幸隆の国から

歴史の跡、自然、いい湯などを訪ねて出掛けたときの記録。
また、四季折々、日々の雑感です。

「茶道」の奥深い世界の入口へ

2024-11-04 | 日記

昨日、「お茶」を教えている叔母に頼み、そのお稽古を見学させてもらった。

もとより全くの素人なので、作法の一つ一つはもちろん、用語すら初めて聞くことが多かったが楽しい一日であった。

 

お部屋(茶室)に入ると、床の間には掛け軸が下がり、菊やムラサキシキブが活けられている。

今は畳が敷かれているが、一か所の畳をあげると床に炉が切ってあるという。

隅にお湯を沸かす炉が置いてあり、季節により使い分けるのだが、今回はこちらを使うとのことである。

セットされたこの一体は、木(杉の焼き板)、火、土(炉)、金(釜)、水から成るという説明もしてもらった。

水差しには「雁の群れ」の絵が描かれていて、「秋」にマッチしたものである。

 

お茶入れは、「唐松」がデザインされた「紋唐松」の蒔絵が施されたもの。

お値打ちなものに見える。

残念ながら、私にはその価値を見る目は持ち合わせていないので、恐る恐る手に取ってみる。

 

お菓子の器にも「すすき」が描かれて、季節を感じさせるものである。

 

その他、茶杓、茶わんなど「お道具」に関するポイントをお聞きしてから、お稽古の様子を見せていただく。

お弟子さんについてはシロウトの私がコメントは出来ないが、茶道の流れはしっかりマスターされているように見えた。

ときどき「お道具」を置く位置などの微調整をされていたようだが、大きな問題ではなさそうであった。

 

ここで点てたお茶を、私たちにも振舞っていただいた。

座る位置を決める、出された甘いお菓子を食べる、口をつける前に茶わんを回して正面をずらす、最後、ズー(ツー)という音を立てて呑み干す。

そして、お茶碗をもとに戻す。

もちろん、基本的な動作は教えていたのだが、全て手とり足とりのフルサポートを受けながらのお作法であった。

 

何も知らない私にとっては全てが初めてで、先生にもお弟子さんにもご迷惑だったろうと思う。

しかも、正座ができない行儀の悪い客であったが、快くお稽古の場所に立ち入らせていただき、とても良い経験ができた。

今まで「茶道」というものに触れる機会はなかった。

今回の体験で、それは、作法はもちろん、茶道具、掛け軸、生け花、季節への感性など、広くかかわる奥深いものであることが理解できた。

叶わぬことではあるが、もう少し若かったら、信長や秀吉の時代に気持ちを馳せ「茶の湯」を学んでみたいと思った。



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