12月22日 沖洲・だるま朝日よりつづきます。
八枚ナベラを後にして、県道12号を西に進む。土讃線の線路と交差するあたりで分岐する県道4号へと右折すると、「阿讃サーキット」の標識が目立ち始める。以前、場所を確認しないままにこのエリアの滝を訪れようとして、そのまま県境を越えてしまったことがある。離合の難しい道で、できればあまり走りたくない道である。そう思いながら、またもや分岐点を間違えてしまい、県境に至る道に入ってしまう。しかも、凍ってはいないものの雪道である。冬用タイヤに交換済みではあったが、狭い雪道を走るのは気持ちのいいものではない。引き返して何とか正しい道を見つけ、目的地に着いた時のは、もうすぐ12時という時間だった。
車を停めてからの遊歩道は、半分雪に覆われ、すっかり冬景色である。ザックを背負って、スニーカーのまま雪道を滑らないように歩き始めて数分、谷の奥に「三枚とべ」が現れる。
このエリアの滝にあまり執着しなかったのは、通常は水量が乏しくて、見ごたえがないと聞いていたからだが、数日前の雨で増水した滝は、想像しなかった迫力でその見事な姿を見せてくれた。冬の滝は色彩に乏しく、見栄えがしないものだが、残雪の中、三段に落ちる優美な姿は、ここまでくる苦労に十分見合うものだった。
「三枚とべ」へと遊歩道を進むと、道の左側に隠れていた[連滝」が現れる。これは雨の後にしか現れない幽霊滝だそうで、「阿波名滝」の桂さんですら、会えなかった滝だそうである。
下左が「連滝」全景。下右は、滝をまたぐ橋の上から「三枚とべ」の上部を撮影。
滝をまたぐ木橋には雪が積もり、鹿のものと思われる足跡以外はない。
雪が積もった木橋をいれて、「三枚とべ」の下段を撮ってみる。
そのまま遊歩道を進み、突き当りにあるのは夫婦渦。小さな淵が連続しており、それぞれで逆の渦があるということだが、水量が多いために逆にわかりづらくなってしまった。
夫婦渦の下もいくつか滑上の滝になっている。下の方はかなり見栄えのする滝になっているようだが、スニーカーでは少し厳しそうなので、今回は見送り。下の写真は、少し降りたところで、上部だけを撮ったもの。
遊歩道を戻り、三枚とべの左岸側にあるかすかな踏み跡をたどって上流へ。小滝が連続し、谷が大きく蛇行しているため、先の見えない岩場を何とか登っていく。途中からは雪に覆われた斜面を登っていくと、小さいながら綺麗な直瀑にであう。鞍ケ滝下の滝と呼ばれる滝である。ここは一度スルーし、すぐ上の滝を目指す。こちらが「鞍ケ滝」と呼ばれる滝。
滑上の滝なので、水量が乏しいと見栄えがしないかもしれないが、今日の水量だと充分楽しめる。遊歩道から外れて約40分、距離にして300m程の、秘境の雰囲気たっぷりの場所である。ここではゆっくり休める場所もないので、下って下の滝の前に出る。
数枚撮影した後、乾いた岩の上にザックをおろし、おむすびをほおばる。じっとしているとかなり寒い場所だが、久しぶりに滝前での食事は格別である。
熱いお茶で昼食を締めくくると、すぐ撤収。こういう場所は下りの方が危ないのが常識で、粘土状になった土ごと何度も滑りながら、帰路は20分ほどで遊歩道まで戻れた。
滝前の木橋を渡る際に、「落葉と雪」とちょっと凝ってみたけれど、今一つだった。
車に戻ったのは14時20分。濡れた靴と靴下を履き替え、山道を下っていく。次の目的地は、まんのう公園。12月に咲くヒマラヤサクラを撮りに行く。
つづきます。