岡田朝雄さんの「人生で大切なことはすべてヘッセが教えてくれた」を読んだ。
ヘッセとは、もちろんヘルマン・ヘッセ。
学生時代に「車輪の下」を読んだ
くらいしかないけど、なんだか気になる存在。
昨年、学校関係の仕事をしていたときに
中学校の国語の教科書に
60年以上にわたって
取り上げられている
ヘッセの小説があることを知った。
残念ながら、私が通った
高知市立の中学校で採用されていた
出版社の教科書には入っていなかったけど。
昨年、その単元の小道具を作る手伝いをし、
そのときに教科書を読んだので
その一節をこの岡田さんの本で見つけたとき
懐かしくそれを思い出した。
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「一度だめにしてしまったことは
二度ともと通りにすることはできない」
-『少年の日の思い出』より
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この小説の内容は割愛するけれど、
この言葉は決して
「やり直すチャンスはない」
ということを言っているわけではなくて。
子どもの頃の思い出したくない苦い思い出。
それは誰しもが持っていて、
そして、そういう心の傷があるから
大人になれる、
ということを伝えてくれている
と岡田さんは解説している。
年齢をどんなに重ねても
消えない傷はある。
だからこそ、人も自分もいたわることが
できるのだろう。
最後に2つ、ヘッセの言葉から。
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「興奮と闘いの時代であった
青春時代が美しいと同じように
老いること、成熟することも、
その美しさと幸せをもっているのである。」
-『人は成熟するにつれて若くなる』より
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昔飼っていたインコのぴいちゃんは
もういない。
この写真のインコは友だちが
鳥好きの私にくれたもの。
ぴいちゃんがいたことを
ポチは覚えているだろうか。
あの頃、まだポチは若く、溌剌としていた。
いまは、もう老犬になったけれど
それでもポチはかわいい。
歩くスピードが遅くなっても
耳が遠くなっても
それでも、やっぱりポチはかわいい。
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「若いときに、
年をとることなどとても想像できない
と思われるような人びとが、
まさに最もよい老人になる。」
-『人は成熟するにつれて若くなる』より
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確かに想像しなかった。
だからポチもよい老犬になったし、
きっと私も。