東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~扶桑社このアイテムの詳細を見る |
ずっと以前より図書館で予約していた本「東京タワー」が
やっと自分の番にまわってきて、昨日読み終えました。
なんでも、7月末にはドラマとして放映され、
来年5月のゴールデンウィークには映画がロードショーされるという、
話題の本。
母と息子のあたたかい関係を描いた本は珍しいのではないでしょうか。
どちらかというと、母親と息子という関係は絵にならず
日本においては「マザコン」と捉えかねない・・
母と息子は常に微妙な関係。
どちらかの愛情が強すぎると、「マザコン」となったり、
「子離れでない母」となる。
でも・・
なんで大切な人のことを想うていかんのやろか?
なんで好きな人のことを話して、
気持ち悪いとか言われんといけんのやろうか。
今でもようわからん。
というリリーさん(著者)の言葉に、せつなさを感じました。
こういう母と息子の関係もあるのだと思いました。
そしてそれは自然で、美しいものだということを知りました。
著者の母、「オカン」の無限の愛情を深く感じました。
そして、それを受ける息子の気持ちや思いも少し理解できるような気がしました。
息子にとって母親の存在とはどういうものなのでしょう。
私も一応高校生の息子の母親です。
小さい頃は、しっかり手をつないで、ひとときも離れず
母の名を呼び続けた我が子も、やがては離れて歩くようになり、
外で偶然遭遇しても、他人のふりをするようになる。
そのうち話しかけても、うっとうしそうな目で見つめ、だるそうに返答する。
息子にとって、母親とは「ウザッタイ」だけの存在なのでしょうか・・
ふと寂しくなるときもあり、娘だったら良かったのに!
・・と思うことも多々ありました。
でも、この本を読んで安心しました。
言葉や行為で素っ気ない態度を取っていたとしても
こちらの気持ちや愛情は、ちゃんと伝わっているのだということを知りました。
そして・・
「母」という存在になれて良かった!
・・と心から思いました。
後半は涙が止まらず、読み終わっても静かな余韻が漂う感じでした。
優しく心を癒し、包み込んでくれるような本でした。
「オカン」は我が子が命よりも大切で、息子はなによりも「オカン」が大好き。
とてもシンプルなことだけど、なかなか表現できえない関係の母と息子。
決してスマートじゃないけど、決して格好良くないけど
不器用ながらも、いつもさりげなく息子を思い、愛情を注ぐ「オカン」・・
私もリリーさんの母、「オカン」のようになりたい!と心から思いました。
ほど遠いことだけどね。
最後にとても心に残ったフレーズを・・♪
「オカン」が遺したメモでした。
母親というのは無欲なものです
我が子がどんなに偉くなるよりも
どんなにお金持ちになるよりも
毎日元気でいてくれる事を
心の底から願います