Counting Blessings

シンガーソングライター Yumiko Beckの
活動やあれこれ。

モチベーション3.0

2010年08月08日 | 
本屋で目について、ついつい買ってしまった本。

ダニエル・ピンク著
「モチベーション3.0」

ダニエル・ピンクは今、起こりつつある事、
今後、世界はこうなっていくだろう事などを、
ていねいに説き明かしてくれるライターだと思っています。

原題は「Drive」。

その人をある活動に駆り立てるもの、
或いはその人を動かしているもの、
と言ったニュアンスだと思います。

目標を持つ事が大切だ、と言う事は耳にタコができるほど
聞いて来ました。

「○△になりたい」

しかし、その裏にある動機が、

「○△になったら、お金持ちになれるから」
とか
「○△になったら、人からの賞賛をえられるから」
とか、
そう言った外側からのものであるなら、
その目標を達成する事は、返ってその人を不幸にする、
と言うのです。

そうではなく、その活動そのものの中に喜びを見出す事。
ひたすらそこに没頭するうち、気がついたら○△になっていた、
と言うのが長続きのコツだし、幸福の鍵。

熟達(mastery)はある意味、苦しい道。
しかし、熟達を飛び越して達人(master)になろうとする人が
いかに多いか、と書いていました。

そう。
こんな事は古くから言われている事だし、
よく分かっているはずだったのに、
なぜ人って、近道を探してしまうのでしょう。

「一週間で人生が変わる」とか、
安易なハウツーに手を出したり。

それって結局、熟達への辛く長い道のりをショートカットして
達人になろうとしている事となんら変わりはありません。

収穫を期待するのは悪い事ではありません。
けれど、種まきも、双葉も、そのすべての過程を楽しむ事が
収穫に至るまでモチベーションを持続するコツなのです。

このような知恵は、経験から得られるものだと思います。
けれど、ダニエル・ピンクはこの「モチベーション3.0」の中で
そのメカニズムを科学的に説き明かしています。

現代社会は未だショートカットを奨励しているようです。
けれど、科学は、人の本質は実はショートカットに向いていない、と
教えているのです。

さて、そこで、ピアノのお稽古へとつながるわけなのです。

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