一部の皆さんが誤解しているであろう地方議会の役割及び地方議員の権限について、ひいては二元代表制が機能するための地方政治の在り方を述べてみたいと思います。
国会議員との違いは、法律を制定する権利は同様にあっても、予算編成権を持っていないという仕組みです。予算編成権は首長にあります。そのため条例の制定は、議会の決議で実行可能となりますが、ほとんどが予算を伴わないものに限られてしまいます。つまり、予算を伴う政策実行においては、議会のできる権限は限られてしまうということです。首長との対立において、よく議会は対案を出さないと言われますが、国会の政策対立は予算を伴う政策の議論に対し、地方議会は予算執行に対する拒否権しかないというのが地方自治法なのです。 対案を出さないのではなく、その機能がもともと付与されていないのです。
予算執行権を持つ首長の権限にブレーキをかけることができるのは議会しかないということです。アクセルが首長とすれば、議会はブレーキの役目をする、それが二元代表制の機能といえます。アクセルだけでは暴走し、ブレーキだけでは動きません。両方踏んでも動かないでしょう。運転する人は一人ではなく、何千何万という市民の皆さんの多様な民意です。
こうしたことが、議員や議会の権限のすべてではありませんが、ぜひ理解していただきたいと思います。リコールや住民投票の話題が昇る昨今、こうした基本を理解していただくことも、判断の基準になっていただければと書きました。当たり前のことだだと言われるかもしれませんが。
以上