週刊大衆10月21日号
◆自分がよければいい! もっとカネが欲しい! 中国人の歪んだ感情がこんな非常識を生む!
現在、日本で問題となっている若者の悪ふざけ写真のネット投稿問題。
鉄道の線路に侵入する、パトカーの上に乗る、ピザチェーン店のアルバイト店員が商品のピザの横にネズミの死骸を置く……。
若者のこうした非常識な行動に、閉鎖される店舗や謝罪に追われる教育機関などが後を絶たない。
嘆かわしい事態だが、しょせんは若者の話。
ところが、お隣の中国では大の大人たちによる、さらに非常識な事件が多発している。
本誌が集めたアンビリーバブルな事件を紹介しよう。
まずは、"スーパーけちんぼ"を地で行くアホバカ事件から。
「秦の始皇帝陵や兵馬俑坑(へいばようこう)で有名な西安市で起きた事件は、"一銭でもカネを出したくない"という中国人の心理が如実に現れている」こう語るのは北京在住の特派員。
事の顛末はこうだ。
「西安には宣武門という観光名所があるんですが、その入場料40元(約640円)の支払いを嫌った中国人観光客が、マンホールから下水道に入り、宣武門の敷地内マンホールから無料入場したんです。その一部始終を目撃、撮影した人が写真をネット上に公開し、明るみに出ました」(前同)
日本のネットユーザーからは「600円くらいで下水道に入りたくない」とのコメントが見られたが、「中国のネット上では"なんていいアイデアだ!"と、この"裏ワザ"を絶賛。
さらには、"○○はこの隙間からタダで入れる""□□はこうすれば無料"と情報交換がなされているんです」(同)
こうした裏ワザを集めた「全国無料観光マップ」なるものまで作られているというから、開いた口が塞がらない……。
まあ、ここまでは"ご愛嬌"の範囲といえなくもないが、事件に発展するものもある。
それが、南部の広州市で起きたバキュームカー爆発事件だ。
同市の住宅街で、1台のバキュームカーが屎尿(しにょう)溜めから汲み取り作業を行っていたところ、同車のタンク部分が爆発。
一帯に汚物が飛び散り、幅数メートルの道路は"糞尿の川"に変貌を遂げたというのだ。
運転手は爆発直後に逃走。
地区管理者は消防に出動を要請し、放水で糞尿を清掃したというが、そのときの臭気は気絶せんばかりの強烈さだったとか。
とはいえ、これだけなら事故で片づくのだが、「実は、このバキュームカーの運転手は糞尿泥棒だったんです。中国では、肥料やメタンガスの原料として工場が屎尿を買い取るため、転売目的で住宅の糞尿を盗んで回っていたようです」(同)
カネのためならなんでも盗むとは恐れ入るが、売れるモノならなんでも売るという"外道"までいる。
「今年6月、河南省の病院の廊下に信じられない広告が掲載されました。"赤ちゃん売ります"と書いてあったんです」(通信社記者)
病院で赤ちゃんを売る広告とはいい度胸だが、書かれていた電話番号に地元記者が電話してみたところ、男児は4万5000元(約72万円)、女児は3万元(約48万円)との返答があったという。
しかも、相手は「40人の販売実績がある」とアピールしたというから、人身売買すら日常茶飯事になっているということなのだろうか……。
人間の尊厳を無視した業者は、ほかにもいる。
「2009年、湖北省にある長江大学の学生が学校行事で、ある河川を訪れたところ、近くにいた幼児が川に落ちてしまったそうなんです。それを見た学生10名以上が、救助のため川に飛び込んだんですが、川の流れがとても速く、水温も低かったため、不幸にも3名が溺れて亡くなってしまいました」(前同)
そこに現れたのが、溺死体を漁船で回収し、身元を調べてカネと引き換えに遺族に引き渡す「水死体回収屋」。
彼らは大学側に、次のように要求したのだ。
「カネを払えば遺体を引き揚げる。遺体1体につき1万2000元(約19万円)。仮に引き揚げられなくても6000元(約9万6000円)を支払い、前払いとして4000元(6万4000円)を支払うこと」
理解し難い内容だが、大学側はそれを受け入れた。
そして"勘定"を済ませたあと、業者は1人目の遺体を回収したのだが、「遺体を縄で船に括りつけたまま、"約束どおり払わないと遺体を渡さない"と言うんです」(同)
大学側が大急ぎでそのカネを用意して支払うと、やっと遺体を陸地に揚げてもらうことができた。
同様の交渉は3人目の遺体まで続き、結局、大学側は3人分で3万6000元(約57万円)を支払ったという。
「この地域での月々の生活費は200~300元。火事場泥棒も真っ青の非道な商売です」(同)
http://taishu.jp/politics_detail700.php
◆年寄りを助けてはいけない!
中国人民が引き起こす仰天事件はカネ絡みだけではない。
去る9月12日、安徽省亳州市。
この日の朝、細い道で2台の自家用車が向かい合い、どちらも前に進めなくなってしまった。
普通は、どちらかがバックなどをして道を譲れば解決する話なのだが、「運転していたのは双方ともに若い女性で、互いに"道を譲れ"と言い争いになってしまった。しかも、その睨み合いは延々と続き、この2人は車に鍵をかけて帰宅してしまいました」(同)
翌日午後になって現場に戻った2人ですが、そこで再び大ゲンカ。
その間、道は塞がれたままで、ほかの車は通ることができず、彼女らの家族や地元の人が間に入ることで、ようやく車を移動することができた。
他人の迷惑など我関せず、ということなのか。
中国紙『チャイニーズ・ドラゴン』を発行する孔健(こうけん)氏が、中国人の公共道徳について解説する。
「中国には、転んだお年寄りは助けてはいけない、という鉄則があります。というのも、助けようとして逆に加害者扱いされ、損害賠償を請求されるケースが後を絶たないからです」
実際、09年に南京市の地元メディアが「転んだお年寄りを見たら、助けてあげますか?」と質問したところ、「はい」と答えたのは回答者の7%だったという。
自分がよければ、あとは知らないその意識は災害時でも変わらない。
9月、浙江省杭州市が台風に襲われた際、周辺の海は荒れに荒れた。
そのため、沿岸部には近づかないよう呼びかけもなされていたというのだが、その高波をひと目見ようと、数百人が集まり、岸壁はカメラを持った人で溢れ返った。
一歩間違えれば群衆が高波に飲まれる大惨事だが、中国事情に精通する古是三春(ふるぜみつはる)氏は納得顔だ。
「好奇心旺盛な中国人ならでは。しかも中国人はある程度の人数が集まれば、警察が制止しようがお構いなしで、もちろん、公共マナーなどどこ吹く風です」
そんな中国人にマナーを遵守させるべく、地元警察が頭をひねった珍策もある。
「中国の運転マナーは最悪。交通標識など、あってなきがごとしです。それに業を煮やした当局は、一時停止信号がある交差点近くの木にダッチワイフを括りつけました。ダッチワイフで男性ドライバーの注意を引き、その場で一時停止させようとの苦心作でした」(中国社会に詳しいジャーナリストの坂東忠信氏)
結果が芳しくなかったのは言うまでもない……。
http://taishu.jp/politics_detail701.php
◆厳しい結婚事情で異常な光景
世界の常識では考えられない中国のアンビリーバブルな事件は、恋愛も例外ではない。
"一人っ子政策"の影響で男の赤ちゃんが好まれることから、中国では独身男が氾濫、「深刻な嫁不足が社会問題になっている」(前同)という。
そんな寂しい男の事件が起きたのは、四川省成都市の成都電子科技大学。
2010年3月、同大学の掲示板に1年生の女子大生による「恋人募集」の広告が掲示された。
《彼氏ができなくて悩んでいます。もし、私とつき合いたい男性がいるなら、午後12時半から50分までの間に、女子学生寮の5号棟の下に来て、私の名前を呼んでください。自分にふさわしい相手だと思えば、会いたいと思います》
そんなバカな、と思うことなかれ。
なんと、数千人もの男子学生が学生寮の前に集結、この女子大生の名前を連呼したのだ。
のちに、この広告はイタズラと判明したのだが、男子学生がだまされるのも仕方ない。
「数千万人の男性は結婚しようにも相手が見つからない宿命なんです。そんな女性優位社会を反映してか、独身女性は強気。"結婚するなら最低でも30万元(約480万円)の持参金を揃えて!"と公言する女もいるほどで、持ち家のない男性はハナから問題外です」(前出・孔健氏)
そんな厳しい結婚事情に、親たちも振り回されている。
「中国南部の深セン市の公園に足を踏み入れたときのことです。ベンチというベンチが、中年の男女で埋め尽くされていたんです。何事かと思って観察していると、その人たちは手に手に子供の写真つきプロフィールを持っていて、お見合い相手を探していたんです」(前出・古是氏)
そうしたプロフィールは、フェンスや椅子、さらには木にまでビッシリ!
「社会保障制度が確立していない中国では、子供の結婚は一族の将来を左右する重大事です。親たちの形相は必死そのものでした」(古是氏)
先日、国連が発表した『世界幸福度ランキング2013』によると、中国は93位(日本は43位)だった。
「1位のデンマークは、自転車先進国として知られています。知り合いの中国人女性が自国と比較して言った言葉は"自転車に乗って笑っているよりも、BMWに乗って泣いているほうがいい"でした」(孔健氏)
世界では考えられない、この歪んだ価値観が中国に数々のアンビリバボー事件を引き起こしている!?
http://taishu.jp/politics_detail702.php
週刊大衆10月21日号
◆中国共産党が発禁処分にした習近平「女性スキャンダル暴露本」驚愕中身
これを出したら中国がふっ飛ぶ!
昨年3月の国家主席就任以来、尖閣諸島を視野に領土的野心を隠さない中国の習近平国家主席。
対外的には強面ぶりを見せつけているが、それと反比例するかのように、国内では内部崩壊の足音が刻一刻と迫っている。
「かねてから噂されている中国経済崩壊が、今日明日に起きてもおかしくない状況です。そんな国内情勢を反映してか、家族や資産を海外に移し、国外脱出を図る官僚が絶えません。こうした官僚は裸官と呼ばれ、習体制に移行してから約1000人が祖国を捨てたともいわれます」(通信社記者)
経済だけでなく、習政権の政治基盤もぐらつき始めている。
「習の属する太子党で習の兄貴分だった薄熙来(はくきらい)・元重慶市書記の大汚職事件の裁判が先月末に行われ、世間の耳目が集まっています。"習も同じ穴のむじなだ"との声も噴出しており、汚職の根絶を唱える習にとっては、頭の痛い問題です」(前同)
だが、習主席にとって目下、これら政治・経済の問題よりも、危機感を抱いている爆弾があるという。
「自身のスキャンダルです。7月、香港の出版社がその詳報書籍を出版予定でしたが、寸前のところで当局が待ったをかけたようなんです」(在香港の日本人ジャーナリスト)
当局が恐れ慄き、発禁処分を下したとされるのは『習近平情史大全』(以下=『大全』)なる書籍。
「タイトルに"情史"と謳ってあるように、内容はズバリ"習近平の女"に焦点を当てたものです。中国共産党において、毛沢東の時代から、権力トップのプライバシーは、国家の最高機密として扱われてきました。そんなタブーを破っての出版に、当局の怒りが爆発。発禁処分になったのでは、と見られています」(前同)
習主席に限らず、中国高官の女性スキャンダルは多く、下品な内容ばかり。
2011年には「陰毛大臣事件」と呼ばれる強烈な醜聞が明らかになっている。
「当時、江西省の政府副秘書長だった男が、2人の愛人と"お楽しみ"中に逮捕されたんですが、事件の詳細が明らかになるや、世間は騒然となりました。というのも、この小役人、"快楽日記"というものをつけており、そこには計136人の女性とのセックスをした日時や満足度が律儀に記されていたんです」(中国専門誌記者)
さらに驚きなのは、「押収した別の1冊には、女性たちの陰毛が貼りつけてあり、ご丁寧にも"15年までに1000人の女性と寝る"との目標まで大書してあったんです」(前同)
では、習主席の"恥部"を暴露した『大全』の中には、どんな過激な内容が書かれていたのか?
「予告記事によると、10代の下放時や清華大学在学時の恋愛話、初婚相手との離婚から、現在の妻・彭麗媛(ほうれいえん)との駆け落ち同然の結婚。さらに結婚後の不倫について書かれているようです」(前出・ジャーナリスト)
さすがに「陰毛大臣事件」のようなアブノーマルな内容ではなさそうだが、この中で習主席が世に出ることを恐れたと想定される記述はふたつあるという。
ひとつは、ファーストレディ・彭麗媛夫人との抜き差しならない不仲説。
「07年から09年あたりに、国民の間で2人の離婚説がしきりに噂されました。真相は藪の中ですが、今回の本に、その真実が書かれていたとしてもおかしくない」(前同)
彭麗媛夫人は、人民解放軍専属の国民的人気歌手で、中国国民の中で知らない者はいないという人物。
「結婚当時、中国庶民にとって習は、歌手・彭麗媛の夫としか見られていませんでしたし、いまでも夫人は習以上に人気です。2人が離婚していたとすれば、習の国民支持はガタ落ちするでしょう」(同)
ふたつめは、この離婚説にも関係する彼の不倫話。
「福建省幹部時代の習氏は地元でも有名なプレイボーイで、特に多くの女子アナとの浮名が絶えませんでした。習氏と深い関係になった女性は十指に余るといわれます」(中国共産党関係者)
http://taishu.jp/politics_detail650.php
出版元へのハッカー攻撃も!?
そのうちの一人、同省のテレビ局に勤める美人キャスター・夢雪(当時は30代前半)との不倫は、地元でも有名な話だ。
「それが夫人にバレて修羅場になったが、それでも不倫相手が忘れられず、しばらくはドロドロの三角関係が続いたと噂されていますね」(前同)
だが、『大全』の出版で、習主席が下半身事情以上に恐れるものがあるという。
「蔓延する"中国共産党幹部とカネ"の問題です。女性問題に絡んで、習の"黒いカネ"の話が書かれていたとしても不思議じゃないですから」(同)
ジャーナリストの富坂聰氏が言う。
「いま、必死になって(出版を)止めるとしたら、資産の話でしょう。莫大な資産を隠しているとか、そういった話なら、全力で圧力をかけるはずです」
中国の汚職事件には、女性スキャンダルが付随することが多い。
「昨年、中国の有名女優、チャン・ツィイーが、多数の共産党幹部たちに性接待をしていたことが暴露されましたが、その顧客リストには薄熙来・元重慶市書記の名も記されていました。真偽のほどは定かではありませんが、薄元書記がチャン・ツィイーに払った性的サービスへの報酬は1000万元(約1億3000万円!)。もちろん、このカネは賄賂から捻出したものでしょう」(前出・中国共産党関係者)
実は、この件を報じたのも、今回『大全』を出版しようとしたメディアである博訊(ボシュン)。
中国事情に詳しいジャーナリストの宮正弘氏が解説する。
「博訊は中国共産党に批判的なメディアです。当局からも睨まれており、3~4 年前にハッカー攻撃を受け、データ復旧に1年も要しました。この攻撃は明らかに政府によるものです」
反撃として、博訊が、今回も爆弾を仕込んでいたとしてもおかしくないのだ。
昨年暮れ、国家主席就任を前に、習氏は自らの資産を公開している。
それによると、全資産は不動産3軒と預金230万元(3000万円弱)と、一国のトップとしては極端に少ない。
「もちろん、庶民はそんなもの、まったく信じていません。というのも、彼の威光を最大限に利用して、姉弟が大儲けしていると噂されているからです」(在香港の日本人ジャーナリスト)
習主席の黒いカネの流れが明らかになれば、暴動が起こるのは必至。
当局が発禁にしたのもうなずける。
また、懸念材料はほかにもある。
「もっとも、彼が恐れたのは、単に嫁さんだったのでは、とも思えます。彼のトントン拍子の出世は、国民的歌手の彼女がいてこそ。最近は外遊にも同行して、諸外国の要人にも大人気ですからね」(前同)
13億人超のトップも、妻に浮気がバレるのは怖かったということか……!?
週刊大衆9月16日号
http://taishu.jp/politics_detail651.php
◆4億人貧困層の怒りが爆発!格差暴動で「中国沈没寸前」
週刊大衆9月23日号
「バス焼却」「空港爆破」・・・暴力の連鎖がとまらない!
経済発展著しい中国を代表する都市のひとつである四川省成都市。
その市内を走行中のバスで陰惨な事件が起きたのは、8月25日午後9時のことだった。
乗車していた男(41)が、いきなり刃物を取り出し、大勢の乗客がいる車内で振り回したのだ。
運転手は急ブレーキを踏み、乗客は車外へと脱出。
だが、この男もバスから飛び降りると、今度は通行人を次々と襲っていった。
男に刺された被害者のうち、死者は4人、重軽傷者は11人。
血まみれの現場で意を決した市民らが男を取り囲むも刃物を振り回し続け、結局、駆けつけた警察官の銃撃によって、ようやく惨劇は幕を閉じた。
通信社記者が話す。
「当局の発表によれば、犯人は経済的な問題で家族と喧嘩したことが原因で暴れたとしています。それ以上は明らかになっていませんが、現在、中国では、このような貧困を原因とする事件が増えているんです」
この事件に先立つ6月7日にも、福建省厦門(アモイ)市内を走るバスを舞台に、悪夢というほかない事件が起きていた。
犯人の男(60)は、乗客90人の満員の車内で突如ガソリンを頭から被ると着火し、焼身自殺を図ったのだ。
バスは炎に包まれ、10分後に爆発。多くの乗客が巻き添えとなり、犯人も含めて47人が死亡、34人が重軽傷という最悪の事態となった。
「地元警察は男性の遺書や事件前に残したネット上の書き込みを公表しました。それによると、地元公安局が男性の生年月日を誤って登録したため、男性は年金がもらえず、生活苦に陥った。登録修正の陳情をしたものの、受け入れられずに犯行に及んだそうです」(前同)
2011年にGDPで日本を抜いて世界第2位の経済大国にのし上がった中国だが、その輝かしい成長の陰では、このように格差に苦しむ貧困層の実態があるのか……。
中国で、かつて弁護士として活動し、現在は日本で通訳をする朱有子(シュユーツ)氏が解説する。
「厦厦門市の60歳の犯人は農村部出身でした。中国の経済が発展したとはいえ、農村部はその恩恵を受けられず、生活は貧しいまま。そのため、農村出身者は都市部での就労を目指しますが、学歴もコネもないから、まともな仕事に就けず、屋台やバイクタクシーを無許可でやるしかない。しかも、中国では農村から都市部への住所変更を基本的に認めていないため、社会保障さえ受けられない」
つまりは、経済大国と言っても、それを実感できるのはごくわずかな人のみで、あやかろうにも、その手段は一般庶民には閉ざされているのが現状だ。
ある統計によれば、都市部と農村部の平均収入には3倍以上の開きがあり、農民の月収は日本円で6万円にも満たないという。
そして、このような社会的弱者の生活をさらに苦しめるのが、警察や役人の横暴だ。
庶民に傲慢な態度を取るばかりか、摘発逃れのワイロを要求し、思いどおりにならなければ、暴力まで振るうというのだ。
そうした横暴に不満を爆発させた典型が、7月21日に起きた北京空港での自爆テロ事件である。
山東省の農村部出身の車イスの男(34)が空港の到着出口付近で自分の"主張"を書いたビラを撒くと、手製の爆弾を爆発させた。
大勢の旅行客が行き交う空港が煙で満たされ、騒然となるなか、男は逮捕。
爆発によって、男は片腕を切断することになった。
「彼は、過去に都市部でバイクタクシーの出稼ぎをしていました。その走行中、取締りを行っていた治安当局者7~8人に転倒させられると、なんと、鉄パイプで殴るなどの暴行を加えられ、半身不随の大けがを負わされた。政府に訴えたものの、相手にされず、空港で撒いたビラには、その不条理な現実が綴られていました」(全国紙外信部記者)
http://taishu.jp/politics_detail664.php
庶民の反発を恐れる政府幹部
国民の生活や治安を守る者とは到底思えない所業だが、前出の朱氏によれば、「(警察や役人に)拉致されて半殺しにされることは日常茶飯事」というから、空いた口が塞がらない。
実際、今年7月17日にも湖南省の都市部にスイカを売りに出稼ぎに来ていた農民を、警察官が撲殺する事件が発生。
このときは、怒った遺族に同情する周辺住民も加わり、暴動寸前の事態に発展した。
「こうした現状を懸念しているのが習近平国家主席ら指導部です。7月18日に、中国河北省の貧困地区にある町の共産党委員会書記を解職しました。その理由というのが、同書記が娘のために330万円の費用をかけて豪華な結婚式を挙げたこと。党が庶民の反発を、いかに恐れているかがわかります」(前同)
世界銀行は、1日の収入が1・25ドル以下であれば貧困と定義しているが、中国では、その対象者が4億人にものぼるとされている。
かと思えば、疲労時の"栄養補給"にと、母乳が出る貧困層の女性を月給24万円で雇う富裕層まで出てきているという。
格差から生じる怒りが中国を崩壊させるのは、時間の問題なのかもしれない。
週刊大衆9月23日号
http://taishu.jp/politics_detail665.php