ごくごく私的な思い込みですが「神様の御側まで詣でたい」というのが登拝の始まりなのだと考えています。
今、世間は何だかえらいことになっていて、いち神職の立場として心に浮かぶあれこれを放置するのは忍びないと思い、先日、思い余って伊那佐山でお祭りをしてきました。
目的は2つあって、先ずひとつ目は「武漢肺炎ウイルス感染症流行鎮静祈願祭」を執り行う事。
そしてふたつ目は、伊那佐山の山頂に鎮座する都賀那岐神社の春祭り「岳会式」が、今年から氏子さんたちの協議によって少し形式を変えて執り行われる事の由を神様に奉告する事でした。
さて、この日は午前中、ムラの水路掃除の出合いがあり、その後、福西区の白山神社の御田祭がありましたので、午後から伊那佐山の登拝を計画していました。
あらかじめ最低限の神饌と器類、案2台、装束、祓串、榊を前日に購入した背負子に積んでみるとなかなかの重量。
登拝は先代宮司がそうしていたように下駄で行うことを粋に感じていた僕もさすがに怯みました。
しかし大峯山の蓮華入峯の時に手に入れた金剛杖があることを思い出して何とか折れかけた心を奮わせました。
当日は桜も満開でした。天気も最高。
しかし荷物は思っていた以上に重く、予想していたよりも時間がかかりました。
伊那佐山は、それほど険しい山ではありませんが、時々きついところもあり、しかしその都度、山道脇の丁石や山の自然の営みが励ましてくれます。
坂がきつくなる七丁の石碑には何代か前のご先祖様の名前が刻まれていて励まされました。
巡る季節に花は咲くときを知り、また次に咲く時を待つ。
いいですね。
とまあ、そんなこんなで山頂に到着です。
意外と時間が押しましたので直ぐに舗設します。
とはいえ大袈裟な会場舗設など望むべくもありません。
小さな案(台)ふたつを神饌用と玉串用に使用し、神饌は米・酒・塩・水のみ。全くもって最低限の神饌です。
式次第は、修祓・一拝・献饌・大祓詞奏上・祈願祭祝詞奏上・奉告祭祝詞奏上・玉串奉奠・撤饌・一拝、です。
斎了後は直ぐに片付け、それが終わり次第、一応「証拠写真」を撮って下山しました。
計画当初は往復2時間を想定していましたが、蓋をあけてみたら往復3時間もかかってしまいました。
でもまあ、何はともあれ、天気が良くてよかった。
思いがけなく花見もできたことですしね。
今回の登拝にかかった実際の時間を以下に記します。
もし、ご奇特にも同じコースでの登拝をしてみたい方がいらっしゃいましたら、ご参考までに。
13:43 八咫烏神社 出発
13:53 「さくら広場」WCあり
14:00 稚児石
14:16 山路三差路
14:18 伊那佐山登山口
14:27 一の鳥居
14:32 七丁石
14:34 嶽明神・自明檜牧道標分岐
14:51 天狗岩道標分岐
14:58 山頂到着 舗設次第斎行
15:53 祭典斎了 片付け次第下山
16:37 「さくら広場」WCあり
16:50 八咫烏神社 到着