骨はカルシウムというイメージを持つ方が多いと思いますが、実はコラーゲンが20%を占めます。骨は鉄筋コンクリートの構造に似ていて、カルシウムなどのミネラルがコンクリート、コラーゲンが鉄筋に例えられます。つまり、コラーゲン(鉄筋)が骨を強くしているのです。
コラーゲンはタンパク質でできていて、ヒトのタンパク質の約30%を占めるほど多く、そのタンパク質のアミノ酸は、グリシンが約33%、プロリン(ヒドロキシプロリンを含む)が約26%、アラニンが約11%で構成されています。
グリシンは最も小さくてコラーゲン中のアミノ酸とアミノ酸を繋ぐ重要なアミノ酸です。プロリンとヒドロキシプロリンはコラーゲンの立体を安定化させる役割があります。アラニンは、立体構造と弾力性にも寄与しています。
関節軟骨の約66~76%は水で、そのほかはコラーゲン・プロテオグリカンや非コラーゲン性糖タンパクなどで構成されています1。
参考資料:コラーゲンLabo.com
Wikipedia
関節軟骨組織構造・軟骨細胞と関節のトライポロジー特性(生体医工学, 44, 537-544, 2006)
骨や関節軟骨の健康維持には、適切なコラーゲンの摂取が重要です。グリシン、プロリン、およびアラニンが豊富に含まれる食材を以下にご紹介します。
グリシン:豚の軟骨やゼラチン
プロリン、ヒドロキシプロリン:エビ、ほたて、するめ、タラ、サバなどの魚介類
アラニン:エビやカニ、煮干しやかつお節などの乾物類。
エビ、カニは関節軟骨に必要なグルコサミンも含んでいるので、お勧めです(エビ・カニアレルギーの方は注意)。
昔から医食同源という言葉があるように、古くから特定の食品摂取と健康増進には深い関係があるようです。骨には骨の食材、関節には関節の食材が良いという漢方的な考えの裏付けでもあると考えています。
注意:アミノ酸は糖と反応して(メイラード反応と言います)、身体に良くない最終糖化産物(身体の「コゲ」とも言われる)を創ります。プロリンはメイラード反応を特に受けやすいアミノ酸なので、摂りすぎには注意です。言う、適切な食事を摂りながら、これらのアミノ酸をバランスよく摂取するのが良いでしょう。
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