My ordinary days

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ふと思い立ち第2のキャリアを始めてしまった、流されがちなひとの日々を綴るブログです

万城目学「鹿男あをによし」

2011-06-27 08:39:21 | 読書
2時間で読む。一気読みです、ねむい・・・・なにやってんだか、私。

同作者の「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」、の中のかのこちゃんのお父さんの若かりし頃のお話…という説明でいいのか??
観ていないけれどテレビドラマ化もされていますね。

神代の昔、鹿島大明神:武甕 槌命(タケミカヅチノミコト)が悪さをする大ナマズを要石で地底に閉じ込めました。普段、ナマズの頭を鹿島大明神が、尻尾を奈良の鹿と京都の狐と大阪の鼠が押さえているのですがこれは1800年前に卑弥呼から「鎮め」の役を仰せつかったため。以来、ナマズを封印する「目」とよばれる神宝を60年毎の神無月に3者(?)で還し続けて満月の晩に交代で鎮めの儀式を行ってきたのです。その「目」を運ぶ人間に選ばれたのがこの小説の主人公「おれ」。固有名詞はありません。この年は狐の運び番の女性(誰だかは終盤までわからない)から鹿の運び番である「おれ」に「目」が渡され、それを鹿の元に運ばなければいけなかったのですが、鼠のイヤガラセで「目」の行方がわからなくなってしまいます。それを取り返さないと日本は大変なことに・・・!!!「おれ」も運び番失格の印をつけられ、他の人には見えないものの、顔が日に日に鹿化していき・・・・・どうするどうなる?!

とまあ、ファンタジー?なお話です。「おれ」はもともと大学の研究員なのですが、教授の勧めで2学期の間限定で奈良にある女子高に臨時教員として赴任します。そこで喋る鹿と出会い、藤原だの大津だの、都の名前からとったであろう名前の同僚とからみ、なぜか初対面なのに敵意を持たれてしまう女子生徒と遭遇したり、剣道部顧問を引き受け、奈良、京都、大阪の姉妹高校対抗のスポーツ大会に関連して憧れの「マドンナ」に出会ったり。恋にスポーツに冒険?に、エンタメ要素満載です。主人公自体は地味なのだけど、回りの人たちが濃ゆいです。

剣道の決勝のシーンは特に良かったですね。日本の武道の静謐さ、高校生らの試合にかける思いというかひたむきな感じがが伝わってきました。(もちろん、その試合に勝たなくてはならない切実な理由が主人公にも決勝に臨んだ女子生徒にもあったのですが)

それから 最後まで鹿化したままの主人公が元の姿に戻るには・・・
・・・って、まるで西洋の童話のような、お約束の解決方法みたい~、ベタといえばベタなラストでありました。でも日本神話の神様や神様のお使いがメインにあった小説なのに、ここでそんなお約束をだしてくるとは思わなかったので意外でもありました。



主人公の「おれ」は、かの子ちゃんのパパになってやはり落ち着いたなぁー、という感想もアリ、でした^^