2月26日 冬の終わりの訪瀑記のつづきです。
八峯川沿いの農道は、対向するのも困難な細い道。それに加えて欄干のない橋は道から直角にまがる。普通車ではギリギリの道を突き当りまで進むと、数台停められる駐車場。そこから300m歩くと、小橋の滝に着く。
正直な話、この滝にはあまり魅かれてはいなかった。数少ない香川県の滝ということで、早いうちに訪れた滝であるが、落差も水量もなく、滝下は人工的に整備された水路。しかし、過去に訪れた滝も、見方を変えると美しいことが分かって、この滝を違う目で見ようと思った。
今日は水量が多いほうだろう。滝横に回り込み、構える位置を上下に変えていくと、いろいろな絵が見えてくる。いままで一点からしか滝を見ていなかったことを、改めて実感した。ただし、滝見台から見た滝は、やはりありきたりものでしかなかったが。
滝見台の脇から、上に登る道がある。奥に進めば竜王の滝である。しかし、小橋の滝を上から見下ろす場所まで来ると、注意書きがあり、きちんとした装備をしていないと危険とある。確かに、最初に滑りやすい小さな沢を渡り、はしごをのぼったあと、岩壁にはりつくような細い道を行くので、不用意に行ける場所ではないが、装備というほどのものは必要ないように思う。もちろんヒール履きなどは論外であるが。
小橋の滝の上方を通過する際、小橋の滝のさらに上段があることに気付いた。木々を透かしてではあるが、綺麗な滝壺が見える。この道を来るのは二度目だが、前回は気付かなかった。冬だから気付いたのかもしれない。
所々雪の残る平たんな道を約500m進むと、竜王の滝が見えてくる。
遊歩道は滝前の岩をよけて、高巻きするように右上方に向かう。私はいつもの癖で、川に降り、まっすぐ滝に接近する。いきなり目の前に滝が現れるのも面白いが、だんだんと近づいていくほうが楽しく感じられるから。
右岸側の滝横に回り込むと、木が邪魔になる。左岸側は岩壁の為、あまり回り込めない。
正面から見ると平たんに見えるこの滝も、少し角度を変えると、途中で方向を変え、優美な姿をしていることがわかってくる。部分を切り取ってみても面白い。
気がつくと時間は12時半。岩壁をよじ登って、遊歩道の先端にある滝見台で食事。小雪が舞い始めていたが、やはり滝を目の間にしての食事は最高だ。
滝前で過ごしたのは約1時間、 遊歩道を小橋の滝までもどる。小橋の滝の上段まで下りてみようと思ったが、急斜面で帰りが難しそうなので、次回ロープを持ってトライすることにする。
小橋の滝を発って、福成寺に寄る。昨年なら今頃満開だったのに、今年はまだ五分咲き。曇り空で、メジロもいないので何もせずに立ち去る。こちらは来週以降のお楽しみだ。
今日の訪瀑、133km、7,226歩。来週からは、春の便りを探してのお出かけになるだろう。