食べて、笑って、旅をして

ニュージーランドにいたときに書き初め、いまではテーマはいろいろ。旅、グルメ、高知、鳥、ダイエット、英語。徒然思うこと。

マルちゃんの異変vol.2 原因判明

2021-10-10 | Living
翌朝、9月14日(火)。6時より前に起き、恐る恐る小屋のカバーをあけると、マルちゃんはちょこんと止まり木にいた。
良かった、生きている、とホッとする。
しかも下にうずくまるでもなく、きちんと止まり木に。

小屋から出して、昨夜のように背中を触ろうとすると、マルちゃんはキキキキっといつものように、怒った。
声は弱々しくはあったけど、ちょっと元気になった気がして希望がもてる。

でも月曜日丸一日食べてないマルちゃんの体重は、ついに27gまで落ちていた。
ごはんを前にすると、ついばもうとするけど、首を振ってやめてしまう。

生命の危機なのには変わりがない。

「鳥も診られる」病院での注射と点滴も、飲ませた薬も快方には向かわなかった。

昨日のその病院では、金属中毒は考えにくいと言われたけど、まだ疑う気持ちがあった私は、ネットで調べれば調べるほど、不安になる。

なぜなら、金属中毒は対処法が決まっていて、キレート剤を注入して無毒化させないといけないのだけど、48時間以内に処置しないと手遅れになる、ということをそこここで見たからだ。
土曜日に嘔吐して、もう48時間どころか60時間は経過している。
金属中毒なのか、違うのか。
そうだったら、もう手遅れなのか。
違うとしたら、なんなのか。

「鳥専門」の病院が開く9時半をいまかいまかと8時前から仕事をしながら待つ。
9時半になった瞬間電話をかけようと、Alexaにアラーム設定を呼びかけ、ひとまず仕事に集中する。

コロナの影響で昨年から完全在宅ワークになったことが、ありがたかった。

9時29分に設定したアラームが鳴ると、マルちゃんの土曜日からの様子を時系列でメモ書きにし、電話でちゃんと説明できるよう準備して、30分になったら一呼吸置いて、電話をかけた。

初めて電話すること、土曜日の嘔吐から始まり、昨日病院いったが、ごはんも食べず体重が落ちていることを必死に説明した。
昨日の病院の診察では泣いてしまったが、今日の私は落ち着いていた。

完全予約制の「鳥専門」の病院は、「予約でいっぱいだ」と初めての私を突き放さず、保温しているか状態を確認し、予約の合間になるけど、10時30分ころ来られるか、と優しい手を差しのべてくれた。

ありがたい思いで電話を切り、すぐに上司に電話をして、午前半休をもらう。
上司には、昨日の病院で状態がよくならず、鳥専門の病院が予約とれたら休むと言ってあったため、スムーズに許可を得られた。
同じ業務のメンバにも伝え、準備をしてマルちゃんを連れてでる。

この日は雨で気温も低く、小屋に置いたタオルを巻いたお湯入りのペットボトルの上に、マルちゃんは暖をとるためちょこんと乗っていた。

マルちゃんがんばろうね、元気になろうね、と声をかけながら、運転する。

10時30分少し前に「鳥専門」の病院に着いた。

先生は、マルちゃんを診てすぐ、お迎えしてすぐにメガバクテリアの検査はしたか、これまで検診したことあるか、と聞いてきた。

昨年調子を崩したのと昨日以外、病院にいったことはない、そのときは糞便に特に異常はない、と言われた。検診としては、したことない、と言うと
もしメガバクテリアだったら、1年7ヶ月も過ぎてるから、胃ガンになる可能性が高い、糞便検査だけでは、50%くらいしか検知できない。
お迎えしたときに、検査しないといけない、こんなに状態悪いと体重も27gだし、危ないよ、と。

メガバクテリアを発症していたら、胃拡張になってる、とレントゲンをとりに連れていかれたマルちゃんを待つ間、そんな話をされた。

幼鳥のときにお迎えしたら検査をして、メガバクテリアが陽性だったら治療しなきゃいけない。

その知識はあった。
でも、この病院がうちからは少し遠いのと、先生が厳しい(きつい)という評判だったのもあり、元気だし、大丈夫だろう、と行動しなかった。

そんな私のせいで、手遅れになってしまった。
胃ガンになることがあるなんて、、、それは知らなかった。

申し訳ない気持ちで取り返しのつかないことをしたと茫然としていたら、
レントゲン写真を診て、先生はあっといった。

この子、金属飲み込んでる、と。
4つもある、金属中毒を起こしている!

金属の種類はなにかわからない。
放鳥はどのくらいしているのか、と聞かれ、朝、昼それぞれ2,3時間、と答えると、「長すぎる」と一蹴された。小さく見積もって言ったのだけど。

そんなに長いとずっと見てられないでしょ、なにか食べてもわからない、だからこういうことが起きるのだ、と。
金属中毒の処置(キレート剤の注入)をするが、体重も危険な状態だし、強制給餌と皮下補液をする。
入院が必要。一週間か、長くかかると三週間。
でもこの状態的に、助からない可能性もある、と。

入院中に亡くなる、マルちゃんとここで最後になる?
一瞬躊躇したのを見てとられたのか、悩むなら、いったん連れて帰って考えてもいいけど、と言われた。

口コミにあったきついという先生の口調は、私にはまったくそんな風に感じられなかった。
むしろ淡々とありのままを伝えてもらったので、ちゃんと考えられた。
私が連れて帰ったら、良くなることはなく、悪化する以外にない。
強制給餌も投薬もできないのだ。
ここで最後になったとしても、入院以外には助かる道がないのは明らかだと感じた。

お願いします。
と答え、入院に関する説明を受けた。

プラケースに入れられ、30℃に保たれた棚に置かれるマルちゃん。
意識があるのか、ないのかわからない。

「マルちゃん、がんばってね。元気にならないかんよ。」
と声をかけ、これが最後の姿になるのだろうか、と考えながら、必死に涙をこらえた。

ぼーっとしながら、預り金を入れて、預り証を受けとる。
「マルちゃんお預かりしますね。」と笑顔で言う看護師さんに、涙目でよろしくお願いします、と言って病院を後にした。
帰りながら、明日面会にいこう、面会の予約取ればよかった、と思った。やはりちゃんと頭は回っていなかったようだ。

マルちゃんのいない小屋をもって帰り、空っぽの鳥かごを見ると、マルちゃんが戻ってこなかったらどうしよう。とただただ涙があふれた。

感傷的になってしまうのをなんとか律し、面会の予約をとるため、入院の説明書を改めて読もうとバッグから出したとき、ひらりと落ちた預り証がベッドの下に入り込む。

ベッドをずらして探すと、預り証のそばに干からびたマルちゃんのが2つ転がっていた。
こんなベッドのしたの隙間にまで入り込んでたのか!
とそれをみてまた涙があふれた。

30gの小さなマルちゃんは、とてもとても大きな存在だった。

昨年3月にうちにやってきて、初めてマルちゃんのいない夜。マルちゃんも急に違う環境で寂しくてストレスかかりすぎていないだろうか。
と、そんな心配もした。
ただ、その夜は気温もとても寒くて、30℃にしっかり保温されてる環境に置かれて、良かったんだとも思った。
体重増えますように。なんとか夜を越せますように。
そう願いながら、一方でマルちゃんはもう生きて帰ってこないかもしれないと思ったりもした。

明日とれた面会の時間は16時。
朝、状態が悪くなったら電話がかかってくる。
電話が鳴りませんように。
どうか、どうか、と不安な時間を過ごした。















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