Counting Blessings

シンガーソングライター Yumiko Beckの
活動やあれこれ。

アメイジング・グレイス

2011年06月01日 | 映画
近所の映画館でまだやっていたので、観て来ました。


あの有名な讃美歌「アメイジング・グレイス」の作詞者である
ジョン・ニュートンについての映画かと思っていましたが、
それは、奴隷船貿易廃止に生涯を捧げた
イギリスの若き政治家、ウィリアム・ウィルバーフォースのストーリーでした。

ジョン・ニュートンは、ウィルバーフォースを少年の頃から導いた信仰の師として登場します。

彼は福音を見事に言い表したあの「アメイジング・グレイス」を書いた後も、
奴隷船の船長として2万人ものアフリカ人の尊厳を踏みにじった、
その罪の深さの自覚に苦しみ続けます。

「多くの事を忘れても2つの事は真実だ。
 私は大変な罪人である事、
 キリストは偉大なる救い主である事。」

彼は若いウィルバーフォースに、聖職者の道ではなく、
政治家として生きる事で神に献身するように促しました。

そして、ウィルバーフォースは奴隷貿易の廃止という、厳しい茨の道を歩く事となります。
しかし、これこそ神が与えた天職というものなのでしょう。

奴隷船廃止の法案は成立までに長い年月と多くの困難を極めました。
人道上正しいと分かっていても、様々な利権に縛られて法案に反対する議員たち。

それはまるで200年の時を隔てた今の日本と重なるようです。

しかし、何かを変え得るのは、たとえ少数であっても
情熱を持った「人」である、と言う事。

そして、あの「アメイジング・グレイス」という歌が、
観念的な歌ではなく、非常に生々しい現実を歌った歌である事。

それらが、圧倒的な迫力を持って迫って来ました。

Amazing grace!
How sweet the sound!
That saved a wretch like me!
I once was lost, but now I am found;
Was blind, but now I see.