浅野ゆうじの独り言

社会・政治に関連する本の感想や日々の出来事についての私なりの考え方を書いています。

浅野ゆうじ広報紙記事より②

2018-12-03 13:17:29 | 日記・エッセイ・コラム
読んだ小説から、私自身が共感した文章を紹介しました。

中山七里『テミスの剣』(文春文庫)より
「マスコミが、司法・立法・行政に次ぐ第四の権力と呼ばれて久しい。三権の監視役として、そして社会の木鐸としての存在意義は否定するものではない。しかし、如何せんマスコミのほとんどは、市場原理に支配されている。売上部数と視聴率が神であり、指針であり、絶対だ。そうした構図では必ず全体の意識が安きに、つまり論理よりは感情に流れる。そして感情に走った意識は生贄の姿を確認しない限り、いくらでも昂ぶり続ける。みずからの嗜虐心を正義とはき違え、それに相対するものをすべて悪だと決めつける。本来、善悪の境界線を引くのは人の心だ。だが様々な立場、様々な倫理観が混在する中で、すべての事象を善悪に隔てることには違和感が生じる。そこで法という概念が用いられる。法律とは、いわば最低限の善悪を定めた物差しなのだ。」

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