ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

■ 第1731回NHK交響楽団定期演奏会を聴いて♪♪

2012-06-16 13:20:54 | Weblog

 6月15日(金)の夜、第1731回NHK交響楽団定期演奏会を聴きにNHKホールに
出かけました。先週に引き続きウラディーミル・アシュケナージの指揮による定期演奏会で
した。曲目は、コダーイ:ガランタ舞曲、バルトーク:ピアノ協奏曲第2番、R.シュトラ
ウス:交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」作品30でした。

 演奏曲の中で聴いたことのあるのはR.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはこう
語った」だけで、あとのコダーイとバルトークの作品は、聴いたことがないし積極的に聴き
たいと思う作曲家ではありません。音楽を聴くの際に特定の作曲家に偏った聴き方は誤りで
あるという意見はあると思いますが、若い年代であるならいざ知らず私のように人生も先が
見えてきた年代になると、自分の好きな領域をさらに極める方が時間の効率的な使い方がで
きるという考えが先に立ってしまいます。

 ですから現在は、古典派からロマン派までの作曲家の中でもバッハ、モーツァルト、ブラ
ームスを集中的に聴いています。年寄りの頑固な面が出てきているのだと思います。ですか
ら、今回のコダーイとバルトークは全く興味の範囲外の作曲家です。

 今回初めてこれらの作品をアシュケナージの指揮で聴きましたが、案の定、結果的には改
めて聴きたいと思う気持ちは起きませんでした。決して作品を非難している訳ではなく、個
人的な興味の範囲に入っていないだけの理由です。

 最初のコダーイ:ガランタ舞曲ですが、ジプシー的な香りのする楽想で、ブラームスのハ
ンガリー舞曲に流れる心情と同じような感覚を覚えました。2曲目のバルトークの作品と比
べればコダーイの方がまだ受け入れられる度合いが大きいと感じた作品でした。

 2曲目のバルトーク:ピアノ協奏曲第2番ですが、はっきり言って理解できないものでし
た。演奏自体は素晴らしい内容であったと思います。バルトークを聴きながら感じたことは、
モーツァルトのように自然に流れる旋律でなく、楽器と楽器との対等な掛け合い(ピアノと
ティンパニ)や緩急のリズム並びに音の重厚さ等を感じましたが、こころの安らぎやこの音
楽を通じて何らかの示唆を得るまでには至らなかった内容でした。とて残念でした。

 ピアノ独奏のジャン・エフラム・バヴゼですが、演奏は素晴らしいと思いました。曲が理
解できなかったのでバヴゼの本当の力が分かりませんでしたが、鳴り止まぬ拍手に応えて弾
いたアンコールの曲が、ドビッシーのアラベスク第1番ホ長調でした。個人的には、バヴゼ
の弾くドビッシーの音色にうっとりとしました。このアンコールを聴けただけでも価値があ
った内容でした。

 今回の演奏会では、後半のR.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」
がもっとも内容が濃かったと思います。弦楽器が鳴っていましたし、管楽器の技術も素晴ら
しいと思いました。ただ、欲を言えば全体の音量のバランスがいまいちのところが数か所あ
ったのが気になりましたが、それは私個人の期待するものとアシュケナージの解釈の差だと
思うので何とも言えません。

 前回の演奏会でも感じましたが、今回の定期演奏会シリーズでアシュケナージの指揮が格
段に上手くなり久々にN響の弦楽器が鳴っていました。昨年の定期演奏会から1年間の中で、
アシュケナージの中で、何かが変わったのではないかと思います。この状態が続くのであれ
ば、生意気な言い方ですがアシュケナージはピアニストとしてではなく指揮者としての活動
を続ける意味があると正直に思いました。

 先週に引き続きN響の響きが昔に戻ってきたような感じを受け、満足感に浸りながらNH
Kホールを後にしました。

■ 愛犬ミルクの老い!!

2012-06-10 12:10:18 | Weblog

 我が家の愛犬ミルクですが、9月の誕生日を迎えると15歳になります。数か月前までは
しっかりとした足取りで歩いていましたが、ここ数か月は後ろ足が自由に動かなくなり大好
きな散歩に出かけても途中で止まってしまう状態です。また、食欲がなくなったり、下痢を
したりするたびに獣医のところに行き、注射や薬を貰いながらの生活です。

 また、心臓の動きも弱くなってきており、時々全身が痙攣するなど脳も弱ってきていると
獣医から宣告されています。出来るだけのことをして浄土に送ってあげたいと思っています。

 不思議なもので愛犬ミルクの老いと同じように父親も老いのために介護が必要となってお
り、土日の休みは必ず実家に行き身の周りの世話をする日々が続いています。認知症の度合
いもかなり進んでいますが、息子が来たという認識があるので助かっています。そのうち息
子であることも分からなくなる時が来ると覚悟しています。

 愛犬ミルクとは、言葉が通じないので従来から行っていることは、目を見ながらの意思の
疎通を通じてどのような状態なのかを窺っています。もともとミルクは我慢強い犬なので、
どんなに痛くともまた苦しくても辛いという仕草をめったに見せない犬なので、余計にミル
クの目を見ながら状況を察知し、対応する日々が続いています。

 今は、ほとんど横になって寝ています。今も私の机の横で、久しぶりに青空となり爽やか
な風を受けながらすやすやと寝ています。平和で幸せな時間が流れています。このままこの
状態が続くといいのですが、この世は無常の世界なのでそのようにはなりません。だれもが
いつかは別れる時が来るのです。

 愛犬ミルクと同じように私も還暦を過ぎ、老いが本格化してきています。今までと違うこ
とが身の回りでたくさん起きだしています。これらと戦うのではなく、それらをありのまま
に受け入れて進むのが重要なことだと思っています。

 愛犬ミルクと巡り合い14年以上の日々を一緒に過ごしてきましたが、ミルクから学んだ
ことは自分以外に対する優しさです。仮に愛犬ミルクが我が家に来なければ、自分の人生は
大きく変わっていたと正直に思えます。優しさの少ない人間になっていたのではないかと思
います。

 これまでにも苦しかったことや哀しかったこと悔しかったことなど様々な出来事がありま
したが、これらが起こるたびに私は愛犬ミルクに話しながらこれまで生きてきました。いつ
もミルクはきょとんとした目で私を見ながら話を聞いているようですが、最後には優しい目
に変わり、何とかなるから大丈夫だよと目が言っているように見えました。この愛犬ミルク
の優しい目に私は何度も救われました。本当に感謝しています。

 最近、夜の10時過ぎに愛犬ミルクと散歩に出かけますが、夜空の星を一緒に見ながらミ
ルクも私も命が終わると宇宙空間の星間物質に戻るのだよと、いつも愛犬ミルクに言い聞か
せています。

 これからも愛犬ミルクの定められた命の期間、精一杯面倒を見ながら最期に黄泉の世界へ
送り出してあげようと思っています。愛犬ミルクには、我慢せずに我儘言っていいから最期
まで与えられた命を全うして欲しいと、優しさを教えてくれた愛犬ミルクに感謝をこめて言
っている今日この頃です。     合掌

■ 第1730回NHK交響楽団定期演奏会を聴いて♪♪

2012-06-10 11:09:00 | Weblog

 6月9日(土)の夕方、第1730回NHK交響楽団定期演奏会を聴きにNHKホール
に出かけました。今回は、ウラディーミル・アシュケナージの指揮によるリムスキー・コ
ルサコフ:組曲「サルタン皇帝の物語」作品57、グリエール:ホルン協奏曲変ロ長調作
品91、チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調作品36でした。

 個人的には、アシュケナージの指揮によるN響の演奏はいつも不満を持ちながらNHK
ホールを後にしたことが多くありました。従っていつも思うことは、アシュケナージは指
揮者でなくピアニストとして音楽を極めるべきであると思っていました。

 今回も、不満が残る演奏になるだろうと思ってHNKホールに行きましたが、なんと今
回は、今までと異なり最高の演奏を聴かせてくれました。何がきっかけでこんなに変わっ
たのか不思議でなりません。

 1曲目のリムスキー・コルサコフ:組曲「サルタン皇帝の物語」ですが、とてもかわい
らしい楽想で、初めて聴く曲でありましたが以前から知っていたような不思議な感覚を覚
えました。

 2曲目はグリエール:ホルン協奏曲変ロ長調作品91で、ホルン独奏は世界最高のホル
ン奏者であるラデク・バボラークでした。バボラークの演奏ですが、演奏が難しいとされ
るホルンをいとも簡単に演奏し、音の強弱や高低さらにテンポを自由に操り、素晴らしい
音楽を聴かせてくれました。バボラークが奏でるホルンの音色は、この上なく耳に心地よ
く響き、ホルンであるのに弦楽器の音のように聴こえた瞬間もありました。

 また作曲家であるレインゴット・グリエールですが、1875年に父親はドイツ人の楽
器職人で、母親はピアノをよくしたポーランド人の間にキエフで生まれました。スクリャ
ービンやラフマニノフと同世代であり、1938年から1948年まで、ソ連作曲家同盟
組織委員会の議長をつとめ、ソヴィエト音楽史において最も体制に寄与した作曲家の一人
と言えるようです。個人的には、今回の演奏を聴くまで全く知らなかった作曲家でした。

 今回のホルン協奏曲はとても美しい曲であるとともに、ホルンの魅力を余すところなく
表現した素晴らしい曲だと思いました。3楽章構成で25分程度の曲でしたが、久しぶり
に感動した曲でした。また、初めて聴いた曲にも係らず心の中に浸み込んでくる不思議な
曲でした。楽想全体が牧歌的でかつ民謡風の流れであることから、聴きやすかったのかも
知れません。

 ホルン協奏曲の演奏が終わった時には、NHKホール中が拍手とブラボーの声援で熱狂
的な状況になりました。個人的にも今回の演奏会は歴史的な名演奏ではないかと思いまし
た。後日のTV放映の際には、必ず録画したいと思います。鳴り止まぬ拍手にバボラーク
はバルボトゥ作曲「独奏ホルンのための5つの詩的な小品」から第5曲を演奏しました。
小品でしたが、聴きごたえのある内容の作品でした。

 3曲目のチャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調作品36ですが、今回の演奏会の中で
はN響が久しぶりに良い演奏を行ったにも係らず、曲の流れがあたかもジグソーパズルの
絵の中で、いつも2ないし3枚のピースが欠けているような状況になっていました。簡単
に言えば全体のバランスがもう少し良いと、素晴らしい演奏になったと思います。

 しかし、今回の演奏会でアシュケナージの指揮とN響のヴァイオリンの演奏が特段良く
なった印象を受けました。今後もこのような傾向が続くことを期待しています。