所用があって、長岡市の合併地域である旧栃尾市に行ってきました。旧長岡市の市街地は既に雪がすっかり溶けているのですが、車を走らせ新榎木トンネルを抜けて栃尾地域に入ると、景色は一変しました。さすが栃尾ですね。まだまだ雪がたくさん残っていました。
しばらく残雪の風景を楽しみながら愛車を走らせたのですが、雪国で生まれ雪国で育ったボクにとっても初めて見る光景が目に飛び込んできました。
なんじゃこりゃ!?
思わず運転しながら声をあげてしまいましたよ。それがこの光景です。
残雪の上に、まるで墓標のような形をしたたくさんの雪の塊が並んでいます。いったいこれは何だと思います?なぜ雪がこんな状態になってしまったのでしょう?皆さんは想像できますか?
実はこれ。雪を少しでも早く溶かすために、ブルドーザーで雪の上部を掘り起こしたものをブロック状に並べたものなんですよね。春が近づいてくると、雪って突っつけば突っつくほど早く溶けるんですよ。こうしておくと大気に触れる雪の表面積が多くなり、雪が溶けやすくなるっていう理屈です。
2月~3月の雪国の光景に、雪が新たに降ったわけでもないのに、昼間からスコップを持って雪を突っついている(正式には雪の塊を崩している)お爺ちゃんやお婆ちゃんの姿をよく見ます。こうして雪の塊を少しずつでも崩しておくと雪どけの速度が速まり春が早く訪れる(イコール春の農作業に取り組める)ということを、先人たちは知恵として獲得し子や孫に伝え続けてきたのでしょう。そしてその知恵が、ブルドーザーという文明の利器を使ってさらに増幅されたというわけです。
いやぁ~それにしても、なかなか壮観です。職場の同僚の話では、魚沼地域の方でも時々見ることができる光景だそうです。この景色、「雪国の絵はがき」に採用したいです。