新潟市の万代橋の近く、ランドマークとなる「新潟日報万代メディアシップ」がひときわ高くそびえる。
20階にある展望台に上ると、眼下には、信州にその源を発する信濃川が日本海にそそいでいるのが見える。
周辺にはオフィスビルやホテル、ファッションビルなどが立ち並ぶ繁華街である。
そのビル群の中に「万代シティバスセンター」があり、立ち食いそばの「万代そば」がある。
店頭には、そば・うどんにカレーの文字が並ぶ。
ここで食べられるのが「バスセンターのカレー」として有名な「黄色いカレー」なのである。
今回の旅行に出る前に、新潟市に赴任経験のある知人から、その「カレー」のことを聞いていた。
朝めし前に、ホテルを出て街をぶらぶらしながら、バスセンターに立ち寄ってみた。
このチャンスを逸したらいつ食べられるか分からない、きっと後悔するであろうという気持ちが頭をもたげる。
お客さんの食べているカレーを横目で見ながら、ミニ、普通、大盛りの三つのサイズから「ミニ」を選択した。
出されたカレーをみて、「これでミニなの・・・?」というほどのボリュームであった。
私には多すぎるほどのご飯に、たっぷりと掛けられた「黄色いカレー」。
まず、その色を見て、子供の頃おふくろが作ってくれたカレーを懐かしく思い出す。
ひと口食べてみると、今はその多くが街から姿を消してしまった「街のお蕎麦屋さんのカレー」の味を思いだした。
ここのカレーは肉も野菜も多く辛さも効いていて、人気があるのが分かるような気がする。
いつの日かまた新潟を訪れるときがあれば、「あの黄色いカレー」を食べたいと思いだすであろう。
今や、「バスセンターのカレー」のレトルト商品もあるし、カレー味の柿の種などもある。
そばやカレーと同様に券を買い、カウンターで渡すと「柿の種」が買えた。
朝の八時過ぎ、待ち行列ができるほどではなかったが、ひっきりなしに客は来る。
おそらく、お昼時になると客は増え、立ち食いのテーブルは人で埋まってしまうのであろう。
私の想像していた以上に、「バスセンターカレー」のファンはいるようである。