My ordinary days

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ふと思い立ち第2のキャリアを始めてしまった、流されがちなひとの日々を綴るブログです

万城目学「偉大なるしゅららぼん」

2011-08-06 06:18:11 | 読書
しゅららぼん?

なあに~それは~??なタイトルですが

琵琶湖の神から賜った不思議な能力を持つ日出一族、の分家筋の少年涼介。能力者と認められた者は、高校入学時に親元を離れて日出本家に3年間身を寄せてその力を磨く修行に勤しむ習わしとなっていました。入学式の前日、本家のお城(!)にやってきた涼介。本家には彼と同い年のいとこ日出淡十郎がいて一緒に学校に(自家用船で!)通うことになるのですが同じクラスには棗(なつめ)広海という少年もいたのでした。琵琶湖の神から力を授かったもう一つの湖の民、棗家。仲はお約束通りによくありません。バトル勃発か!?いや、そういう話でもなくて、淡十郎に好きな子ができたり吹奏楽部に入部して練習をしたりの普通の高校生活にプラスして、涼介は力を磨く修行をしたり・・・そして・・・

こう書いてるとどんなラノベだよ、という感じもしますが、そうですね~SF?コメディ?エンタメ?青春物?それともファンタジー? 

琵琶湖畔から日出と棗の両家を追い払おうとする旧藩主(日出家のお城は元々はこちらのものだった、のを「力」を使って財を成した日出家祖先が買収)の末裔が登場し、未知の力で日出・棗両家を圧倒します。日出家当主淡九郎も棗家当主である広海の父や妹も命が危ない!果たしてどうなる!?

読んでいて楽しかったです。この人のお話にでてくる神様はほんとうに人間のことなんてどうでもいいの?、というか気まぐれな風で笑ってしまう。森羅万象すべて人間のために存在しているわけではないということなんだろうなぁ。

淡十郎には姉がいて、「グレート」清子と呼ばれるとびきりの能力者なのですが彼女の活躍ぶりも凄いです。活躍というか、人を活躍するようにきっつい指示をだすというか。清子さんは能力が強すぎて城の中にひきこもる人生を選んでいたのですが、だからこそ城をでていくわけにはいかなかったのですね・・。

しゅららぼん とは、「力」が発する音、二つの異なる力が同時に働いたときに聞こえる音。「力」自体に名前がないので便宜上その力をしゅららぼん、と呼んでいるのです。


すいすいと読み進められるので読了までに時間はそうかかりません。
ラストで、両一族にはあることの「ニ度づけ」が禁止になっているのだけど、棗くんのおかげで?ニ度づけではなくなることがうっすらわかります。うっすら、です。最後まで描かれていないので想像になりますが、涼介はそのことに気づいているのかな~ ということが気がかり&楽しみなところです。