皆様こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。
今日で官公庁御用納め。いよいよ年末らしくなってきました。しかし、今年の夏は暑かったです。35℃の日が何日も続いてました。来年は平年並みに戻ってほしいですね。地球的に気象変動が起きてますから、どうか被害が出るような天気にならないように祈るばかりです。では、本題へ。
これまでの研究で、胸部単純X線写真や喀痰の細胞診による肺がん検診には効果がないことが示されています。
しかし近年に導入されてきた低線量CT検査は、胸部単純X線写真と比較してより早期のステージの肺がんをみつけることができます。
最近、アメリカでおこなわれた男性のヘビースモーカーに対する研究では、肺がんによる死亡リスクを低下させることが示されました。
この研究結果を踏まえて、アメリカでは低線量CT検査による検診が導入されてきています。
しかしながら、この検診での研究結果では、総死亡リスクは減少していませんでした。
おそらく、過剰診断による精密検査のせいで合併症をきたした結果で死亡となったケースが出ているからでしょう。
このことは、以前(1998年)に私はランセット誌で指摘していました。
そのため、欧州などではまだ肺がん検診の導入を推奨していません。
馬天港です
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