ゆうちゃんの独り言

モーツァルトが大好きで毎日欠かさず聴いています。人生の生き方は仏教で毎日般若心経を唱え、時間を見つけて寺巡です。 合掌

■ シルバーウィーク5日間の過ごし方!!

2009-09-23 13:24:46 | Weblog

 今年のシルバーウィークは5日間の連休となり、日本各地で人出が多かったようです。今
回の休みは仕事はせずに読書と寺巡りをし、久しぶりに充実した休みを過ごしました。寺に
関してはまた別の機会にお話をしようと思いますが、具体的には曹洞宗大本山總持寺と、高
野山真言宗弘明寺を訪れました。ともに横浜市にある寺院です。特に弘明寺では十一面観世
音菩薩を真近で拝顔することが出来て、こころが穏やかになった気がしました。

 読書は、全てが仏教に関するもので、特に禅宗関連のものを3冊と五木寛之の最新作であ
る「人間の運命」を読みました。どの本も自分の生き方に関して反省あるいは納得出来るこ
とが多くあり、役に立つものばかりでした。

 この齢になってもまだまだ自分を見つめ直すことの多さに驚きを感じるのと、人間の生き
方の根本は非常にシンプルであるが奥が深く、それを極める事の大変さを改めて感じました。

 いつも書くことですが、人間はどのような人生を送り、そして死んだら良いのかの明確な
方向がまだ見えないのです。自分の寿命があとどれだけか分かりませんが、どんなことがあ
っても死ぬときには満足した気持ちで浄土へ行きたいものです。そのためにも、一日一日を
大切にして生きることが重要であることは言うまでもありません。

 自分の将来は、現在の自分の行動が引き金になっていることを再度認識する必要があると
思います。運命とか宿命とかいろいろな言い方がありますが、全て自分が行った結果が廻り
まわって自分のところに還ってくるものだと思っています。

 良く自分は幸せだとか不幸せだとかいいますが、よくよく考えてみると、全て自分が何ら
かの係わりをもっていたからこそ、その結果として形に現われるものだと思います。

 仏教では「生老病死」が四苦であり、さらに「愛別離苦」、「怨憎会苦」、「求不得苦」、
「五陰盛苦」の四つの苦を加えて四苦八苦と呼ばれています。生きるには、これらの四苦八
苦から逃れることができません。従ってこれらを自分の中で確実に把握して理解し、それに
伴った謙虚な姿勢で臨むしか生きる方法はないのだと思います。

 仏教では、偏るな、囚われるな、拘るなの基本的な行動様式が示されていますが、なかな
かこの3つの行動から抜けられないことから、人間は常に悩むのだと思います。煩悩を断ち
切り、自分の心に素直に従うことが最終的に正しい道に繋がるのです。

 現在の世の中は、0か1かのデジタル的な考え方が蔓延っていることが、人間関係や社会
に潤いのない、殺伐とした状況が生み出されているのだと思います。

 確かに世の中の構成は、白か黒かとか0か1かのような相対する関係の中で成り立ってい
ますが、仏教でいうところの偏らない考えを基準に考えると、アナログ的というか人情とで
もいうのでしょうか、もっと暖かさを感じる考え方が、正に今求められているのだと思いま
す。

 仮に今までの行動の中で、自分よりも他人を少しでも優先する行動が、いろいろなところ
で少しづつでも出てくるようになると、人間社会は急減に変化すると思います。そのような
社会がいつ到来するのか分かりませんが、自分としては可能な限り自分を捨て、他人のため
に行動することを、ほんの少しでも実行していきたいと考えています。

 この9月に日本では政権交代が実現しました。前よりもこれからの方がより変化が激しく
なると思いますが、変わることの重要さは大切にしたいと思います。仏教では永遠に変わら
ないものはないと断言しています。

 全ては変わるものなのです。それを認めるところから仏教は始まるのです。皆さんも行動
して変わりましょう。合掌

■ 第1653回NHK交響楽団定期演奏会を聴いて(Aプロ初日)♪♪

2009-09-22 17:41:50 | Weblog
 
 シルバーウィーク5日間が始まる19日にN響の定期演奏会を聴きに行きました。今年度
の新しいシーズンがこの9月公演からスタートしました。今回の指揮者は、クリストファー
・ホグウッドです。

 ホグウッドは、1973年にイギリス初の古楽器オーケストラであるエンシェント室内管
弦楽団を創設し、モーツァルトやハイドンを中心にこれまでに多くの古楽を中心とした演奏
に取り組んできている世界の第一人者です。1941年生まれですから今年68歳です。


 特にモーツァルトの交響曲全集を古楽器の編成によるオーケストラでしかも、演奏方法等
を新たな視点で研究した成果物であるCDは、いまでも聴くたびに新鮮な感動を呼び起こす
名演だと思います。

 今回、ホグウッドの演奏が聴けるので期待を持ってNHKホールへ出掛けました。ただ今
回の演奏曲が全てメンデルスゾーンであったことが少し引っかかりました。なんでも今年は、
メンデルスゾーン生誕200年とのことですので、オールメンデルスゾーンのプログラムに
なったのでしょう。

 曲目は、メンデルスゾーン/序曲「フィンガルの洞窟」作品26(ローマ版)、ヴァイオ
リン協奏曲ホ短調作品64(初稿)、交響曲第3番イ短調作品56「スコットランド」でし
た。

 これらの中で、特に素晴らしい演奏であったのは、最後に演奏された交響曲第3番イ短調
「スコットランド」でした。弦楽器の素晴らしい演奏が特に目を引きました。通常の弦楽器
の配列と異なり、第一ヴァイオリンの隣にビオラ、チェロ、そして第二ヴァイオリンの順で、
古典音楽で採用されていた配列でした。

 ですから第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンの掛け合い等の場面では、左右での音の競
演ですのでとても楽しく聴くことが出来ました。個人的に初めて聴いた曲でしたが、モーツ
ァルトを聴きなれている者からすると、しつこい感じのフレーズが随所に現われ如何なもの
かと思いました。イメージですがシューベルトの交響曲に似た感じを受けました。

 ヴァイオリン協奏曲ホ短調ですが、ソリストはダニエル・ホープです。ダニエル・ホープ
はメンデルスゾーンの師であったカール・フリードリヒ・ツェルターの末裔だそうで、その
意味では今回のヴァイオリン協奏曲は適任なのかも知れませんが、個人的にはちょっと外れ
た演奏(聴く側の期待を裏切った演奏内容)をするバイオリニストだとの印象をもちました。

 ジャクリーヌ・デュ・プレ以来最もエキサイティングなイギリス人弦楽奏者との評判もあ
りますが、個人的には好きになれません。このように思えた背景に、今回の演奏が初稿版に
よるものであった影響があると思います。

 いつもの聞きなれた曲の流れと異なるものがあると、曲全体のイメージが壊れてしまい、
せっかく良い場面があったにも係わらず全てがクリアーされてしまうような感じでした。歴
史的に価値があるのだと思いますが、音楽は内容が充実して初めて心に響く芸術なので、完
成度の低い初稿版のものは避けてほしいと思います。

 アンコールは、ラベルのカディッシュでした。カディッシュとは死者への祈りの歌を示し
ていることから、全体的に神秘的で清浄感に溢れた神秘的な内容の曲でした。この曲の解釈
は素晴らしいと思いました。確かに才能を持ち合わせた演奏家だと思います。

 全体的には、クリストファー・ホグウッドの魅力が前面に出された演奏会でしたので、満
足でした。可能であれば1曲位はモーツァルトの曲を入れて欲しかったと思うのは、私だけ
ではないと思います。