はーちゃんdays 2

大学生の娘と高校3年生の二人の子供の父親。

ザリガニの鳴くところ (ハヤカワ文庫NV)を読了

2024年01月06日 | 買った本、読んだ本
ザリガニの鳴くところ (ハヤカワ文庫NV)


文庫になったので購入して読了しました。600ページに及ぶ大作でした。
映画にもなっているのですが、原作を読んでから映画を見た方が良いと思います。映画はミステリーという観点から描かれていて、原作のカイアの成長の部分が駆け足であったり、端折っているのではないかと思いました。原作の後半部分から場面が進行していて、冒頭からの湿地の少女という重要な言葉を日本人にはとても理解できないと思いました。アメリカ人なら理解できるのかもしれませんが、、、元々2時間という尺では伝えきれない内容なので仕方ないかと思いますが、、、これも日本人だからかもしれませんが、初めから主人公が小綺麗すぎて、自分の想像していた湿地の少女のイメージと大きくかけ離れていました。おしんのような過酷な世界で生きているはずなのですが、その辺りの描写はわずかでした。私の主人公のイメージは銀河鉄道999の星野鉄郎の原作と映画の違いぐらいかけ離れていました。
親に見捨てられ生きていく過程の描写がもう少し欲しいと思いました。
原作にちりばめられて歌、詩の引用も省かれているようでしたんので、、
主人公の長い孤独を感じることによって初めて成り立つストーリー、ミステリーだと思いました。
ある意味ではラブストーリー、ある面ではサバイバルストーリー、また沼地の生態にも詳しくなりそうな動物ものでもあり、ミステリー、法廷ものでもあるという本当に色々な要素が詰め込まれたベストセラーになるのも納得の小説でした。

映画『ザリガニの鳴くところ』予告1