飯野山でダイヤモンド富士が見られる季節になった。昨年、初のトライがラッキーな結果となったので今年も期待していたのだが、週末になると雨。水不足の季節にはいいことなのだが、週末しか出かけられない身としては悲しい。
台風接近が伝えられるなか、天気予報で何とか早朝の晴れ間が期待できそうなので、早起きして空を見る。東の空に月が明瞭に輝いているのを見て、すぐさま着替えて出発。とはいえ、今日は休日ではないので、ワイシャツ・スラックスにスニーカーとウィンドブレーカー。
宮池到着は4時40分頃。いつもならすでに数人が待機しているところだが、今日の先客は一人だけ。常連らしきその方に、今日のポイントを聞いて三脚を据える。駐車場から上がってすぐのところ、映画の撮影に使われた場所辺りなので、今年のダイヤモンドは今日が最終日かもしれない。
少しづつ人が集まってくる。今日のポイントを聞いてくるので、「ここらあたりだと教えてもらいました」と答える。私の両脇に三脚を据えた方たちと、会話を交わしているうちに、一方の方とは共通情報が多いことに気づく。趣味用の名刺をお渡しすると、「ああ、青の旅人さんの掲示板で・・・」という話に。「青の旅人」さんの掲示板でよく拝見するkentoさんであった。そして間もなく、「青の旅人」さんご本人が到着。ネット上では8年越しのお付き合いであったが、直接お会いするのは初めてである。
今日はダイヤモンドが見られなくても、お二人に会えただけで、出てきたかいがあったというものである。
話しているうち、kentoさんが私の大学及びサークルの先輩のお父上であることがわかる。縁というものの不思議さを、あらためて思い知らされる。
少しづづ明るくなり、東の空が赤く染まる。
朝焼けの風景としては、今までで最もお気に入りとなりそうな、見事な色となった。
日の出が5時35分ということなので、山の陰に陽が出てきたと思われるころ、空の色は青く染まっていくのだが、少し霞がかかった感じで、ダイヤモンド富士が見られるかどうか微妙なところ。
山の端に光が見え始めたころ、周辺にいた何人かが、移動を開始する。この位置では山の頂点に太陽が来ないと判断したようだが、だるま朝陽を撮った経験からして、太陽は思った以上に斜めに上るので、私は場所を変えない。kentoさん、青の旅人さんも移動しなかった。
どうやら、こちらが正解で、太陽は頂点で顔を覗かせそうだ。
先ほど移動した人たちが急いで帰ってくる。
ちょうど太陽が顔を出した頃、水面が波が立ち始め、逆さ富士が拝めなくなってしまった。残念だが、今日のところはこれでも十分だろう。この時期は、水面の水草に悩まされるのだが、風で寄せられたのか、フレームに入っていない。条件はまずまずといったところだろう。昨年とは一味違ったダイヤモンド富士を撮ることができた。
欲を言えば、もっと引いて撮れればよかったのだが、脇の木立や堤防が入ってしまうため、構図としてはこれが精一杯のように思う。また次の機会の楽しみにもなる。
太陽が昇ってしまったので、急いで装備を片付ける。これから戻って出勤である。
kentoさん、青の旅人さんに挨拶して、撤収。今日のカメラマンは20名ほどだっただろうか。
綺麗な朝焼けとダイヤモンド富士の姿を、頭の中で思い出しながら、高松への道を急ぐのだった。