My ordinary days

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ふと思い立ち第2のキャリアを始めてしまった、流されがちなひとの日々を綴るブログです

賀来周一「サンタクロースの謎」

2011-11-10 14:56:27 | 読書
まだ11月で早いと言えば早いのですが
読んでしまったので感想を。

文字通り、タイトル通りにサンタクロースの謎について、の本です。 そういえば謎だらけ。
キリスト教の祝日に現れて子どもたちにプレゼントを配って歩く、8頭立てのトナカイそりを操る赤い服を着たおじいさん。ナゾだ・・・


サンタクロースがいるのかいないのかという話から始まり(もちろん、いますよ~!!)
(とはいえ、長女ちゃんに読ませようかと思ったけれど、そこらへんの問題についての記述があるのでまだ早い・・。)
その歴史的起源をヨーロッパ各地域の伝承や土着信仰との関わり、そしてそのモデル聖ニコラスのこと、聖書の降誕物語を踏まえて紐とき、その象徴しているものの意味について解説がなされています。

ところどころちょっと涙ぐみつつ読了。サンタクロースの持つ物語性、宗教性がとてもわかりやすく書かれています。夜の闇の中から喜びを運ぶサンタクロース。
そこにいるだけでいい、それだけでうれしいという存在の肯定をし、純粋に幸せを願ってくれる叡智ある老人がサンタクロース、なのです。

国や地域、時代によって様々な姿があるようですが、日本のなまはげのような厳しい聖ニコラスもいるらしい。聖ニコラスと怪しげな恰好をした付き人が一件一件家を周り、良い子にしていたがどうかをチェック、良い子にはよいプレゼントを悪い子にはジャガイモの皮をあげたりと、いいこと悪いことを子どもに理屈や知恵をしてではなく感覚的に教える役割も担っていることもある。うれしいことと怖い、嫌なことがセットでやってくるのです。実生活でも良いこと悪いことは表裏一体でやってくるものね。

サンタクロースの物語はほんとうによくできていますね。各地域でサンタクロースが根付いているのも、人の根源にある共通認識を吸い上げているからでありその辺りのことも本書を読み進めていくことでよくわかってきます。

物質的、合理的なものを追い掛ける社会から精神的に成熟した社会へ変容をとげつつある(と信じたい)今の時代ですが、それはンタクロースの存在意義が認知される社会になることでもあるのすね。

このご本、お薦めでございます♪