幸隆の国から

歴史の跡、自然、いい湯などを訪ねて出掛けたときの記録。
また、四季折々、日々の雑感です。

鵜飼観覧船で食べる鮎

2024-09-10 | 旅行

今回の岐阜への旅のお楽しみのひとつは、初めての「鵜飼」見物であり、事前に食事(弁当)付きの乗合船を予約しておいた。

 

夕日が沈むころになり、乗り場の近くでは、乗船の前に、鵜匠の説明を聞くことができる。

実演もあり、魚を呑ませてから、首をキュッと絞めて呑んだ魚を吐き出させる。

始めて見る者にとっては、ちょっとかわいそうな気もする。

 

船内での飲食は自由である。

予約しておいたお弁当を受け取り、近くでビールを買って指定された屋形船に乗り込む。

幸いにもこの船は「トイレ付」であり、「心配なく」飲める。

 

既に先に乗り込んでいた浴衣姿の女性4人組は、早くも始めている。

私たちも早速ビールを開け、弁当を開く。

弁当に「アユが入っているといいな~」、ちょっと期待していたのだが、あった!、塩焼きのアユがちゃんと入っていた。

「鵜飼を観ながらアユをかじる」、この状況がなにより食事をおいしくしてくれた。

川面を渡る風を感じつつ飲むビールがうまかった。

 

その日もお天気は良く、何艘もの観覧船が出ていた。

漁のポイントに着き鵜飼が開始されるまでの時間、食事をしながら過ごす。

意外だったのは、踊りを披露してくれる船もやってきて楽しませてくれる。

 

ビールが空き、食事がすむころ、パーン、パーンと漁の開始を告げる花火が打ちあがる。

一斉に鵜飼の舟が動き出し、かがり火の明かりに鵜匠の鵜を操る姿が見える。

鵜匠のさばく綱の先では鵜がせっせと潜り、魚を追っている。

 

いよいよ漁のクライマックス。

6艘の舟が協調し、横いっぱいに広がり、一方向に魚を追いこんでいく。

舟のへりをたたくバンバンと音が聞こえ、暗闇に、鵜舟のかがり火が一列になって進む幻想的な情景が拡がる。

 

1300年伝承されているといわれる「鵜飼」。

船を下りる時には、それまで、なにか違う世界にいたような感覚に陥った。

芭蕉は、「おもしろうて やがて悲しき 鵜舟かな」と詠んでいるという。

 



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