「好きな野草は?」と訊かれて、どくだみを挙げる人を聞いたことがない。
増えだすとあっという間に地面を覆いつくしてしまう。
引き抜こうとすると途中でプツンと切れてしまい、なかなか根っこまでは抜けない。
残った根がまた芽を出してくる厄介な雑草であり、手を焼いている方は多いのではないだろうか。
さらにイヤなのは、そのきつい匂いである。
そんな「どくだみ」も、一輪一輪を見ると、やさしい花なのである。
水路の土手にはびこっている一群は、このところの雨にも恵まれ元気だ。
真っ白な4弁の花は、その名前や匂いには反して結構かわいい花なのだ。
小ぶりの一輪挿しにでも活けたらどうだろうか。