻繁に展開し始めている。
そして習総書記自身、11月29日、6人の政治局常務委員らを伴い北京市の国家博物館を訪問して中国近現代史の展覧会を参観した後に、「アヘン戦争から170年余りの奮闘は、中華民族の偉大な復興への明るい未来を示している」などと国民に語りかけた。約10分の演説で、彼は「中華民族」や「(中華民族の)偉大な復興」という言葉を合わせて20回近く連呼した。11月15日の総書記就任披露目の内外会見でも、彼の口から頻繁に出たキーワートの1つはやはり「民族の偉大なる復興」なのである。
かつての江沢民政権と同様、ウルトラ・ナショナリズムに縋(すが)ってそれを国内危機脱出の手段に用いることはすでに、習近平政権の既定路線となっているようである。
「日本と闘争する」発言の重み
そして今後、経済低迷のなかで流民の暴発などによる国内危機の拡大という局面にさしかかった時、習近平政権は結局、国内の混乱収拾のためにわざと国際的危機を作り出して国民の目を外に逸らすような方策に打って出るのであろう。そうなった場合、尖閣と日本はまさに、彼らにとっての格好の餌食となる可能性が大である。
それを予兆しているかのように、12月13日、日中間で未曾有の緊急事態が生じた。尖閣諸島の魚釣島付近で中国国家海洋局所属のプロペラ機1機が領空侵犯した。中国機による日本の領空侵犯は自衛隊が統計を取り始めた1958年以来初めてである。習政権が樹立してから1カ月余、尖閣諸島やその付近の海域で日本側はいかなる単独行動も取っていないにもかかわらず、中国側は一方的な挑発行為を執拗に繰り返してきた。その中で習政権はとうとう、日本領空への初めての侵犯に踏み切った。
翌日の14日、中国の楊潔チ外相は人民日報に寄稿して習政権の対外政策を語った中、日本側の尖閣国有化に関しては「断固として日本との闘争を行う」と明言した。日中国交回復して40年、中国の外交責任者の口から「日本と闘争する」という激しい言葉が吐かれるのはおそらく初めてであろう。
一国の外相は外交上の最低限の礼儀や配慮も顧みずにして、「闘争する」という赤裸々な「対敵国用語」を使い始めたこと自体、習政権がすでに実質上の「対日敵視政策」にかじを切ったことの証拠であろう。同じ日に、人民日報系の環球時報は社説を掲載して尖閣へ向かって中国軍機を派遣するなどの「あらゆる行動をとる権利を保留する」と言って露骨な軍事恫喝を行った。
どうやら習近平政権は本気で、日本との「尖閣紛争」を徹底的に戦い抜く腹づもりなのだ。日本にとっての本格的な「尖閣危機」がいよいよ迫ってくるのである。
◆2010年7月1日中国で施行された「国防動員法」
殆どのメディアも日本国民も関心を示さなかったこの法律施行だが、尖閣諸島に中国が侵攻した際に、日本にとって最大の影響を与える法律となる。
反体制の少数民族勢力などによる国家分裂活動や戦争、テロなどの有事の際、国民に対し動員令を発する内容や国民の権利・義務を規定している。同法の意味は非常に大きい。
14章から成る同法は、有事の際に「全国民が祖国を防衛し侵略に抵抗する」ため、金融機関、陸・海・空の交通輸送手段、港湾施設、報道やインターネット、郵便、建設、水利、民生用核関連施設、医療、食糧、貿易など各部門を管制下におき、これら物的・人的資源を徴用できる内容だ。
軍事に直結する通信や科学技術などの分野に従事する民間の技術者、専門家らも徴用できるわけで、国営新華社通信は「法に基づいて国防の動員力を強め、国家の安全を守るために意義がある」と強調している。
戦争になった場合、民間の航空機や港湾、列車、漁船、商業船を徴用し、軍事物資や兵員を輸送。あらゆる民間の経済力を後方支援と位置づけ、戦略物資を生産し、民間企業の技術者を動員することなどが念頭にあるわけだ。
中国の通信社、中国新聞社などは、同法についてこう解説している。中国には1997年に施行された有事基本法「国防法」があったが、今回の法制定は国防法を補完する-。
国防動員法は明確に「軍民(軍と民間)結合」「全国民参加」「長期準備」と位置づけている。つまり、地方政府や個人・企業レベルでその責任を共通化し、目的とする人員と物資をスムーズに徴用、短期的な局地戦だけでなく、国民を総動員した長期戦に対して備えていることを意味する。
いわば、中国の軍事力を評価する場合、民間資産も加味して判断する必要性があることに留意すべきなのだ。有事の際に国家全体の資源を動員できる国とそれができない国では、外交的にも軍事的にも結果において決定的な違いが生じる可能性が大きいといえる。
民用船舶を例にみてみよう。軍機関紙・解放軍報によると、中国軍は92年に約1千隻の民用船を編成し、装備を載せて上陸演習を実施。当時の司令員は「大部隊の上陸作戦を保証した」と評価している。
中国がもともと民用船舶に注目したのは、82年のフォークランド紛争で英国が民用船舶を動員、兵員の輸送と上陸作戦に使った点だ。解放軍報は「軽視してはならない第二海軍」と題した論文を掲載した。
関係者によると、中国軍は現在、すでに商船や漁船などの民用船舶ほか、民間資源を動員する具体的行動計画をすでに策定しているようだ。同法はその計画を追認する形になるという。
一方、同法が発令されたとき、日本を含め外資や合弁企業はどうなるのか懸念する声がある。
中国メディアは、国防動員委員会総合弁公室の主任、白自興少将の記者会見での回答を伝えている。
白少将は 「民間企業は、戦略物資の準備と徴用に対する義務と責任がある」と指摘した上で、「外資、合弁企業も国防動員の生産を担うことができる」と述べた。 中国系以外の企業の生産ラインや資産も同法の対象となるということである。
尖閣諸島は日本との紛争であり、当然中国国内の日本企業は、人民解放軍によって占拠されるだろう。
49年に建国された社会主義の中国は当初、企業や建物などをすべて公有化し、労働者を公務員のように扱ったため、国は自由に物資を調達し人を動かすことができた。だが、78年に始まった改革開放以降、民営や外資系企業が急増し、社会が多元化したため、有事の際の法整備の必要性に迫られた。
今回の法律には「国務院(政府)と中央軍事委員会が、共同で全国の国防動員工作を指導する」と、政府の国防分野への影響力行使が明記された。
同法律が全人代で可決された当時の様子を伝える記事(AFPBB)には、「チベットなどでの騒乱にも適用」、として、こう記されている。云く、「中国軍関係者によると、同法は戦争時のほか、近年、チベット自治区や新疆ウイグル自治区で起きた騒乱や、自然災害時などにも適用される見通しだ」と。いわば、中国共産党政府が「有事」「災害」と判断した、あらゆるケースに適用されることになる。たとえば、軍事弾圧のために、チベットやウィグルでの“騒乱”新華社が造り出した場合においても、である。
いわば、“夢見多き”「中国への進出」を果たした企業は、その国籍を問わず、同国が「有事」と判断した時は、人民解放軍の軍事行動への幇助(ほうじょ)を、同法律下のもとで義務付けられる。その可能性が窺える法律、と認識して差し支えないだろう。人民解放軍の「お手伝い」がしたい。そのような企業があれば、遠慮は要らない。同国の土になれば良い。
有事は「中国」国内にとどまらず
先ず、有事といえば決して「国内」に限定せず、「国内外」に位置付ける。これが国政的な通念である。
「国防動員法は明確に「軍民(軍と民間)結合」「全国民参加」「長期準備」と位置づけている」と紹介し、同法律が「国民総動員」法であることを指摘している。
「全国民参加」を謳(うた)う中には、たとえば、日本の場合、在日中国籍者、および関連資産もごく当然に含まれるだろう。日本にどれほどの中国籍者が存在しており、どれほど増えつ続けていることだろうか。「有事」には、駐日の中国大使館や総領事館などを連絡拠点として、総動員がかかる可能性は否定できない。
たとえば、人民解放軍による台湾、日本の領海、領土への軍事侵攻が、もしも現実のものとなった場合は、チベット、ウィグルでの“騒乱”とよく似た図式で、台湾、日本の国民や財産が、その「国防動員法」による抑圧対象となりかねない。いわば、「祖国」の方針により、身近な在日中国籍者が、その実、人民解放軍の日本派遣「兵員」へと転じる可能性もまた否定できないだろう。
人、また人を送り込む。同国伝統の人口侵略のその先には、こうした「領土掌握」の発想に裏支えされているであろうことは、むしろ、チベット、ウィグルの現実を観れば明白である。他所の国の出来事、他所の国の法律、と安閑としている間に、その間隙を衝くかのように沸いて出る異国の民に国は奪われ、「他所の国」になってしまう。この懸念さえ窺える「新法律」である。
中国の国防動員法要旨
一、国家主権、統一、領土が脅威に直面するとき、全国人民代表大会常務委員会の決定の下、動員令が発令される
一、国務院、中央軍事委員会が全国の動員工作を指導する
一、18~60歳の男性、18歳~55歳の女性は国防勤務を担当する義務がある
一、個人や組織が持つ物資や生産設備は必要に応じて徴用される
一、金融、交通、マスコミ、医療施設などは必要に応じて政府や軍に管理される
一、各地方政府は国防動員の宣伝や愛国主義教育を積極的に展開すべきだ
一、国防の義務を履行せず、また拒否する場合、罰金または、刑事責任を問うこともある
相次ぎ東京の一等地の広大な土地取得や地方駐在の中国領事館が土地拡大を急ぐことにも、当然こういった意図が見え隠れする。まったく日本の知事や官僚も平和ボケというのかそれとも、中国の工作員に成り下がったのか、嘆かわしい限りである。
中国の学校では既に日本は中国領土と教え、明らかに将来を見据えた100年の計で着々と行動してくる。
国防動員法のまとめ
簡単にいうと、国防法とは、中国に何か起こった場合には、
・中国国内の全財産没収&世界中の中国人の財産没収
・外資系の全財産没収
・全中国人に兵役を課す
・海外の中国人も、兵隊として、活動が始まる
・場合によっては、世界の中国人が、そこで、決起する
つまり、中国が、沖縄侵攻を決定するや、日本国内にいる、全中国人が、日本人大虐殺の為、兵隊として、決起するということである。
上海バブルがはじけた場合も、中国人、海外にいる中国人、中国の外資系会社の財産没収。
もちろん、中国に進出している日本の企業、日本人の全財産も没収。
こんな危険な法律を作る国に、日本の憲法の9条が守ってくれるという根拠が何処にあるのか是非説明していただきたいものである。
猫も杓子も中国進出と煽り、この国家動員法の危険性をろくに報ずることもなく、未だに中国寄りの報道に終始するメディアは何処の国の報道機関か明らかにせよ。
東亜日報(韓国の三大紙) 〒104-0045 東京都中央区築地5-3-2
朝日新聞東京本社 〒104-8011 東京都中央区築地5-3-2(AFP、NYT)
http://www.asahi.com/shimbun/honsya/j/access.html
朝鮮日報 〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-1 4F
毎日新聞東京本社 〒100-8051 東京都千代田区一ツ橋1-1-1
http://www.mainichi.co.jp/annuncio/gaiyo.html
3階に(株)朝鮮日報社 特派員室
http://www.mai-b.co.jp/palaceside/floor/office.html
韓国聯合TVNEWS(YTN) 〒105-0000 東京都港区赤坂5-3-6
TBSテレビ 〒107-8006 東京都港区赤坂5-3-6
http://www.tbs.co.jp/company/gaiyo_top.html
大韓毎日 〒108-0075 東京都港区港南2-3-13 4F
東京新聞(中日新聞社東京本社) 〒108-8010 東京都港区港南2-3-13
http://www.chunichi.co.jp/annai/gaiyo/index.html
京郷新聞 (韓国全国紙) 〒100-0004 東京都千代田区大手町1-7-2
産経新聞東京本社 〒100-8077 東京都千代田区大手町1-7-2
(サンケイスポーツ、夕刊フジ、日本工業新聞社)
http://www.sankei.co.jp/saiyo/01.html
韓国日報 〒100-0004 東京都千代田区大手町1-7-1 8F
読売新聞東京本社 〒100-8055 東京都千代田区大手町1-7-1
http://info.yomiuri.co.jp/company/company/
韓国放送公社(KBS) 〒150-0041 東京都渋谷区神南2-2-1NHK東館710-C
NHK放送センター 〒150-8001 東京都渋谷区神南2-2-1
http://www3.nhk.or.jp/toppage/zenkoku/shutoken.html
韓国文化放送(MBC) 港区台場2-4-8 18F
フジテレビジョン 港区台場2-4-8
http://navitokyo.com/03-5500-8888/
聯合ニュース 港区虎ノ門2-2-5 9F
共同通信会館 港区虎ノ門2-2-5
http://homepage3.nifty.com/kyodonews-bld/
東京にある6つのキー局の内、製作から財務まで一貫して朝鮮人が行ってるテレビ局が1つ
中国共産党から毎年大量の反日工作費が流れているテレビ局が2つ
もろに北朝鮮と繋がっているテレビ局が1つ
特に朝日新聞は『人民日報』との提携だけでなく、秋岡家栄記者が、『人民日報』海外版の日本代理人に就任し、後に北京特派員、北京支局長になった横堀克己が中国共産党傘下の雑誌『人民中国』の編集顧問に就任するなど、中華人民共和国の報道機関との太いつながりが存在する。
◆共産党が支那を征服し、革命によって激しく糾弾して改められた旧中国の役人の悪弊だったはずの「政府の腐敗」「汚職」「ワイロ」「権力の乱用」「不正蓄財」等々。
それら全てが、現在の共産党に対して言い当てる言葉となっている。
香港の反北京紙「蘋果日報(アップル・デイリー)」に載った笑い話
■深圳市長の許宗衡が汚職と不正蓄財容疑で逮捕された。党の汚職摘発係官が家宅捜索し巨大な金庫を見つけたが開け方が判らない。泣く子も黙る党規律委員会のヴェテラン職員が、8文字の暗号で開くだろうと目星をつける。そこで係官は「芝麻開門、芝麻開門(開けゴマ、開けゴマ)」、「上天保佑、昇官発財(天のお助け立身出世、がっぽり蓄財)」、「人為財死、鳥為食亡(ゼニのためなら命も要らぬ)」などと次々に声を掛けたが開かない。万策尽き、許を金庫の前に立たせる。すると許は故里の湖南訛りで厳かに「清正廉潔、執政為民(命の限り人民のため)」と。すると、あれほどまでに固く閉まっていた金庫の扉がスーッと開いた。金銀財宝がギッシリと詰まっていたことはいうまでもない。
■子供が母親に「ねえ、共産党ってな~に」。すると母親は「父ちゃんのようなものさ。何から何まで口出すが、とどのつまり、な~んにもしない。でも一日中、文句タラタラ。エラそ~にしてるだけ。役立たずの有難迷惑」。次いで子供は「じゃ、政府って」。母親は「おっかさんのようなもんさ。朝から晩まで父ちゃんに叱られっぱなし」。「じゃ、全国人代って」。「おじいさんだよ。一日中、鳥籠持って小鳥と遊んで、な~んにもしない。いい気なもんさ。クソっタレが」。「じゃさあ、政治協商会議って」。「婆ちゃんみたいなもんさ。朝から晩までガミガミ騒ぐが、誰もいうこと聞かないだろう。愚の骨頂さ」。「そんなら共産党規律委員会って」。「お前だよ。大口を叩くが、やっぱり父ちゃんと母ちゃんには頭が上がらない。食べるも着るも、やはり父ちゃんと母ちゃん次第だもんね」
支那人はとても面白い。生きているときに自分の土地、自分の家屋、自分の財産、自分の自由、自分の仕事、自分の子供すら守れない。万が一亡くなっても、自分の遺体すら守れず誰かに売られてしまう。しかし、国の領土を守るとなると、瞬時に激昂して血が熱くなる。