皆様こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。明日から始まります WBC ワールドベースボールクラシック。日本は初戦キューバとの対戦ですが、このキューバ、昔と比べかなり弱いです。ここまで強化試合が五連敗といいところがありません。元巨人のセペタ選手が代表というのもその証拠でしょう。しかし、油断は禁物です。頑張れ日本。では本題へ。
「総コレステロールが高い」というとき、問題はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高いかどうかです。
心筋梗塞や脳梗塞などの危険因子になるのは、LDLコレステロールです。
一方、HDLコレステロールは善玉ですので、高いほうがよいのです。
また、中性脂肪については、単独では危険因子とはならないということがわかっています。
LDLコレステロールを直接測定する方法も導入されていますが、その方法は信頼性がよくないとのことで、学会などでは、総コレステロール、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、中性脂肪から計算する方法がよいとしています。
A子さんのLDLコレステロール値を計算してみましょう。
LDLコレステロール=総コレステロール-HDLコレステロール-(中性脂肪/5)
という式で計算できます(フリードワルドの式)。
この式は中性脂肪が400を超えると使えませんが、そうでなければ有用です。
そうすると、A子さんでは、
LDLコレステロール=250-50-(100/5)=180(mg/dl)
となります。
日本のガイドライン(日本動脈硬化学会編動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版)では、LDLコレステロールが140mg/dL以上で高LDLコレステロール血症としています。
ところで、A子さんの冠動脈疾患危険因子は、LDLコレステロール以外は「ゼロ」です。
LDLコレステロール管理区分の目標値は140(mg/dl)未満となります。
生活習慣の改善や薬物治療で、悪玉のLDLコレステロール値などをしっかり管理することが推奨されています。
では、A子さんはスタチン系薬を飲むべきでしょうか?
(記事の内容とは関係ありません)
待望のシリーズ第三弾!テレビや新聞より早いグローバルな情報や科学的に正確なエビデンスに基づき、サプリなどの宣伝なしの信頼性の高い中立な情報をお届けします。キンドル版「知っておくと役に立つ最新医学2017(ノンフィクション)」こちらいかがでしょうか。
科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。2016年のメルマガまぐまぐ大賞「健康」部門5位に選ばれました。
迅速・的確なトリアージができる!ナースのための臨床推論 [単行本] [2016] 徳田安春、こちらナースの皆様はもちろん、これからナースを目指す方、看護の情報を知りたい方にもどうぞ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます