ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

■ 体力と気力と年齢!!

2008-10-18 15:23:54 | Weblog
 先の3連休は久し振りにちょっと充実した時を過ごしたという感じが残りました。一日は
仕事の残務整理、もう一日は所属する学会へ出席し発表、最後の一日は読書と部屋の掃除と、
全体的にバランスのとれた行動をとった気がしています。

 ただし、明日からどうしようという気力が起きないのが難点です。緊張感が無いといった
方が正しいかも知れません。人間、心の緊張感が切れてしまうとどうしようもなくふらつい
てしまうものです。

 この10月に入ってから疲れが抜けない状態が続いており、体調が優れません。従来であ
れば2~3日で肩こり等も解消するのですが、人生で初めて10日間程肩こりに悩まされて
いる日々が続いています。

 ゆっくり寝た翌日は、少し回復しますがまた夜になると同じ状態に逆戻りです。体の老朽
化は進んでいるのは当然ながら承知のことですが、なかなか抜けない疲労には閉口してしま
います。

 体の調子が今一歩のときは、それに比例するように心の気力も下がり気味です。テンショ
ンが上がらないのです。ただ体調が悪くても学会での発表は、IT産業のシステム運用現場
の状況を学術の世界で生きている先生方にお伝えし、理論だけでなく実務も重要であること
を訴えるチャンスなので、力が入りました。どれだけ分かっていただけたかは分かりません
が、自己満足感だけは十分に感じて帰ってきました。

 個人的な考えですが、毎年参加している学会での多くの研究発表内容は、学術的な内容が
ほとんどで、実務の研究が無いのが非常に残念です。どんなに著名な教授が素晴らしい内容
の発表をしても、現場の実務に生かされない研究は個人的に見て寂しいものがあります。

 現場の問題を解決しながら、その成果を公にし最終的にこれらの研究の成果が体系化され
る喜びは、携わったものしか分からないものだと思います。いま日本に足りないのは、この
ような現場の情報や動きや現状を確実に捉え、またその問題点や課題をきちんと把握して解
決の道筋まで持って行く流れが、どこかで詰まってしまっていることであり、これらが多く
の産業界の中での閉塞感に繋がる最も大きな要因でなはいかと思います。

 昔は、現場主義という言葉がはやった時期がありましたが、いまの日本は物づくりから大
きく離れて行ってしまうような傾向にあります。多くの人がきれいで安全で格好がよい業種
に就きたがり、社会の基盤を支える物つくりから離れようとしていることに危機感を持って
います。

 自分が若ければ、敢えて物つくりの製造業へ飛ぶ込み、日本の製造業に革新を起こしたい
との野望を持って進んだかもしれませんが、この体調のように疲れが10日以上も抜けない
ような歳になっては、残りは気力でのみ生きるだけになります。

 今の日本は私の体調のように弱りきって来ており、非常に憂うべき事態だと思っています。
今後は若者が、この日本を変えるために一致団結して動き出すことを期待していますが、そ
のような気力を持った若者が少なくなってきていることも気になります。五木寛之が述べて
いるような「鬱の時代」に入っていると個人的にも実感しています。

■ 第1628回NHK交響楽団定期演奏会を聴いて(Aプロ初日)♪♪

2008-10-18 15:21:36 | Weblog
 先日、10月の定期公演を聴いてきました。指揮はアンドリュー・リットンで演奏された
曲目は、 ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第3番作品72b、シューマン/ピアノ協
奏曲イ短調作品54、チャイコフスキー/交響曲第2番ハ短調作品17「小ロシア」でした。
また、シューマンのピアノ協奏曲を弾いたのがイモジェン・クーパーです。

 プログラムには指揮者のアンドリュー・リットンとピアニストのイモジェン・クーパーは
ともに、以前にN響と競演したことがあるとのことでしたが、私は全く覚えていません。覚
えていないということは、その演奏会を聴かなかったか、あるいは内容が良くなかったから
印象に残っていないのどちらかであると思います。

 結論からいうと今回の演奏会は、3曲ともに満足したものでした。ここ数年のN響の定期
演奏会で演奏された全ての曲に関して満足したことはなかったので、本当に久しぶりの良い
演奏会になりました。

 指揮者のアンドリュー・リットンから流れ出てくる音は、一言でバランスが非常に良いこ
とが最大の特徴だと思います。どの楽器も全体の音楽作品の中で確実にその役目を果たして
いることが感じられるものでした。いままで同じ曲をいろいろな指揮者やオーケストラで聴
きましたが、なかなかここまで全体がまとまった演奏はありませんでした。

 ベートーヴェンの序曲「レオノーレ」第3番などは、CDのなかでおまけのトラックに入
っているような曲で、自分では過去にわざわざこの曲を聴きたいがためにCDをかけること
はありませんでしたので、今回も少しばかり抵抗感があったのですが、聴き始めから感じた
のは、今までの曲の演奏と異なることでした。曲の楽想は、他のベートーヴェンの曲に比較
すると少しレベルが低い感じがしますが、それが立派な曲として聴こえてしまうところに驚
きを感じました。

 2曲目のシューマンのピアノ協奏曲ですが、ピアニストのイモジェン・クーパーの演奏の
素晴らしさを感じました。折り目正しい清楚な音色ですが、ただ弾くだけのものではなく心
の奥にある暖かくまた優しさのある情を感じるような演奏でした。

 シューマン独特のピアノの音色が十分に発揮された名演奏だと思いました。個人的には今
回の演奏会の様子が放送されたならば確実に録画しようと思ったほどの内容でした。

 最後のチャイコフスキー交響曲第2番ハ短調作品17「小ロシア」ですが、個人的にあま
り好きではない作曲家の曲なので、適当に聴こうと決めていましたが、これがまたアンドリ
ュー・リットンの魔術というのか、演奏の上手さに聴き手が参ってしまうほど、曲の中へど
んどんと引き込む力を発揮していました。あとで指揮者の解説を読んだところチャイコフス
キーの作品を得意としていると書かれていたので、素直に納得した次第です。

 このような内容の演奏会が毎回続くのであれば楽しいのですが、最近は期待外れの演奏会
が意外と多いのがN響の定期公演だと思います。今回は、個人的に本当に満足した演奏会で
した。

 指揮者のアンドリュー・リットンは今後注目されるマエストロになるような予感がしまし
た。ウォッチングを要する指揮者の一人だと思います。